こちらの記事についてご意見を頂きました。

説明を見て解釈について納得しましたが、左折前に左側端に寄せないことが安全なのかは別だと思った。
要はこれ、県警本部レベルでも間違っていてビックリしましたが、正解はこれ。
○間違い

○正解

○正解

○間違い

左折レーンの有無で変わります。
・自転車専用通行帯を通行する自転車と左折自動車を分離するため、交差点流入部で自転車専用通行帯(第一通行帯)と第二通行帯との間に規制標示「進路変更禁止(102の2)」の規制を実施するものとする。この場合の道路標示は、30m程度の区間に設置するものとする。ただし、進行方向別通行区分の規制が実施されている場合、車両はその車線内を通行しなければならないため、必ずしも進路変更禁止規制の実施の必要はないが、利用者にルールを分かりやすく伝えるために進路変更禁止規制を実施しているものである。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kisei/bicycle/kentoiinkai2/04/jitenshakojo_04_02-2.pdf
分かりにくいので進路変更禁止(イエローライン)を併用することが推奨されてます。

で。
左折前に左側端に寄せないことが危険なのではないか?とのご意見ですが、

このように左折レーンのまま進行して、直進自転車を優先するだけの話なので、それを「左折時に確認するか」or「左折前に左側端に寄せる時に確認するか」の違いでしかないので、変わらないのではないでしょうか?
なお、この状況において直進自転車を優先する根拠は、26条の2第2項。
第二十六条の二
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
執務資料は確か、左折は進路変更に当たらないみたいな記述があった気がしますが、最高裁は26条の2第2項(旧26条2項)でいう進路変更と捉えている。
要は同一進行方向の他車の進路を横切ること全般を進路変更と捉えているのかな。
本件原判決の判示によると、被告人は、普通貨物自動車を運転し、幅員9.3mの道路を時速約35キロメートルで進行し、交通整理の行われていない交差点を左折しようとし、その手前約30mの地点で車内鏡によつて後方を確認したところ、左斜後方約20mの地点を追尾して来る自動二輪車を発見したので、同交差点の手前約22m付近で左折の合図をして車道左側端から約1.7mの間隔をおいて徐行し、同交差点入口付近において時速約10キロメートルで左折を開始した直後、被告人車の左側を直進して来た右の後進車に接触させ、事故を起したというのであり、また被告人が発見した際の同車の時速は約55キロメートルであつたというのである。原判決は、右の事実を前提とし、被告人が左斜後方に後進車のあることを発見したときの両車の進路、間隔及び速度等を考慮するときは、被告人車が前記のように左方に進路を変更すると後進車の進路を塞ぎ同車との衝突は避けられない関係にあつたことが明らかであるから、被告人車は従来の進路を変更してはならない場合にあたり、また、車道左端から約1.7mの間隔があり、かつ、前記のような進路を高速で被告人車を追い抜く可能性のある後進車のあることを認めた被告人としては、左折の合図をしただけでは足りず、後進車の動静に十分注意し、追い抜きを待つて道路左側に寄るなどの業務上の注意義務があるのに、被告人は右の注意義務を怠り、後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始し、そのため本件衝突事故を惹起したものである、と判断しているのである。すなわち本件は、道交法26条2項が優先的に適用される場合であつて、自車の進路を左側に変更して後進車の進路を妨害することは許されないものといわざるをえない(現行の道交法34条5項参照)。そうとすれば、前記のような状況下で後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始した被告人に注意義務の違反のあることは明らかである。
最高裁判所第二小法廷 昭和49年4月6日
旧26条2項はこれ。
思うに、先に左側端に寄せる場合と、

左側端に寄せない場合では、

直進自転車との交錯ポイントが変わるだけの話でして。
で、話を戻しますが、上で挙げた警察庁の資料。
・自転車専用通行帯を通行する自転車と左折自動車を分離するため、交差点流入部で自転車専用通行帯(第一通行帯)と第二通行帯との間に規制標示「進路変更禁止(102の2)」の規制を実施するものとする。この場合の道路標示は、30m程度の区間に設置するものとする。ただし、進行方向別通行区分の規制が実施されている場合、車両はその車線内を通行しなければならないため、必ずしも進路変更禁止規制の実施の必要はないが、利用者にルールを分かりやすく伝えるために進路変更禁止規制を実施しているものである。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kisei/bicycle/kentoiinkai2/04/jitenshakojo_04_02-2.pdf
これ以外にも、自転車通行帯を交差点より手前で打ちきり、あえて混在させる方法も紹介している。

なので規制担当者(交通規制課)は交差点ごとにどっちがいいか見極めて使い分けしているのでして。
左折車を左側端に寄せたいなら、自転車通行帯を交差点より手前で打ちきることも考えられるし、

直進自転車の優先性を明確にしたい場合には、このように自転車通行帯を交差点まで延長し、分かりやすくするためにイエローライン(進路変更禁止)を併用することを推奨している。
ただしイエローラインがなくても、左折レーン(指定通行区分)があるなら同じ効果がある。
ただまあ、問題点は「正しい解釈を知らない人が多い」ところでして、
引用元:運転レベル向上委員会
指定通行区分(左折レーン)があるのに「どっちでもいい」「警察に確認しました!」などとしてカジュアルにデマを流す人がいるわけでしてね…
この人に条文を正しく解釈させることはムリがある。
一応、規制担当者は意図をもって規制するのですが、なかなか興味深いことに「交通企画課」の人は規制意図を知らないことが多いし、間違って解釈していることが多い。
「交通規制課」に確認すると話が通じるし、規制意図を教えてもらえることが多い。
何をしたい規制なのか?を聞くと納得しやすくなりますが、規制担当者の意図することが一般人に伝わらないなら無意味なのよね。
以前こちらを挙げてますが、

これ、交差点内にセンターラインを「あえて書いてない」のだから、規制担当者の意図は「徐行義務を課したい場所」なのよ。



徐行義務を課す必要がないなら、交差点内までセンターラインと車両通行帯を書けばいいわけでして。
規制担当者の意図が何なのか?を考えてみるのも面白いところですが、どちらにせよインターネット上にはガセネタが多すぎ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。




コメント
この手の話の際、多分誰も言及して無いと思うのですが、左折等の指定通行区分規制がある道路ではその通行区分に従って進行する必要がある一方、一見指定通行区分の表示に見えるが実際には法定外表示である可能性があります。
これって結局、車両通行帯指定の有無と一緒で現実的に規制を意識して左折方法を変えることは出来ないのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
イマイチおっしゃる意味がわからないのですが、指定通行区分「風」のものに従って通行したときに、34条1項に違反することにはならないので(なにせそこには故意も過失もないですよね)、結局のところ見える標識/標示に従うのは当然だと思いますが…
うまく意図が伝わっておらず申し訳ありません。
> 指定通行区分「風」のものに従って通行したときに、34条1項に違反することにはならない
そうですね。
現実的に区別が付かなくとも大きな問題は無いと思います。
あくまで法律・取締の観点からの話でした。
すみません、イマイチよくわからないのですが…
以前どこかのYouTuberが「車両通行帯指定されてない三車線交差点では、一般原付の右折方法は小回り」だと力説してました。
これは誤りでして、二段階右折と小回り右折は二者択一でどちらかしかできない上に、一般人がその場で知りようがない情報でルールが変わるものではなく、原則は二段階右折になります。ただし小回り右折したとしても違反にはならないだけの話。
あくまでも刑法だと理解してないと、不可能を強いるだけなんですね。