この人の間違いは相変わらずですが、法律を読まないまま解説しているのでしょうか?
運転レベル向上委員会の動画より
①酒気帯び運転+②危険運転致死傷+③犯人隠避について、危険運転致死傷罪の法定刑が20年であることから併合罪を適用し20×1.5=30年まで出せるのだとしている。
上限 | |
酒気帯び運転 | 3年(交通法117条2の2第1項3号) |
危険運転致死傷 | 20年(処罰法2条) |
犯人隠避 | 3年(刑法103条) |
ところで、上記の罪について上限を足すと3+20+3=26年になりますよね。
しかし運転レベル向上委員会の人が創作した謎ルールによると、大変理不尽なことになぜか30年が上限になるらしい。
まずはちゃんと条文を読もうよ…
第四十七条 併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
要は刑法47条でいう「1.5倍上限」ですが、本筋はむしろ但し書きのほうなのね。
但し書きによると、それぞれの罪について上限を足した合計(この事案だと26年)が最長。
しかし47条本文は、単純な足し算を制限するために「1.5倍上限」としていると考えられる。
さらに何らかの併合罪に当たるものをしていて、たまたま足し算した合計が35年になるとする。
しかしその場合でも最も重い罪について定めた刑の「1.5倍上限」までにしますよというのが刑法47条。
但し書きを無視して本文を適用するのは、法律を読んでない証拠。
というのも運転レベル向上委員会の人って、自転車通行帯に駐停車車両がいた場合には「自転車は自転車通行帯しか走れないから歩道に上がるしかない」みたいなとんでも論を解説していたことがありますが、
いったい何を読んでいるのやら。
第二十条
3 車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。
但し書きを読むのが苦手なのか、そもそも条文を読まずに解説しているのかわからない。
というのも、間違いようがない短文判例ですら間違えているのをみると、

この人は読んでも理解できなかったのか、読まずにテキトーな話をしているのか、全くわからない。
刑法47条って短文で構成された本文と、短文で構成された但し書きでしかないけど、これすら解釈を誤るとなるとちょっとムリがあると思う。
道路交通法の解釈は頻繁に間違っているし、点数計算や法定刑の処理も間違うし、判例については意味を取り違えていたり、事実とは異なる内容にしてしまう。
この人のどこが法律に詳しいのかさっぱりわかりませんが、誰でも間違いなんてあるのだから、せめて間違いを正していくならまだ可能性はある。
しかし間違いを流しっぱなしで改める姿勢すら見えないので、間違い記事を放置するマスコミと変わらないのよね。
それこそ、県警本部が間違って説明したせいでマスコミも間違い動画を作成した事例もありますが、

県警本部は間違いを認め、テレビ局に通達。
法律に詳しくないマスコミが県警本部の話を鵜呑みにしたのはまだ仕方ない面がありますが、それでも間違いに気づいたら動画は削除するのよね。
マスコミですら。
間違えるのもどうかと思うけど、むしろ間違いをそのまま放置して改めない姿勢のほうが不思議。
けどこのように法律解説がメチャクチャだから、弁護士YouTuberに「弁護士でもない人の独自論」呼ばわりされるんだと思う。
残念ながら、その言葉は全く同感で法律解説がメチャクチャですから。
そして間違いを指摘するとブロックされまくるとも聞いてますが…理解不能。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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