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横断歩道上に「違法停車」したことは、過失責任を負うか?

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交通事故の場合、加害者と被害者で過失割合を争うことが一般的ですが、事故に直接的に関係してなくても事故の誘因になったときは過失責任を負うことがあります。

 

以前、交差点付近の違法停車による誘因事故で、違法停車したタクシーに過失責任が認められた判例を紹介してますが、

違法駐停車を追い越ししたら対向車と衝突。違法駐停車車両は損害賠償責任を負うか?
交差点から5mは駐停車禁止エリアになりますが、例えばですよ。 違法駐停車車両を追い越ししようとして対向車と衝突した場合、違法駐停車車両は損害賠償責任を負うのでしょうか? ※「追い越し」と書きますが、道路交通法上の追い越しとは異なります。 違...

横断歩道上に違法停車したゴミ収集車に過失責任が認められた判例もあります。

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横断歩道上に違法停車したゴミ収集車

判例は東京高裁 平成11年10月21日。
一審判決が見つからないので、図面は正確ではなく想像を含みます。

交差点に付属した横断歩道で、おそらく下⇒上方向は一方通行です。
ゴミ収集車がゴミ収集業務のため横断歩道上に停車していたところ、原付はゴミ収集車の右側を通行しようとして自転車と衝突。

 

原付(一審原告)が脳挫傷等の傷害を受けたとして、自転車(B)とゴミ収集車を管理する自治体を提訴した控訴審です。

 

要はゴミ収集車が横断歩道上に停車していたことは違法(44条)ですが、直接的に事故を起こしたわけじゃない。
ゴミ収集車に過失責任を認めるかが争点です。

第一審原告は、横断歩道手前の停止線の直前で停止することができるような速度に減速することを怠り、また、横断歩道に一部またがって停車していたC運転の塵芥車の右側を通過する際、その前方に出る前に一時停止することを怠り、さらに、前方注視を怠った過失があったこと、Bは、塵芥車が停車していたため見通しがきかない本件交差点内を通行する際に徐行することを怠り、また、塵芥車の前を通って横断歩道に至るため、一方通行の本件道路をわずかの距離ではあるが、反対方向に走行し、さらに、前方注視を怠った過失があったことが認められる。また、Cは、道路交通法44条に違反して、本件交差点及び横断歩道に塵芥車を停車させていた点で過失があったものと認められる。
そして、右認定事実によれば、Cが本件交差点内に塵芥車を停車させていたことにより、第一審原告の進行方向からも、Bの進行方向からも、本件交差点付近の見通しが阻害されていたこと、そのことが、第一審原告とBがそれぞれ相手方を発見することが遅れた一因であること、Bは、塵芥車が一部横断歩道上に停車していたため、直ちに横断歩道を渡るのではなく、塵芥車の前部を回り込むような形で一方通行の本件道路を反対方向に走行したことが認められる。したがって、Cが本件交差点及び横断歩道に塵芥車を停車させていたことと本件事故とは因果関係があるものと認められる。
なお、第一審原告とBに過失があったことがCの過失(道路交通法44条違反)の存在を否定するものでないことは、いうまでもない。また、Cが塵芥車を停車させていたのは、ごみ収集のためであったが、これは、道路交通法44条の交差点及び横断歩道における停車禁止の除外事由とはされていないから、同条違反であることに変わりはない。ごみ収集のための停車の事実は、Cの行為の違法性を阻却するものではない。Cに過失がなく、本件事故との因果関係もない旨及びCの行為は違法性が阻却される旨の第一審被告の当審における主張1ないし3は、採用することができない。

右1の認定事実によれば、本件事故は、第一審原告、B及びCの三者の過失が競合して発生したものであると認められる。そして、これら三者の過失内容をみると、第一審原告は、横断歩道に停止している車輌がある場合にその側方を通って前に出ようとしたのであるから、道交法の定めるとおり、一時停止すべきであったのをこれを怠ったもので、その過失は重大である。そして、塵芥車の停車により本件交差点の見通しが阻害されていたのであるから、より一層本件交差点付近を注視して運転すべきであったのに、塵芥車の右側を通過するにあたり、前方を注視するという運転者にとって最も基本的な注意義務を怠り、漫然と進行したものである。また、Bにも同様の前方不注視の過失があり、さらに、一方通行の本件道路を反対方向に走行するという極めて危険性の高い走行方法を採ったものである。
また、Bにも同様の前方不注視の過失があり、さらに、一方通行の本件道路を反対方向に走行するという極めて危険性の高い走行方法を採ったものである。第一審原告及びBのこれらの過失が本件事故の大きな原因となっているものと認められる。他方、Cにも本件交差点及び横断歩道に塵芥車を停車させるという過失があったが、これは、ゴミ集積所に置かれていた付近住民のごみを収集するためであり、ごく短時間の予定で停車したこと、しかも、ごみ集積所の場所は、付近住民の意向を尊重して決められているものであり、Cや第一審被告だけの判断でその場所を変更することはできなかったものである。

これらの諸事情を考えると、第一審原告とCとの間においては、Cの過失割合は1割とみるのが相当である。

東京高裁 平成11年10月21日

横断歩道上に違法停車したゴミ収集車に過失1割を認定してますが、「ごみ集積所の場所は、付近住民の意向を尊重して決められているものであり、Cや第一審被告だけの判断でその場所を変更することはできなかった」ことを考慮して1割なのかと。

徐行義務と38条2項

判決を見る限り、原付にしても自転車にしても「左右の見通しがきかない交差点」(42条1号)なんだと思われますが、左右の見通しがきかない交差点である以上は交差点に入るときは徐行義務があり、かつ原付からすれば一時停止義務(38条2項)がある。

(徐行すべき場所)
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。

ゴミ収集車が横断歩道上に停車したことは違法だとしても、原付が徐行/一時停止しなかった違法性を消すわけじゃないし、自転車が徐行しなかったことの違法性を消すわけでもない。

 

三者それぞれに違法/過失がある阿鼻叫喚な事故ですが、こんな場所にゴミ捨て場があるのが「住民の要望」なんだから恐ろしいし、そんな場所のゴミ収集を認めないことも行政責任なんじゃないかと思う。

 

けど、世の中意外とテキトーなのよね。


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