なかなか興味深い指摘がなされてますが、
LUUPが交通弱者のために導入されたはずなのに、都市部でしか展開していないとの指摘
これは実際にそうで、経産省向け資料で”社会的意義”として第一に挙げられてるのが「買い物難民や高齢者事故を軽減させる」点
買い物難民が減らせたのか、高齢者の事故を軽減できたのかは厳しく問われるべきかと https://t.co/FbzUVLklnF pic.twitter.com/ZRm5IAh7tW
— ほづみゆうき@データ分析に基づき、子どもにも大人にもやさしい中央区を作ります (@ninofku) October 12, 2024
確かに電動キックボードを導入する社会的意義として、LUUPは「買い物難民や高齢者事故の軽減」を挙げている。
しかしいわゆる電動キックボードが高齢者向けなのかは疑問だし、買い物難民とは思えない都市部で導入されまくる実態について疑問を投げ掛けている。
この指摘については確かにその通りにも思えるけど、まだ特定小型原付が導入されてから一年数ヶ月ですよね。
そこを「厳しく問う」のが今なのか?については疑問。
そもそもLUUPの資料によると、「若者向け電動キックボード」と「シニア向け電動キックボード」を分けてまして、
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mobility/pdf/001_05_03.pdf
シニア向け電動キックボードについては、2輪ではなく3輪や4輪、しかも椅子アリも想定。
スピードについても、特定小型原付の最高速度より低い「6~15キロ程度」を想定している。
そしてそもそも、高齢者向けも視野に入れた私有地での実証実験やアンケートも実施している。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mobility/pdf/003_08_00.pdf
高齢者向けを想定した実証実験は2019年にもやっているのよね。

着座型の3輪タイプで、時速6キロらしい笑。
シニアカーとの違いがわからん。
で。
いわゆる電動キックボードが先行投入されたから話が分かりにくくなっている気がするけど、LUUPは電動キックボードを「若者向けの2輪立ち乗りタイプ」と「シニア向けの3輪・4輪・着座タイプ」に分けて考えていて、2019年頃から実証実験をしている。
そしてそれがようやくカタチになるのだと、6月に発表しているのよね。
Luup、座席・カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表
2024年冬以降、シェアリングサービス内に導入予定。足腰に不安のある方の将来的な移動手段を見据えて株式会社Luup(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO:岡井大輝、以下「Luup」)は、2024年冬以降、電動アシスト自転車、電動キックボードに続く新たな車両として、座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車「電動シートボード」の提供を開始することをお知らせいたします。「電動シートボード」は、座席・カゴ付きのため、長時間の移動が必要な方、大きめの荷物を持っている方、ご自身の足腰への不安からLUUPの車両に乗ることが不安だった方に乗っていただきやすい仕様となっています。
さらに、「自転車誤認防止デザイン」を適用し、座席付きではある一方で、自転車と明確に外観が異なる設計にしています。昨今、自転車と誤認しうるデザインのフル電動自転車やモペッドによる違法走行等が社会問題化しています。LUUPの電動シートボードは、利用者自身や周囲の人々が自転車だと誤認してしまう懸念を軽減し、安全にご利用いただけることを目指しています。
なお、座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車がシェアリングサービスとして提供されることは日本初となります(※Luup調べ)。背景
Luupは、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティの活用による短距離移動インフラを提供しています。2020年5月から電動アシスト自転車、2021年4月から電動キックボードのシェアリングサービスを提供しており、日常的な移動手段として新たに根付いています。実際に、2024年6月にLuupが実施した利用者向けアンケート(※)によると、LUUPの利用用途として最も多いのは1位「日常利用(買い物・用事など)」、2位「公共交通機関の補完として」、3位「通勤・通学」となっていることからも、日常の移動に根付いていることがわかりました。一方で、電動アシスト自転車は人力でこぐ力が必要であることや、電動キックボードは立ち乗りのモビリティであることから、足腰に不安がある方や、長時間や、大きな荷物を持っている方の移動シーンでは使いづらいといった課題がありました。Luupは、既存のモビリティに固執せず、より安全かつ、多くの方々のニーズに即したモビリティの形を模索してまいりました。
今回、新たに開発した電動シートボードをシェアリングサービス内に導入することで、既存の取り扱いモビリティの課題を解消し、
① より幅広い世代の移動ニーズに応え、
② 足腰に自信のない方への新たな移動手段を提供し、
③ 長時間利用・買い物・大きな荷物を持った方の移動等を含む様々な移動ニーズに応える
ことを目指します。なお、電動アシスト自転車や電動キックボードも従来通り提供し、引き続き増台してまいります。
Luup、座席・カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ株式会社Luup(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO:岡井大輝、以下「Luup」)は、2024年冬以降、電動アシスト自転車、電動キックボードに続く新た
要は当初からLUUPが主張してきた「若者向け」というのがこれ。
若者向けではなくバカ者向けという誹謗中傷はご遠慮ください。
そして「シニア向け」とされるタイプは、LUUPでは電動キックボードではなく「電動シートボード」と新たにネーミングし、2024年冬以降に投入予定としている。
当初から若者向けとシニア向けを別に想定していて、特定小型原付が施行開始され一年の時点でシニア向けの投入を発表。
そして特定小型原付施行開始から一年半になる2024年冬にシニア向け「電動シートボード」を投入する予定だとリリースしているのに、
LUUPが交通弱者のために導入されたはずなのに、都市部でしか展開していないとの指摘
これは実際にそうで、経産省向け資料で”社会的意義”として第一に挙げられてるのが「買い物難民や高齢者事故を軽減させる」点
買い物難民が減らせたのか、高齢者の事故を軽減できたのかは厳しく問われるべきかと https://t.co/FbzUVLklnF pic.twitter.com/ZRm5IAh7tW
— ほづみゆうき@データ分析に基づき、子どもにも大人にもやさしい中央区を作ります (@ninofku) October 12, 2024
「買い物難民が減らせたのか、高齢者の事故を軽減できたのかは厳しく問われるべき」については違うんじゃないのかな。
要は先行して「若者向け」が投入されたけど、2019年頃から「シニア向け」の計画も進めていて、実証実験もしていて、ようやく2024年冬以降に投入される運びになった。
なので「厳しく問われるべき」とする内容については、シニア向け電動シートボードがどのように配備され、どのくらいの利用があったかなどを分析してからの話になるのであって、その分析はシニア向け電動シートボードが投入されてから一年以上後なんじゃないのかなと。
そりゃさ、社会的意義として先に挙げた「高齢者の移動手段」よりも、(2)にあたる「ラストワンマイル」が先に来ているのは確か。
とはいえ、高齢者向けプランを見捨てていたわけではないし、むしろ具体的計画として電動シートボードを発表しているのだし、厳しく問うのはその電動シートボードのポートがどこに、どれくらい配置され、利用状況がどうなのかを見極めてからなんじゃないのかなと。
というのも、この人が挙げたLUUPの資料には若者向けとシニア向けを別に想定した資料が載っているわけで、しかもLUUPが着座タイプの投入を発表したことくらいはちょっと調べればわかる話。
要は「ようやくシニア向けがカタチになり、投入しまっせ」という段階で、

