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青信号なのに過失がつく理由。

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青信号なのに過失がつくと言われて納得行かないご様子ですが、

これ、交差道路に信号がないのです。

なので民事過失を考える上では、交差点内にセンターラインがあるので優先道路/非優先道路の態様になる。
基本過失割合はこちら。

撮影車(優先道路) 非優先道路
10 90

で、何台か交差道路を進行している様子が見えるので、過失論的には「交差道路進行車を予見可能」とみなされる可能性が高い。

まあ、基本過失割合から修正するかはビミョーですが…

 

一応、優先道路通行車には徐行義務がないので、本来であれば徐行義務がない前提で考えていいんだけど、何台か交差道路を進行している点から「予見可能」となり、減速して警戒すべき注意義務があったと言われても不思議ではない。

 

まあ、優先道路の判例を持ち出してごり押しすることも考えられますが、

控訴人車は、優先道路を進行していたのであるから、本件交差点を進行するに当たり徐行義務(道路交通法36条3項,42条)は課されておらず、問題となるのは前方注視義務(同法36条4項)違反である。前方注視義務は、「当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等・・・に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。」というものである。したがって、控訴人は、本件交差点を通過するに当たり、優先道路を進行中であることを前提としてよい。すなわち、交通整理の行われていない交差点(本件交差点もこれに当たる。)において、交差道路が優先道路であるときは、当該交差道路を通行する車両の進行妨害をしてはならないのであるから(同法36条2項)、控訴人は、被控訴人車が控訴人車の進行妨害をする方法で本件交差点に進入してこないことを前提として進行してよく、前方注視義務違反の有無もこのことを前提として判断するのが相当である。そうすると、優先道路を進行している控訴人は、急制動の措置を講ずることなく停止できる場所において、非優先道路から交差点に進入している車両を発見した等の特段の事情のない限り、非優先道路を進行している車両が一時停止をせずに優先道路と交差する交差点に進入してくることを予測して前方注視をし、交差点を進行すべき義務はないというべきである。本件においては、前示の事故態様に照らし、上記特段の事情は認められない。

 

名古屋高裁 平成22年3月31日

優先道路だから徐行義務はなく、さらに非優先道路通行車が交差点に進入した時点で回避可能性がないと主張することもできなくはないけど、

先ほど書いたように「予見可能」だし、ブレーキも遅れたと判断される可能性もあるから、なんだかんだ10:90で示談するのが得策なのかも。
優先道路通行車が無過失になった判例はいくつもありますが、

優先道路vs非優先道路。優先道路通行車が無過失になることはあるのか?
優先道路通行車と非優先道路通行車が交差点で衝突した場合、基本過失割合はこうなります(ともに4輪車の場合)。優先道路通行車非優先道路通行車1090優先道路を進行する上では見通しが悪い交差点でも徐行義務はなく(42条1号カッコ書き)、通常レベル...

「事案が違う」と言われてしまうとその通りでして。
違反と過失は別問題ですが、なぜかここを理解してない人が多い気がする。

コメント

  1. きゃばりーのらんぱんて より:

    コレがテロなら、路上では普通にテロリストが居ます。
    全ての人が交通法規を理解し、実践すれば事故なんか起こりません。
    例え100/0であっても、事故ればイロイロ面倒で時間のロスだと思って、「かもしれない」運転をするしか無いと思いますね。
    お金と時間で解決可能なら、素直に完結させた方が結局は楽だと思いますね。

    今年もお疲れ様でした。
    良いお年を!

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      裁判経験者の私からすると、裁判になるような事態は避けておいたほうが圧倒的に楽です。
      また来年もよろしくお願いいたします。

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