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小学生が乗る自転車が、横断歩道で事故に遭う。

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搬送時には意識があったようなので軽症だといいのですが…

茨城県守谷市の横断歩道で車が小学5年生の男の子が乗った自転車をはねる事故がありました。男の子はヘリコプターで千葉県内の病院に搬送されました。

20日午後3時ごろ、守谷市百合ケ丘で「車と自転車の事故で小学生がけがをしている」と119番通報がありました。

警察などによりますと、小学5年生の男の子(11)が黒内小学校近くの信号のない横断歩道を渡っていたところ、東から直進してきた車にはねられました。

男の子はヘリコプターで千葉県内の病院に搬送されました。

男の子はヘルメットをかぶっていて、搬送時、意識はあったということです。

警察は車を運転していた会社員の青野喜一容疑者(40)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕して事故の状況を詳しく調べています

【速報】小学5年男児の自転車と乗用車が小学校前で衝突 ヘリで搬送 茨城・守谷市(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
茨城県守谷市の横断歩道で車が小学5年生の男の子が乗った自転車をはねる事故がありました。男の子はヘリコプターで千葉県内の病院に搬送されました。  20日午後3時ごろ、守谷市百合ケ丘で「車と自転車の事

現場はこちら。

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東から直進なので、加害者の進行方向はこっちか。

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ところでちょっと前に「横断歩道で優先権がない自転車と事故になり、クルマが有罪?」と質問を頂きまして。

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過失運転致死傷の成立

たぶん勘違いしているのは、過失運転致死傷罪の成立要件は「過失」(不注意)と事故に因果関係があるか?の話。
理屈の上では道路交通法違反がなくても過失運転致死傷罪は成立する。

 

横断歩道で自転車と衝突した場合、一般的には減速接近義務を怠った過失です。
一例として東京高裁 平成22年5月25日(刑事)。

進行道路の制限速度が時速約40キロメートルであることや本件交差点に横断歩道が設置されていることを以前から知っていたものの、交通が閑散であったので気を許し、ぼんやりと遠方を見ており、前方左右を十分に確認しないまま時速約55キロメートルで進行した、というのである。進路前方を横断歩道により横断しようとする歩行者がないことを確認していた訳ではないから、道路交通法38条1項により、横断歩道手前にある停止線の直前で停止することができるような速度で進行するべき義務があったことは明らかである。結果的に、たまたま横断歩道の周辺に歩行者がいなかったからといって、遡って前記義務を免れるものではない。もちろん、同条項による徐行義務は、本件のように自転車横断帯の設置されていない横断歩道を自転車に乗ったまま横断する者に直接向けられたものではない。しかし、だからといって、このような自転車に対しておよそその安全を配慮する必要がないということにはならない

 

東京高裁 平成22年5月25日

過失運転致死傷って過失、つまり予見可能なことを回避せず事故を起こしたら有罪。
「どっちが悪いか?」ではない。

 

要は横断歩道があるときに、歩行者が横断することは当然予見可能。
自転車が横断歩道を使うことも日常茶飯事なので予見可能。
なので歩行者や自転車が横断することが予見可能なので、それに備えて減速接近する注意義務があり、減速接近していれば事故を回避できたよね?という話になる。

 

過失運転致死傷罪は起訴率が低いと言われますが、軽症事案は自動車運転処罰法5条但し書きにより、起訴しても「有罪だが刑を免除する」という判決になりうるので不起訴が多い。
軽症事案以外はわりと普通に起訴(略式起訴含む)されます。

自転車とクルマが見通しが悪い交差点にて事故。
このような事故はなぜ起きてしまうのでしょうか? 23日午前7時半ごろ、加賀市山田町の丁字路交差点で、自転車に乗っていた加賀市松が丘の中学1年生・田代夢來さん(13)が、交差点を直進していたワンボックスカーにはねられました。 (中略) 自転車...

減速接近が甘かったか、減速していたけど左右注視が甘かったか、刑法上の過失がないかは報道からはわかりません。
どちらかというと問題は民事。

民事はなかなか厳しくなる

この事故現場、交差点に付属した横断歩道。
交差点はクルマの進行方向は交差点内にセンターラインがある優先道路なのよ。

 

別件で使ったイラストを流用しますが、細部は違うけどこう。

この場合、民事過失割合のベースは優先道路通行車と非優先道路通行車の態様なのよね。

加害者 被害者
基本過失割合 50 50
横断歩道修正 +5 -5
小学生修正 +10 -10
65 35
自転車と車・優先道路の過失割合
自転車と車が、優先道路のある交差点(信号なし)で、それぞれ交差する道路から直進してきて衝突した事故について過失割合の認定基準をご案内。優先道路も100%優先というわけではありません。

 

現実的にはもうちょい被害者有利に修正されることが多いけど、自転車にもわりと過失がつく可能性が。

 

けど、基本的には減速接近して左右注視していたなら、よほどおかしな横断をしない限りは事故には至らない。
結局、こういうタイプの事故の多くは、被害者が「押し歩き」して歩行者化してようと、乗ったままだろうと事故っている(つまり減速接近が甘かった)ケースが多い。
なので歩行者なのか自転車なのかは結果論に過ぎないともいえる。

 

押し歩きして事故に遭っていたら意味がないし、小学生に高度な注意を求めるのも酷。
たまに「押し歩きしていたら過失が0%だった」みたいな話を見かけますが、事故にならないことを目指すべきで、事故る前提で過失割合を説明するのはバカげている。
結局は減速接近をきちんとしたか?になる。

 

ところでこれ。

男の子はヘルメットをかぶっていて、搬送時、意識はあったということです。

【速報】小学5年男児の自転車と乗用車が小学校前で衝突 ヘリで搬送 茨城・守谷市(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
茨城県守谷市の横断歩道で車が小学5年生の男の子が乗った自転車をはねる事故がありました。男の子はヘリコプターで千葉県内の病院に搬送されました。  20日午後3時ごろ、守谷市百合ケ丘で「車と自転車の事

あえて評価しませんが、いろいろあるわな。

自転車ヘルメット報道にイチイチ発狂する心理はわからん。
わりと不思議に思っているのですが、こんなのが流れてきた。 死亡の約5割が頭部致命傷、着用と非着用の差は約1.9倍と言う事実を知りながら、まるで万能であるかの様な報道、どうかしている。危機感を募らせた末の行動が、自転車事故の遺族らにヘルメット...

なぜ優先権がない自転車と衝突して有罪になるか?という質問ですが、過失(≠道路交通法違反)と致死傷の間に因果関係があるなら有罪だからです。
小学生に高度な注意を求めるのは酷。
子供の不注意くらい大人がカバーできないとね。
みんなだって、小学生の頃はむちゃくちゃしていたのをある程度大人がカバーしていたから今があるのだと思うわけよ。

コメント

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