と言われても

ようやくこれから本格始動するときに「結果を問う!」と言われても、まだ始動してないんだって…
話の順番が支離滅裂に思えるけど、この人は販売開始前のメニューについて、うまいかまずいか厳しく問うような話をしているのよ。
先行して「若者向け」が投入されたから分かりにくくなっているけど、シニア向けプランを見捨てていたわけではないし、むしろ具体的時期を書いてリリースしているのだから。
情報の切り取りなのか、情報収集に問題があるのかはわからないけど、これを厳しく問うのはまだ先の話。
そう思いませんかね?
というよりも、この人が挙げた資料には若者向けとシニア向けが別だとする資料がついているのだから、「シニア向けプランの進捗はどうなっているのか?」と調べれば電動シートボードの話にたどり着くはずで、今度の冬以降に投入される情報を得られる。
その情報を得たら、厳しく問うのはまだ先の話だと理解できそうな気がするけど、個人的には電動シートボードはシェアリングとして成り立つかやや疑問。
シェアリングではなく、1ヶ月お試しみたいなサブスクか個人所有のほうが需要がありそうな気がするけど、そもそも電動シートボードをどのような仕組みで運用するかは発表してない…のかな?
厳しく問うのはまだ先の話だと思うけど、電動シートボードっていわゆるチャリカスや電動キックボードのダメな点をだいぶクリアしているように思うの。
・確実に保険に入っている
・爆走しようにも時速20キロまでしか出ない(電動アシストはもっと速い)
・違反に対しては容赦なく青切符(自転車の青切符導入は、いきなり青切符ではなく注意指導がメインだと国家公安委員会が明言)
・転倒しにくい
電動シートボードの行方をみてから厳しく批判する話なのでは?

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
最初からキックボードで注目を集めラストワンマイルの交通手段として市民権を得て、どこでも駅前状態にして最終的に老人などの交通弱者を助けたいってコンセプトだったんですけどね
まだ何処でも駅前には遠いかな
初期投資もさることながら充電再配置が人海戦術なので大変そうです
コメントありがとうございます。
確かにその通りなんですよね…
どちらにせよ、これから始まるサービスの結果責任を今追及するという考え方はわかりません。
これまでの実績からいけば、自転車のルールが微妙なままなのも似たようなものかもしれませんが、ろくに検証もされずにそのまま微妙な立ち位置のままだと思います。
コメントありがとうございます。
高齢者向けの足になるかはそれなりに重要な問題ですが、LUUPが普及させることができるのかはややビミョーです。