こんな意見が出てますが、
パリの交通事情はカオスの極みだった。車道から完全に分離された自転車道はかなり立派。しかし交通ルールが終わっていた。
容赦ない割り込み、追い越し。明らかに原付並みの出力の電動チャリ。そしてほぼ誰も自転車用信号を守っていない。自転車道で命の危機感じたのは初めてだ…… pic.twitter.com/gNaVW3u5Sv— ENDO (@mame_1410) September 4, 2025
残念ながらこれが現実。
狭い自転車道の中でこんなタイミングで追い越しされたら事故るのは当然。
車道に投げ出されていたら、轢かれて即死だよなあ…自転車同士の多重クラッシュ事故にすらなりうる。
サイクリストのモラルを端的に表すのがこれ。
自転車を優先すべきか
バスの運行を優先すべきか
バスの乗降客(歩行者)を優先すべきか
pic.twitter.com/MCGyjw2BCK— kazuhiko makimura牧村和彦#ストップ交通崩壊 (@mackey0318) June 27, 2025
止まらないと言われる日本のクルマよりよっぽど酷い。
小学生の悪ふざけみたいなレベルの乗り方がむしろデフォルトなんじゃないかと疑うレベル。
ところで、パリではシェア電動キックボードが廃止になりましたが、この程度の感覚で乗れば事故が多発するのは当たり前。
日本人も全てが褒められたものではないにしろ、全然マシなのよ。
「サイクリストはドライバーよりもさらに反社会的です」と、37 歳のジェニファー ブラウワーは不平を言います。ジェニファー ブラウワーは視覚障害者として登録されており、サイクリストとの衝突にうんざりしていたため、賑やかな西部地区から街の静かな郊外に引っ越してきました。
Bloomberg - Are you a robot?
「私が一人で歩いたり自転車に乗ったりしている場合、アイコンタクトは通常、どちらが行き、どちらが譲歩するかを判断するのに十分です. でも今は赤ちゃんができたので、アイコンタクトをあまり信用していません。ある日、テンケート市場の近くで生後 4 か月の息子を押していた Menno van de Lustgraaf さん (33 歳) は言いました。「サイクリストは横断歩道で止まることはありません。ベビーカーを持っていても。」
Bloomberg - Are you a robot?
ところで、以前も取り上げた警察庁の実験結果。
実証実験(要免許)から特定小型原付に移行する段階で、警察庁は免許の有無と違反の件数について実験している。
内容はこう。

免許取得者50名と免許を持たない者50名を、電動キックボードで運転免許センターのコースを走らせて違反数をカウントしたもの。
採点項目はこちら。

まずは平均違反行為回数。

「免許あり」の平均違反回数が26.6回、「免許なし」は69.94回。
2.6倍の差がありますが、16歳~17歳については免許の有無で違反回数がさほど変わらないのに対し、「18歳~30代」と60歳以上はなかなかの差が出ている。
採点項目に基づいて点数化したのがこちら。

50人の延べ違反点数の合計は、免許ありが36585点、免許なしが120665点と大きな差があり、具体的違反行為としては「指定場所不停止」(いわゆる一時停止違反)、信号無視、右側通行(逆走)が多い。
これらからすると、免許の有無で違反行為数はだいぶ違うようにみえますが、
運転免許を受けている者、運転免許を受けていない者ともに、指定場所不停止、信号無視、右側通行、右左折方法違反、歩行者保護不停止等の順で点数が高かった。また、違反行為別に見ると、多くの違反では、運転免許を受けている者とそうでない者とで点数にさほど差が見られなかったが、指定場所不停止や信号無視、右側通行などについては、点数の開きが認められた(表4)。このうち、信号無視と右左折方法違反については、二段階右折に対する理解の不足が要因の一つとして考えられる。
③ 結論
②ウの採点結果をみると、運転免許を受けている者と受けていない者との間で、一部の項目を除き、運転者の運転行動に全体的には大きな差はないと言うことができる。
個々の違反行為では大きな差が生じているものもあるが、これらはもっぱら交通ルールに関する知識の差が要因となっているものと考えられる。https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/mobility/interim-houkoku.pdf
警察庁は「一部を除けば免許の有無で違反回数に大差なし」と捉えましたが、一部には大差が出まくっているのでして…
信号無視や逆走、一時停止で差が出てますが、一方で特定小型原付で事故を起こしたケースの7割は免許保有者だとする。
これらから見えてくるのは、自転車や特定小型原付だと「ちょっとくらいいいじゃないか、チャリだし」という精神的な部分が大きいのかもしれない。
ところで、この話をすると「でも自転車道を作ったら事故が減ったじゃないか!」と話を逸らすのがお決まりパターンですが、なぜかこの界隈は「自転車道を作れ派」と「自転車道を作るな派」の二項対立であるかのように話をすり替えてしまう。
自転車道を「作るな」という話ではなくて、危ないから最低限のルールを守れと言っているだけなのである。
けど、このような狭い自転車道でスピードを出すことが「危険」と感じないばかりか、このタイミングで追い越しする危険性がわからないとなると、
道路構造以前にメンタルの問題なんだろうなと考えざるを得ない。
そして某界隈が得意にするすり替え理論を見ていると、「危険」という価値観が違うのではないかとすら感じる。
某界隈が捉える「危険」とは「事故が発生したこと」であり、冒頭のツイートは「事故未発生でもいつ事故が起きてもおかしくない状態」も含めて危険と捉えているのよね。
しかし謎なのは、パリは自転車道を整備しだしたのに電動キックボードが歩道通行してハッスルしまくり、シェア電動キックボードが廃止になった点。
走行空間を整備すれば安全になるというわけでもないことが立証されたと言ってもおかしくないはずで、結局最後は「人の問題」になるのよね…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
パリでレンタサイクル借りて走りましたが、カオスという意見に概ね同意です。
設備も人もどちらも大事なんですよね。
コメントありがとうございます。
どちら「も」大切というのはその通りで、どちらかに偏るから話がおかしくなるのかと。
極論言えば、割れ窓理論と同じで簡易な交通ルールを無視するのが日常風景になっているのが問題かな。それこそ、形ばかりの青切符とか生易しい事を言わずに、違反者を一度一掃する位しないと改善しないかとは思います。が、そんな警察のリソースが無いのが現実ですが。
コメントありがとうございます。
支離滅裂でメチャクチャだから自転車道に隔離したほうがマシ、という理論すらあるんですよね”
そんな所では走りたくはないですね by 多少まともな自転車乗り
いや、その通りでして…
多摩川沿いをよく走っていて運転が荒い連中にウンザリしているんですが、いやぁ上には上がいるなと関心しました(白目)
コメントありがとうございます。
海外の本場のチャリカスには勝てませんw