たまたま見かけた動画なんですが、中華ブレーキがシマノのブレーキを越えた!みたいな触れ込みで説明している。
これさ、シマノのブレーキについては「BR-6600」(旧10速アルテグラ時代でSUPER SLR)だと解説しているのでたぶんそうなんだろうなと思ってコメントを見たところ、レバーは「ST-5800」(11速のNEW SUPER SLR)なんだとある。
SUPER SLRとNEW SUPER SLRはレバーのテコ比が変更になっているので、SUPER SLR時代の「BR-6600」にNEW SUPER SLRの「ST-5800」を組み合わせた場合、本来の制動力の75%しか発揮されない。

旧規格のブレーキキャリパーと新規格のレバーを組み合わせた場合は、本来の制動力の75%になる(シマノ的には「禁止はしないが推奨でもない」)。
逆に旧規格のレバーと新規格のブレーキキャリパーを組み合わせると、本来の制動力の125%になるためシマノは禁止にしている。
要はこの人、「互換性の問題から本来の制動力の75%しか発揮されないシマノブレーキキャリパー」と「中華ブレーキキャリパー」を比較しているのであって、その結果に何の意味があるのかさっぱりわからない…
25%ハンディキャップを背負わせたシマノに中華ブレーキが勝利したとして、そもそもハンディキャップを背負わせた組み合わせと比較してどうすんのよ…
なので何の意味もない比較実験になってますが、個人的価値観としてはブレーキは命にかかわるから、信用できるか不明なものは使わないなあ…
けど自転車界隈って、安全性よりも好奇心優先の人が一定数いるのが実情でして、昔はクリンチャーリムをチューブレス化させて爆死する人とか、「カーボンリムにアルミリム用ブレーキシューで問題ありません!」と主張して文字通り消滅したブランドとかありましたよね。
以前本当にびっくりしたのは「ラテックスチューブをカーボンリムに使ったとしても、なるべくブレーキを掛けなければ問題ない」みたいな意見を頂きまして。

何を言ってるのかわからない人が一定数いるのが自転車界隈。
「チェーンを脱脂して注油すれば、簡単に巡航速度が5キロアップ」と主張する人すらいましたが、
「本来の制動力から25%低下する組み合わせにしたシマノブレーキ」と「中華ブレーキ」を対決させるのは意味がわからない…
低下する組み合わせにして「シマノを越えた!」はさすがにアウトだと思うけど、いろんな人がいるんですね…

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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