こちらの記事にご意見を頂き、困惑していたのですが、
違反によって事故を起こした場合、反則金の適用はない。
法律で定めているからそうなる。
第百二十五条
2 この章において「反則者」とは、反則行為をした者であつて、次の各号のいずれかに該当する者以外のものをいう。
三 当該反則行為をし、よつて交通事故を起こした者
違反行為と交通事故発生に因果関係がある場合、反則者として扱わないと書いてある通り。
何に困惑していたかというと…
Contents
「僕は反則金を払った記憶がある!」
主張はこう。
このサイトの記述は間違いではないか?
あなたが書いたのだからきちんと根拠を示すのはあなたで、なぜ私が調べなければならないの?
条文から明らかな上、東京地検の解説書を引用しているのでこれ以上疑義があるならあなたの見解が正しいことを示す書籍を教えてください。
反則者とは
反則行為をした者であって、この制度の適用を受ける者である。一定の違反行為者を行政の分野からとらえた概念である。ただし、次の者は、反則行為をした者であっても反則者とはしない。その趣旨は、本来この制度が一定の比較的軽微な違反行為を反則行為とし、これに関して処理手続を定めることとしたものであるが、車両等の運転者の道路交通法違反事件につき、事案の軽重、性質に応じて合理的に処理するという目的からみれば、違反行為についてだけでなく、その違反行為をした者についても、反社会性または危険性に応じて処理することが適当と考えられたからである。このような観点から、反則行為をした者であっても、悪質または危険性の高いまたはこの制度の適用になじまない次の者を反則者から除外し、この制度を適用せず、当初から刑事手続により処理することとしたのである。
東京地方検察庁交通部研究会、「最新道路交通法事典」、東京法令出版、1974
反則金を払ったことは事実です。
事故と因果関係がない違反なら別ですが、あとは警察なり解説書なりで確認して頂いたほうが…
なぜ頑なに警察なり解説書で確認しないのかはわからないけど、わりと困惑する。
なぜだろう
よくわからないのは、条文から明らかな話なのに納得しないこと。
反則金制度は、本来は刑事罰として扱う交通違反について、軽微なものを非刑事事件として扱う仕組み。
要は特例なのよ。
「違反だね、でも事故に至ったわけでもないし無免許でもないし、特例として違反を認めるなら刑事事件ではなく行政罰(反則金)で終わらせますよ」、というのが青切符の趣旨。
違反によって事故を起こした以上、既に軽微な問題ではないから反則金制度を適用しないと125条に書いてある通り。
違反により事故を起こした以上、青切符ではなく書類送検になります。
点数がつくのは別の話。
理屈の上では、例えばこれ。
今朝も信号のない横断歩道をゆっくり渡る。歩いて横断中、左から来たトヨタヴィッツシルバーと接触。衝撃のためか、動画はここで切れていた。 pic.twitter.com/73ICFtCh0j
— Tatsuya Skywalker (@TatsuyaSkywlkr) August 30, 2024
容疑としては、過失運転致傷罪(自動車運転処罰法違反)と横断歩行者等妨害罪(道路交通法38条1項後段)になり書類送検されますが、両者は内容が被る上に過失運転致傷のほうが刑罰が重いので過失運転致傷罪として起訴/不起訴が判断される。
反則金制度の適用はありませんが、点数はつきます。
たぶん何か勘違いしているのだと思うけど、なぜ頑なに警察なり解説書で調べないのか謎。
解説書なら図書館に行けばあるだろうし。
しかし、「反則金を払った記憶がある」と不確実な話を根拠にされても…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
罰金と反則金を勘違いしている…とか?(^_^;)
コメントありがとうございます。
罰金と反則金はだいぶ違いますが、略式起訴なら裁判しないから混同するのでしょうか。