こちらの裁判報道を見た人は多いんじゃないかと思うのですが、

いろんな意味で懸念がある。
というのも、月極駐車場代8000円を求めて提訴ということからすると、弁護士を立てずに本人訴訟の可能性が高い。
その上で、この原告が何を主張したのか気になってしまう。
というのも、コンビニ駐車場の無断駐車や空き地の無断駐車の裁判例は、近隣の時間制駐車場の料金を目安に損害賠償を認めてきた。
「近隣の民間時間制駐車場は◯百円だから、同額を認める」という形。
4円しか損害賠償請求が認められなかったということは、民間時間制駐車場を合法利用するよりも月極駐車場を不法使用する方が安いことになり、月極駐車場を不法使用することに歯止めが掛からなくなる。
そこで問題になるのは、この裁判は「近隣の時間制駐車場を利用した場合の料金」が争点になったか否かという点。
つまり原告が
①月極駐車場を不法使用された。20分であっても月極駐車場である以上、月極代金8000円を払う義務がある(主位的主張のみ)。
②月極駐車場を不法使用された。20分であっても月極駐車場である以上、月極代金8000円を払う義務がある。仮に月極代金が認められない場合は、近隣時間制駐車場の料金と同額を払うべき(主位的主張+予備的主張)。
①の主張のみなのか?
②の主張をしたのか?
これで全然意味が違うのよ。
なぜなら裁判官は、法廷に提出された主張と証拠のみで判断する仕組み。
裁判官が勝手に近隣の民間駐車場の料金を調べる権限もなく、予備的主張をするのであれば、原告が証拠として挙げた近隣駐車場の料金が他の駐車場と比べて高くないか?も争点になりうる(もっとも原告主張の「近隣駐車場の料金」に被告が争わないなら、その代金自体は認められる)。
②の予備的主張をした上での判決なのか、それとも①の主張のみだからこうなったのかで意味が変わるのよね…
請求額からして弁護士を立てずに本人訴訟なんだろうなと思われますが、こういうところにプロとの差が出る。
まあ弁護士を立てて②の主張もしたけどこの判決になったなら、判決理由が気になりますが、
民事訴訟では、双方の主張内容も大事なのよね。
どのような主張をした結果の判決なのか、がわりと大事。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
確かに、
月額8,000円÷(30日×24時間×60分)×20分とすれば、
3.7円となるので、端数切り上げで4円なのでしょうけど。
こんな計算は、裁判官はやらないと思うので、
被告が20分の分として主張したのかもしれません。
しかし、20分しか止めてなくても、コインパーキングなら100円は掛かりそうなものですが。
コメントありがとうございます。
時間制駐車場の20分の料金で計算しないと、むしろ被告側は利益を得ている形ですから…