PVアクセスランキング にほんブログ村
スポンサーリンク

横浜市営バスの事故。なぜ被害者はそこを歩いたか?

blog
スポンサーリンク

横浜市営バスが発車する際に歩行者をはねた事故が起きましたが

委託先の運転者なので、市の職員ではないらしい。

なんでこんなおかしなところを歩いていたのか…
この道路は歩道がありますが、わりと歩行者が横断してくるので危険な場所。

 

ところで、運転者は現行犯逮捕され実名報道されている。
実名報道の是非については考えさせられてしまいますが、このケースは「発進時に安全確認を怠ったか?」「発進時の安全確認をしていれば事故を回避できたか」が捜査のポイントになる。
歩道があるのにバスを車道から追い越すように歩く歩行者がいることを予見するのは困難ですし、バス停から発進だと、発進前はバス運転者は「乗車口(左後方)」を注視することになるわけで、乗車口を注視していた間に死角に入っていた可能性も考えられるし、逆にちょっとの確認で容易に発見できたかもしれませんが、そのあたりは捜査で明らかになるでしょう。
前者の場合なら不起訴もしくは無罪になりうるし、後者なら有罪になる可能性が高い。
なお民事責任は別問題です。
民事責任としては歩行者過失が10~20%程度と思われますが、これは刑事責任とは無関係です。

 

逮捕というのは単なる身柄拘束で、現行犯逮捕は死亡事故ではわりと普通。
推定無罪が働かない日本では「逮捕=悪確定」みたいに勘違いする人が多いけど、いまだ過失運転致死の被疑者に過ぎませんから…

 

結局のところ安全確認が十分だったか、安全確認を尽くしていたら避け得た事故なのかが今後の捜査で検証されていくことになりますが、バス運転者はバス停で停止しているときは、当然ですが乗車口(左後方、左側)を注視することになる。
発進前には左後方、右後方、前方の安全を確認してから発進することになりますが、報道内容をみるといろいろ考えてしまいますよね。

 

なぜここを歩いていたのか?と。
しかし歩行者の挙動と運転者の安全確認は別問題だから、過失運転致死罪として考えるには安全確認が十分だったか、安全確認を尽くしていたら避け得た事故なのかがポイントになる。

 

なお運転者の行政処分については、安全運転義務違反(70条)と「専ら以外の付加点数」が考えられる。
つまり2+13=15点。

「交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合」の解釈

施行令別表第2の3の表における「交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合」とは,当該違反行為をした者の不注意以外に交通事故の原因となるべき事由がないとき,又は他に交通事故の原因となるべき事由がある場合において,その原因が当該交通事故の未然防止及び被害の拡大に影響を与える程度のものでないときをいうものと解するのが相当である。

東京地裁 平成27年9月29日

コメント

  1. 山中和彦 より:

    歩行者の時はさすがにやりませんが、自転車の車道走行なら、乗降の時のバスの右側を通ることもあります。発進で指示器を出したら止まりますが、指示器出さずに、発信する運転手さんも、そこそこいるのです。あれはたぶん、確認してない。
    今回の横浜の事故の被害者はご老人のようですので、背が低くて、確認しても見えなかったのかもしれません。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      あそこの道路、危なくて自転車でバスを追い越しする人は皆無だと思うんですね。
      狭い道路なのでおとなしく後ろで待つかと。

      • 山中和彦 より:

        googleストリートビューで確認しました。
        これは、片道1車線で、車線は、バスでいっぱいいっぱいになりそうな道ですね。これは、さすがに待ちますね。

        • roadbikenavi roadbikenavi より:

          コメントありがとうございます。

          結局そこなんですよね。
          わざわざ前に出るか?と。

タイトルとURLをコピーしました