いきなりですが、2つの「通行禁止」についてご覧ください。
これは歩道通行なので通行区分違反ですね。
反則金は6000円か。
次。
これは通行禁止違反ですね。
特定小型原付と思われますが、自動車専用道路を走ることはできません。
反則金は5000円か。
歩道通行したナポリの窯は一応は徐行に近い速度のようにも見えますが、わりと不思議なのは前者も後者も通行しちゃいけない場所を通行するという万死に値する愚行なのにもかかわらず、バッシングとしては圧倒的に後者のほうが大きくなるわけで。
以前から思っていたのですが、

LUUPを批判する人の中には、そもそも事実誤認をベースに批判する人がわりといる。
個人的にはLUUPについて擁護する立場ではないのですが、事実誤認をベースに批判する人の心理だけはよくわからんのよね。
要はガセネタを元に批判しているのと同じなわけで、批判するなら正当にしなよと…
これって、LUUPが規約変更したと騒がれたときにも思ったのですが、

この時の論調ってこう。
LUUPが規約変更
↓
任意保険が下がったのではないか?(根拠のない想像)
↓
LUUPによって事故に遭った被害者に対する補償が減ったのではないか?(根拠のない想像)
↓
被害者が泣き寝入りする可能性
こな話をする人がわりといたけど、少なくとも 法律上、LUUPによる事故の人身損害についてはLUUP運転者のみならずシェアリング事業者にも賠償責任がある(自賠法3条、運行供用者責任)。
なので仮に任意保険が下がったとしても、LUUPが被害者に支払う義務が残るのだから被害者が泣き寝入りする可能性なんてほぼないし、ましてや任意保険を下げるメリットがLUUPにはないのですが、理屈をわかってない人ほど根拠のない批判をしていたでしょ。
これら一連の流れをみるに、どうも「嫌いだから」とか「邪魔だから」批判しているようにしか見えないのね。
嫌い/邪魔であれば事実無根な内容を使ってでも批判するみたいなムードに感じてしまう。
私なりのLUUPに対する不満ですが、「はよアルコール検知器を搭載しなよ」くらいです。
これは以前から書いてますが、

アルコール検知器と電源を同期させる仕組みを導入すべき。
特定小型原付を使って実証実験的にアルコールインターロックを導入すれば、問題点が浮かび上がるかもしれないので今後クルマに搭載する際には役に立つし。
批判するのはご自由にですが、事実誤認をベースに批判する人がわりといるのはちょっと気持ち悪い。
そして、同じように通行しちゃいけない場所を通行した事案でも、これだけ騒ぎ方が違うのも不思議なのよね。
結局、悪いやつは悪いというだけの話でしかないのですが、自動車専用道路への進入事例って歩行者、自転車ともにかなりあるのよね。
平成23~28年のデータでは、高速道路への通行禁止違反進入は計18443件、そのうち歩行者が9114件(50%)、自転車が3538件(19%)、原付が5757件(31%)。
誰であろうと通行禁止違反は「悪い」としか言いようがないのですが、こんだけ高速道路に誤進入した原付がいても「原付は滅亡させるべき」という世論にはならないわけ。
そして免許を持っていてもこれだけの通行禁止違反が観測されているのに、「特定小型原付は免許制にすべき」と言われても説得力を感じないのですが…
5757件(平成23~28年)ってかなり多いというのが私の感想ですが、「特定小型原付は免許制ではなくルールを知らない奴らだからだ!」と言われても、免許制でルールを知っているとされる原付ですらこの有り様でして…
特定小型原付のルール周知が不十分というのはその通りだと思うし、LUUPのやる気がないクイズもどうかと思うんだけど、世間で言われている批判について説得力を感じないのは私だけでしょうか?
結局、ダメな奴は何に乗っても変わらないというのが正解なのでは?
青切符(クルマ~特定小型原付)の違反総数ってどのくらいあるかご存じでしょうか?
令和5年で431万5,982件です。
一時不停止(1,267,094件)、最高速度違反(888,500件)、通行禁止違反(616,174件)、信号無視(428,565件)、携帯使用等(214,458件)の順になる。
一時不停止だけで126.7万件もあるし、信号無視も42.8万件。
信号無視だけで毎日1174件検挙されていることになる。
これを見ると、結局のところダメな奴は何に乗ってもダメなままなんだろうなと思うし、自動車専用道路に進入した特定小型原付にしても、歩道通行したナポリの窯にしても同じこと。
レンタカーで違反する人なんて普通にいますが、「レンタカー会社の責任ガー!」という世論にはならない。
「嫌い/邪魔だから叩こう」みたいに見えてしまい、時には叩くためにはデタラメすら使う流れについてはかなり疑問。
高速道路に誤進入する歩行者が多い(50%)ですが、統計上は「免許制又は滅亡しろ」と歩行者が言われかねないけどそうはならないわけよ。
結局のところ、どの立場だろうとちゃんとやれやに集約されますが、それ以上の話をする人ってどこか整合性が取れない理屈だったり、そもそも事実誤認しているケースが多いので…
どこかのケミカル屋が事実無根な内容をでっち上げて批判するスタイルばかりしていたので注意喚起したことがありますが、

こういう論法を使う人の心理はわからん。
それと同じに見えるのよね。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
> バッシングとしては圧倒的に後者のほうが大きくなる
他の交通への影響面で見たら、首都高進入のほうが騒ぎになるのもわかる気がします。
交通同士の絶対的な速度差が違いすぎますし、事故時に想定される被害が違うので。
あと、認知している母集団の総数が変われば反応の数も変わりますし、それに伴い強いバッシングする人の数も変わる。
其の辺がクリアされないと、「バッシングとしては圧倒的に後者のほうが大きくなる」とは言いますが、母集団の数が違うなら、「そりゃそうよ」となるような。
なお、動画は1409回視聴と6164回視聴なので4倍強違いますね。
しかも、FNN(フジ系限定)と、首都高の公式が発信してTBS以外にNHKや新聞含めた様々な所が報道だともっと倍率は違うかと。
なお、個人的にはどっちもアカンと思いますが、属性に関しては気にならないかなぁ。
特定小型じゃない、自転車でも、パトリック・デュー選手が首都高に誤進入して亡くなった件とかも有りますし。
あえてなら、システム的な、宅配者に対する交通安全教育をしていたのかやら、ナビの誤誘導とか、購入時や利用前のチェックが良くないのではみたいな感想は有りますが。
コメントありがとうございます。
騒ぎについてはマスコミが作るものなので、私が書いた違いとはどちらかというとマスコミの取り上げ具合の話です。
どちらもいい加減にしろとしか言えませんが。