こちらの件。

パトカーが自転車レーンを避けて路駐をしてたので、警官の方に「こちらの停め方が正しい方法ですか?」と尋ねたところ、「前方の車の停め方が正しいと思われがちですが、本当はこちらが正解なんです」と教えていただいた。
だけど直感的には抵抗があるw pic.twitter.com/4spFPLyQv3— 最速配信研究会山崎大輔 制約理論と待ち行列理論による技術経営アドバイザリとエンジニア起業相談 (@yamaz) August 2, 2025
パトカーの駐車方法は47条2項の違反になります。
これが普通自転車専用通行帯であったとしても、駐車する際は歩道の縁石に接近させないとダメ。
第四十七条
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
本項においては、停車の場合と異なり、「できる限り」という言葉が用いられていない。したがって、車両は、駐車しようとするときには、かならず道路の左側端に寄らなければならぬことになる
宮崎清文、条解道路交通法、立花書房、1961(昭和36年)
道路とは「歩道等と車道の区別がある場合は車道」(17条4項)なので車道の左側端に沿う駐車じゃないと違反になりますが、47条2項では「かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」とする。
つまり「車道の左側端に沿う」+「他の交通の妨害とならないようにしなければならない」の両方を満たさないといけないんだけど、「他の交通の妨害とならないようにしなければならない」の解釈。
自転車レーンに駐車したら自転車の妨害だろ!という声をみかけますが、この規定を置く理由はこれ。
「他の交通の妨害とならないように」とは、たとえば、すでに駐車している対向車があるのに、その反対側斜めの位置に駐車し、たとえ道路の右側端からは3.5mの間隔を保っていても(法45条2項本文)、その両車両の間隔が狭く、他の車両の通行ができないような場合である。
そして「道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないように」とした規定したのは、駐車により道路の幅をせばめ他の交通を妨げることを最小限に止めようとする趣旨である。東京地方検察庁交通部研究会、「最新道路交通法事典」、東京法令出版、1974
自転車レーンに駐車しても自転車は第二通行帯から進行できるのだから、そういうものを対象にしたわけではない。
法規制に抵触しない形でも他車両が通行不可能に陥ることはあり得るので、それを禁止したものと解釈される。
ところでこの道路には「標識による駐車禁止」の規制がかかっている。
ところがパトカーについては、標識駐車禁止の規制から除外されうる。
東京都道路交通規則
第2条 法第4条第2項の規定により、交通規制の対象から除く車両は、道路標識により表示するもののほか、次に掲げるとおりとする。
(4) 法第45条第1項に規定する駐車禁止、法第49条の3第2項又は第4項に規定する時間制限駐車区間及び法第49条の4に規定する高齢運転者等専用時間制限駐車区間の規制の対象から除く車両(駐車禁止の場所が車両の通行を禁止している道路の区間にある場合には、当該通行禁止の区間を通行することが認められている車両に限る。)
ウ 犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締り、警備活動その他警察活動のため警察職員が使用中の車両及び当該警察活動のため停止を求められている車両
法45条1項はこちら。
第四十五条 車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
一 人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二 道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三 消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽そうの側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽そうの吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五 火災報知機から一メートル以内の部分
都道府県細則を読み間違える人が絶えないんだけど、この規定は「標識駐車禁止のみ」の除外規定です。
45条1項をバラバラ化します。
車両は、
①道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分においては及び
②次に掲げるその他の道路の部分においては駐車してはならない。
都道府県公安委員会規則は「法4条2項により」としてますが、法4条2項は標識、標示、信号に規制される対象を限定できるというもの。
つまり標識駐車禁止の除外のみを定めたもので、東京都規則を読み解くとパトカー(の一部)はこうなる。
車両は、
①道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分においては及び
②次に掲げるその他の道路の部分においては駐車してはならない。
これ、警視庁通達に書いてあるのよね。
(4) 駐車禁止、時間制限駐車区間及び高齢運転者等専用時間制限駐車区間の対象から除く車両
駐車禁止、時間制限駐車区間及び高齢運転者等専用時間制限駐車区間の規制については、都市交通対策の推進によつて拡大されるとともに、その取締りも、違法駐車の移動措置を含めて一層強化されるところから、社会公共的要素の強いもの及び特に社会生活上やむを得ないと認められるものについては、あらかじめ規制の対象から除外し、前記の対策が合理的に推進できるように規定されたものである。
この種目のうちアからケまでについては、外形上容易に判断されるため、特に標章の交付は行わず、コ及びサのものについて標章を交付することとされた。この標章は2種類あるが、そのうち規則別記様式第2の2の標章は全国共通のものであり、原則としていずれの都道府県公安委員会が交付したものでも全国で通用するものである。
規制の対象から除外された車両にとつては、当該規制の行われている道路の部分は、法第45条第1項の「次に掲げるその他の道路の部分」であり、いわゆる法定禁止場所については禁止の適用を受けることとなるから、誤りのないようにすること。https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/johokoukai_portal/kunrei/kunrei_kotsu.files/015.pdf
都道府県公安委員会規則による駐車禁止からの除外は、標識駐車禁止にのみ適用され、除外された車両についても「次に掲げるその他の道路の部分の駐車禁止」からは除外されない。
これを読み間違える人が絶えないのよ…
同じ理屈で↓

ところで、このパトカーが標識駐車禁止の規制から除外されていた場合でも「左側端に沿って」(47条2項)に違反するし、
パトカーが自転車レーンを避けて路駐をしてたので、警官の方に「こちらの停め方が正しい方法ですか?」と尋ねたところ、「前方の車の停め方が正しいと思われがちですが、本当はこちらが正解なんです」と教えていただいた。
だけど直感的には抵抗があるw pic.twitter.com/4spFPLyQv3— 最速配信研究会山崎大輔 制約理論と待ち行列理論による技術経営アドバイザリとエンジニア起業相談 (@yamaz) August 2, 2025
交差点から5m以内に駐車しているようにも見える(44条1項2号)。
警察官であってもこういう間違いをするんだけど、なぜか「警察が説明したから正しいんだ」と勘違いする人や、クルマをやたら敵視する方々のオモチャにされる。
やたら敵視する方々にとっては、法的に正しいかは問題ではないから論外として、きちんと説明できる人が少ないからオモチャにされるだけなのよね。
・自転車通行帯がある場合、駐車禁止の標識があるのが一般的。
・パトカーは標識駐車禁止から除外されうるが、駐車方法は47条に従って車道の左側端に沿う必要がある。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
そもそもこの「自転車レーン」が自転車レーン(普通自転車専用通行帯)でない可能性がありますね(専用通行帯を示す道路標識又は道路標示が確認できないため)
コメントありがとうございます。
たぶんそうでしょうね。
けどややこしいのは、そうすると破線なので車両通行帯最外側線ではなく車両通行帯境界線の可能性があり、車両は第一通行帯…という珍事が起きます。
全てにおいて中途半端感が否めない。