マックオフがチェーン最適化と称して超音波洗浄とオイルどぶ漬け超音波施工を開始した件は以前書きましたが、

この中で注目すべき箇所。
手挿しで注油した場合と比較して最大10%抵抗を減らす※1
※1)※1,000km ごとにコーティングを行った場合
Muc-off 超音波 チェーン最適化コーティング - Muc-off マックオフ公式サイト
チェーンオイルを手挿しで注油した場合と比較すると、オイルどぶ漬け超音波施工は最大10%抵抗を減らすとしている。
これについてちょっと考えてみようと思う。
どぶ漬け超音波施工のメリット

そもそも外部からチェーンオイルを垂らして施工する場合に、きちんと注油出来てないことがあるのは以前からチェーンメーカーが指摘していて、それが原因でチェーンが割れた事例はあるのよね。
割れることまでは至らなくても、油膜切れがあれば潤滑性能に差が出るのは当たり前。
実はこれ、以前ちょっと実験したことがありまして。
以下を比較した。
①チェーンオイルを垂らしてクランクをグルグル回してオイルを浸透させながら拭き取り、即座に走り出した
②チェーンオイルを垂らして一晩放置し、その後クランクをグルグル回して拭き取り走り出した
厳密にオイルの量が同じだったとは言えないにしても、①だとなぜか走行後の「チェーンオイルの飛び散り」が多かった。
これは何回か同じことをしても似たような結果になったのですが、おそらくはオイルがチェーン内部に十分定着する前にチェーン表面のオイルが飛び散ってしまったと考えるしかない。
つまりは内部まで十分注油出来てない状態だったのかと。
オイルどぶ漬け超音波施工するメリットって、要はきちんと内部までオイルを浸透させる意味合い。
チェーンのピンの隙間まで潤滑ができる超音波トリートメントをしたものはその効率を維持。
対して、手挿し注油したものはピン内部までは潤滑が行き渡らず、表面のルブが無くなると、手挿ししたチェーンは効率が下がるため時間経過と共に差は大きくなっていきます。 Muc-off 超音波 チェーン最適化コーティング - Muc-off マックオフ公式サイト
要はここなのよね。
逆に言えば手挿し注油でもきちんと内部までオイルが行き渡っていれば、超音波施工と比較しても差は出ないはず(だから「最大」10%という表現になる)。
じゃあ手挿し注油で内部まできちんと注油するにはどうしたらいいのか?ですが、個人的には一晩放置で十分な気がする。
オイルどぶ漬け超音波施工の場合、オイル消費量が莫大になりコスト的にもツラいし現実的とは言い難い。
けどこれって、チェーンメーカーがわざわざチェーン全体にオイルをまぶしまくって出荷している事実からもうかがえるのよね。
チェーンメーカーはわざわざ設備投資してチェーン全体にネットリオイルをまぶしまくってますが、「できればそのまま使ってね」とアナウンスする理由は
「脱脂後に内部まできちんと注油出来てない状態で走り出してチェーントラブルを起こし、メーカーにクレームつけるバカがいるから」
手挿し注油で一晩放置した状態と、手挿し注油で数十分放置した状態と、どぶ漬け超音波施工でどんだけ差が出るか実験して欲しいところ。
たぶんスプレーとボトルでも差が出るんじゃないかと思うけど、個人的には一晩放置で十分な気がする。
どぶ漬け超音波施工は理想なんだろうけど、振動の力で潤滑性能が上がるなんてまるでデンマみたいな話ですよね。めっちゃ潤滑するからなぁ…
巡航速度が5キロアップするわけでもあるまいし。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。



コメント
ラジコンではお馴染みの真空引きなら5分でいける気がします。
コメントありがとうございます。
その方法は某社が何か言ってた気がw
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
コメントありがとうございます。
私はバランス型なので、何かに偏らずに考えることが大事だと考えてます。