PVアクセスランキング にほんブログ村
スポンサーリンク

「予見可能」という概念。

blog
スポンサーリンク

この事故ですが、

交差点の真ん中に倒れていた男性がタクシーにはねられ意識不明の重体 タクシーは男性に気がつき停車していた車を追い越し 横浜市港南区(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
きょう未明、横浜市の交差点で、倒れていた男性がタクシーにひかれ意識不明の重体です。警察によりますと、きょう午前1時ごろ、横浜市港南区の交差点で、路上に倒れていた男性がタクシーにひかれ、病院に運ば

事故現場がわからないので信号交差点なのかわかりませんが、実は信号の有無はあまり関係ない。

 

事案は「交差点内(横断歩道)」で転倒した歩行者がいて、先行車は停止した。
しかし後続車は先行車を追い越しして転倒していた歩行者を轢過したわけですが、

 

・信号がない場合→38条2項により一時停止、又は30条3号/38条3項により追い越し/追い抜き禁止

 

・信号がある場合→先行車の急停止から「予見可能」

 

以前挙げたこれと関係する。

青信号の交差点で先行車2台が突如減速。あなたは何を思う?
いきなりですがクイズ。三車線の道路の第3車線を時速60キロで進行中、交差点の信号が「青」なのに先行する大型貨物車(第2車線)が急に減速。先行する第3車線の普通車も徐行しているのが見えた。さて、この場面でどういうことを想定すべきなのでしょうか...

以前挙げたのは東京高裁 平成29年3月23日判決ですが、事案はこう。
三車線の道路の第3車線を時速60キロで進行中、交差点の信号が「青」なのに先行する大型貨物車(第2車線)が急に減速。
先行する第3車線の普通車も徐行しているのが見えた。
後続車は先行車が急に減速した意味を理解しなかったけど、実は交通事故が発生したから急に減速したわけで。

 

被告人はそんな大型貨物車を右から追い抜きし、左に進路変更した。
その結果、事故により道路上に横たわっていた被害者を轢過したという事案です。

 

要は「先行車が急に減速したことから、何らかの異常事態が起きたことが予見可能」なわけで、後続車に課された注意義務は「直ちに減速して前方の異常を確認してから進行する」になる。

 

そもそも38条2項にしても、立法経緯はこう。

しかしながら、横断歩道において事故にあう歩行者は、跡を絶たず、これらの交通事故の中には、車両が横断歩道附近で停止中または進行中の前車の側方を通過してその前方に出たため、前車の陰になっていた歩行者の発見が遅れて起こしたものが少なからず見受けられた。今回の改正は、このような交通事故を防止し、横断歩道における歩行者の保護を一そう徹底しようとしたものである。

まず、第38条第2項は、「車両等は、交通整理の行なわれていない横断歩道の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、当該横断歩道の直前で一時停止しなければならない」こととしている。

もともと横断歩道の手前の側端から前に5m以内の部分においては、法令の規定もしくは警察官の命令により、または危険を防止するために一時停止する場合のほかは停止および駐車が禁止されている(第44条第3号)のであるから、交通整理の行われていない横断歩道の直前で車両等が停止しているのは、通常の場合は、第38条第1項の規定により歩行者の通行を妨げないようにするため一時停止しているものと考えてしかるべきである。したがって、このような場合には、後方から来る車両等は、たとえ歩行者が見えなくとも注意して進行するのが当然であると考えられるにかかわらず、現実には、歩行者を横断させるため横断歩道の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出たため、その歩行者に衝突するという交通事故を起こす車両が少なくなかったのである。
そこで、今回の改正では、第38条第2項の規定を設けて、交通整理の行われていない横断歩道の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとする車両等は、横断歩道を通行し、または通行しようとしている歩行者の存在を認識していない場合であっても、必ずその横断歩道の直前で一時停止しなければならないこととし、歩行者の有無を確認させることにしたのである。車両等が最初から歩行者の存在を認識している場合には、今回の改正によるこの規定をまつまでもなく、第38条第1項の規定により一時停止しなければならないことになる。
「一時停止」するというのは、文字通り一時・停止することであって、前車が停止している間停止しなければならないというのではない。この一時停止は、歩行者の有無を確認するためのものであるから、この一時停止した後は、第38条第1項の規定により歩行者の通行を妨げないようにしなければならないことになる。また、一時停止した結果、歩行者の通行を妨げるおそれがないときは、そのまま進行してよいことになる。

警察学論集、「道路交通法の一部を改正する法律」、浅野信二郎(警察庁交通企画課)、立花書房、1967年12月

予見可能なのに漠然進行するバカが増えたから立法したわけで。
カジュアルに前に出ちゃダメなんですよね。

なので過失運転致死傷罪の注意義務を検討する上では、信号の有無はあまり関係ない。
予見可能なら注意義務がある、というのが日本の法律ですが、道路交通法は様々な注意義務のうち、一部のみを法定して事故を未然に防止する目的。
しかし全ての注意義務を法定することは現実的ではなく、道路交通法に規定がない注意義務なんていくらでもあるわけで。

続報で「信号がない交差点」とのこと。
前方に出る前に一時停止(38条2項)ですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました