今回は事故とは関係ない話をします。
20日午後8時半ごろ、長野市栗田の市道で、軽乗用車と市道を渡ろうとしていた自転車が出合い頭に衝突しました。
この事故で、自転車に乗っていた長野市の16歳の男子高校生が頭を強く打って重体となっています。
軽乗用車を運転していた長野市松代町に住む20歳の男性会社員にけがはありませんでした。
現場は幅およそ12メートルの道路で、警察が事故の原因を調べています。
自転車で市道を渡っていた16歳の男子高校生が重体 20歳男性が運転の軽乗用車と高校生の自転車が衝突(SBC信越放送) - Yahoo!ニュース長野市で20日、軽乗用車と自転車が衝突し、自転車に乗っていた16歳の男子高校生が重体となっています。20日午後8時半ごろ、長野市栗田の市道で、軽乗用車と市道を渡ろうとしていた自転車が出合い頭に衝
交差点内にセンターラインがあるので、クルマが優先道路。
事故現場はここ。
今回これを取り上げようと思ったのは、いまだにわからないことがありまして。
優先道路と交差する非優先道路はこれ。
何が疑問なのかというと、歩道の縁石線が途切れてないようにも見えるじゃないですか。
一般的にはこのように、
歩道が途切れる。
歩道が途切れてないと解釈すると、そもそもここは交差点ではないことになるし、ましてや17条2項により歩道を横切る車両は一時停止することになる。
歩道が途切れてないと解釈するのだろうか?
これがわからない。
ちなみに報道の事故については、詳細がわからないとなんとも言えない。
一つ参考になるとしたら、同じく片側二車線の優先道路を夜間通行中に右側から横断した自転車と衝突した札幌地裁 令和5年4月18日判決(過失運転致傷、無罪)。
この判例、事故報道と判決内容に開きがあり、「なんで無罪?」みたいな声もありましたが、このような単純な事故ではなく、
対向車10台とすれ違った直後に起きた事故。
要は対向車の陰になり、横断自転車を視認できない。
被告人は、被告人車両を運転し、本件道路の第2車線(以下「本件第2車線」という。)をf方面からg方面に向かって進行していた。被告人車両の後方で第1車線を走行していたB運転車両(以下「B車両」という。)のドライブレコーダー映像(甲5〔211110162401_0033.mp4のファイル〕)によれば、再生開始から24秒頃、被告人車両がB車両を追い越した。その前から32秒頃にかけて、対向車線は第1車線を中心に断続的に車が走行しており、被告人車両は、24秒頃から32秒頃まで約15m間隔で進行する10台の対向車両とすれ違い、その後衝突するまでは対向車両とすれ違っていない。
他方、32秒頃、被害者自転車が対向車線側歩道から対向車線に進入を開始した。
その後、被害者自転車はさらに被告人進行車線に進入し、34から35秒頃、公訴事実記載の場所である本件第2車線上(以下「本件衝突場所」という。)において、被告人車両と衝突した。38秒頃、被告人車両は停止した。
3 本件衝突場所付近の道路状況についてみると、本件道路は、本件衝突場所の9.8m手前で市道(以下「本件市道」という。)と交差しており、本件道路が優先道路であった。
札幌地裁 令和5年4月18日
被告人からみて、被害者がどの地点に達したときに視認可能なのか争われた。
検討された点はこちら。
②被害者自転車が歩道から車道に乗り入れ始めた時点(Ⓟ’1付近)
③被害者自転車全体が対向車線の第1車線上に進入した時点(Ⓟ’2付近)
④被害者自転車が対向車線の第2車線に進入し(Ⓟ’3)、又は、中央線に到達した(㋑)時点
結果として被告人が視認可能な地点では既に回避可能性がないとして無罪。
冒頭の報道事故の具体的な態様は不明ですが、判決文に書かれている事実認定と、報道からイメージされる事故態様がだいぶ違うわけ。
ちょっと前にあった白バイ事故(札幌地裁)にしても、報道は全てを表しているわけがない。
事実認定がどうなっているのか気になりますが、冒頭の事故についても加害者が前方注視していたら防げたのか、前方注視していても防げない事故なのかは全くわからないのよね。
片側二車線の優先道路を横切る自転車に相当な注意が必要なのは言うまでもないけど。
歩道は途切れてないのか、途切れているのか…
たまにあるのよね。こういう謎構造は。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント