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被害者が「大丈夫」と言ってもひき逃げになる。

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ひき逃げ事件が発生したそうですが、

被害者が「大丈夫」と言ってもひき逃げ(救護義務違反)は成立します。

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被害者が「大丈夫」と言っても

軽傷だからOK、じゃないのよね。

 しかしながら、車両等の運転者が、いわゆる人身事故を発生させたときは、直ちに車両の運転を停止し十分に被害者の受傷の有無程度を確かめ、全く負傷していないことが明らかであるとか、負傷が軽微なため被害者が医師の診療を受けることを拒絶した等の場合を除き、少なくとも被害者をして速やかに医師の診療を受けさせる等の措置は講ずべきであり、この措置をとらずに、運転者自身の判断で、負傷は軽微であるから救護の必要はないとしてその場を立ち去るがごときことは許されないものと解すべきである

 

最高裁判所第二小法廷 昭和45年4月10日

全く負傷してない、被害者が拒絶した等を除き救護しないといけなくて、ほかにはこのような判例も。
たまたま通りかかったタクシーに載せただけでは救護義務を果たしていないという判断。

被告人は、原動機付自転車を運転して原判示路上を走行中、自車を、同一方向に先行進行中の被害者乗車の自転車の後部荷台に接触させ、同人を自転車もろとも路上に転倒させて、同人に原判示の如き傷害を負わせる交通事故を惹起した事実、そこで被告人は直ちに運転を中止し、路上に倒れている被害者を抱き起して「大丈夫か」と声をかけているところへ、たまたま通りかかつたタクシーが停車し、同車の運転手が好意的に被告人に「(被害者を病院まで)乗せていつてやろう」と申出たので、被告人は、右運転手と協力して被害者をタクシー後部座席に乗せた事実、そして同運転手は、被告人に「野川病院に連れて行くから、お前あとから来いよ」と言い残して、被害者を乗せて病院に向け発車し、被害者を最寄りの野川病院に運び込み、同病院で被害者は事故後間もなく医師の診療を受けた事実、一方被告人は、当初は右タクシーの後を追つて病院に赴く意思がなくはなかつたが、本件の事故が自己の無免許運転中の事故で、その発覚をおそれる気持から、タクシーが被害者を病院に連れて行つてくれたことを幸いに、自らは病院に赴かず、かつまた事故の報告もせず、右タクシーが被害者を病院に向け運び去つて後間もなく、事故現場を離れて自車を押しながらそのまま自宅に帰つてしまつた事実が、それぞれ認められる。

道路交通法72条1項前段において所定の運転者等に対し義務として要求するところの負傷者救護の措置なるものは、負傷者の負傷の程度、道路交通の危険発生の有無程度その他具体的状況に照らし、社会通念上負傷者を救護したと認めるに足りる適切妥当な措置たることを要するものと解すべく、本件についてみるに、本件被害者の負傷の部位程度は、加療約3時間を要する右第二、第三肋骨の骨折という重傷であり、しかも事故直後において被害者は、路上に転倒して自力では起き上がれない状態であつたのみならず、脇腹を押えて被告人に苦痛を訴える状況であつたことが認められるのであつて、本件において前示条項にいう負傷者に対する救護措置義務が尽されたものといいうるためには、少なくとも、被害者を病院等に運び入れ、現実に医師の診療を受けさせるまでの措置を講ずることを要すると解せられるのである。しかるに被告人は、前示のように、たまたま通りかかつたタクシーの運転手から好意的に被害者を病院まで連れていつてやろうかとの申出を受けたのをよいことに、被害者を右タクシーに乗せる行為をしたのみで、タクシーの運転手から後から病院に来るようにいわれていたのに、自己の犯行の発覚をおそれるの余り、爾余の措置をなんら講ずることなく、事故現場からそのまま自宅に立ち帰つているのであり、被告人が本件被害者に対してなした救護措置としては、単に被害者を抱き起し、好意的に被害者の病院への搬入を申出ている第三者のタクシーに被害者を乗り込ませただけのことに止まるのであつて、被告人自身において本件被害者の救護につき適切十分なる措置を講じたものとは到底認め難いところである。当該運転者が死亡又は負傷等の事由で右措置をとることができない場合とか同条4項で規定する特別の場合を除いて、当該運転者自身の責任において遂行すべきものというべく、第三者によつて救護の措置がなされたからといつて、当該運転者自身の救護義務が消滅し或は免除されると解するのは相当でない。

 

大阪高裁 昭和47年8月8日

幸い軽傷のようですが、逃げると罪が重くなるだけなんですけどね。

ちょっと前にも

ちょっと前にも救護義務違反の「直ちに」の解釈を巡り最高裁に上告した報道がありましたが、

 

救護義務と「直ちに」の話。なぜひき逃げ無罪に?
ちょっと前になりますが、このような報道がありました。 田村政喜裁判長は「直ちに救護措置を講じなかったと評価することはできない」として、懲役6月とした一審長野地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。 事故を巡っては同年、過失運転致死罪で男性の有罪...

 

ひき逃げ無罪事件、最高裁へ上告へ。
ちょっと前に解説した件ですが、 東京高検は控訴審判決を不服として、最高裁判所に上告したそうな。 2015年、長野県佐久市の中学生が車にはねられ死亡しました。東京高裁はひき逃げの罪に問われた男性について逆転無罪を言い渡しましたが、検察はこの判...

 

救護義務違反って昔から争いが多いけど、やるべきことをしないまま逃げると罪になる。
冒頭の件について何か情報をお持ちの方がいましたら、よろしくお願いします。

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