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超音波注油と「設定温度」の話。

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こちらの件。

超音波注油の効果と、チェーンメーカーの本音。
ちょっと興味深いものを見かけたのですが、チェーンの超音波洗浄について、各チェーンメーカーの見解を問い合わせしたというY'sロードの記事。シマノとカンパニョーロは回答なしですが、KMCの回答が興味深い。KMC国内代理店、MAGIC ONE基本...

マックオフの超音波注油は、温めることによりオイルを低粘度化して浸透させる効果と、超音波により気泡を追い出す効果、超音波によりチェーンへのオイル定着性を高める効果があると考えられますが、どれが優位な効果なのかは知りません。
なぜか低粘度化のみが効果だと言いたげな人がいますが。

 

ところでマックオフの超音波注油って何度に設定しているのかは代理店サイトにも書いてない。
しかしショップ発信の情報によると、

なんと注油にも専用の『ULTRA SONIC』を使用します。

こちらも洗浄と同じく超高級オイル『LUDICROUS』がたっぷり入ったタンクを30℃に設定。

洗浄と同じように左右両面を10分づつ超音波注油することで、ローラーの奥までオイルを注入することができます。

もはや注油はチューンアップ『CHAIN OPTIMISATION PROGRAM』 | 兵庫西宮・尼崎・伊丹「ロードバイク、クロスバイクのトレック専門店」アースバイクス
最高のチェーンオイルには最高の準備が必要だCHAIN OPTIMISATION PROGRAM(チェーン最適化プログラム) チェーンの回転抵抗を減らして動きをスムーズにし、サビや劣化を防ぐアイテム、そ…

30℃らしい。
さらに左右両面を10分づつ超音波注油するらしいので、温度による低粘度化がメインではなく、超音波自体による浸透がメインなんだと理解できる。

 

その結果は「手挿し注油に比べ最大10%の抵抗軽減」。
きちんとデータで出ている。

 

こちらにも書いたけど、某ケミカル屋さんはどぶ浸け注油が効果的だと発信しているように、自社製品についても手挿し注油よりどぶ浸け注油が効果的だと認めている。
逆にいえば手挿し注油では不十分であることを認めているわけで(もちろん「不十分」というのは相対的概念なのは言うまでもなく、絶対的不十分の話ではない)、ごちゃごちゃいうなら、メーカーとして①手挿し注油②どぶ浸け注油③超音波注油の比較試験をすれば済むのである。

 

けどしないでしょうね。
超音波注油が最も低抵抗というデータが出たら、今まで語ってきた内容が覆ってしまう。

 

そして全く意味不明なのは

M社の高級ルブはPAO+有機モリブデン系と「推測」し、その推測を前提に「超音波を当てると生成された二硫化モリブデン層も破壊しない?とも思ってしまう」と「推測」。
推測に推測を重ねるのは単なる妄想に陥りやすくなりますが、「手挿し注油より超音波注油のほうが最大10%抵抗を軽減した」という「事実」よりも「推測を推測」したことが優先されちゃうわけよ。

 

こういうのは、最初から超音波注油を否定したいがための結論先行型論法なのよね。

 

さて、超音波注油が手挿し注油より悪いとなりそうな要素は見当たらないところ(超音波注油が勝るか、有意な差がないかかと)、彼が持論を捨てて進化に向かうために比較実験をするか、相変わらず推測を推測する論法に向かうのか次第で、彼のスタンスが見えてくる。
進化する可能性があることをメンツ優先で無視するか、過去を否定してでも進化したいかの差とも言えますが、

 

どちらにせよ超音波注油はオイル使用量が多いため、個人がやるにはコスト的にムリがある。
マックオフがショップで施工にするのも、そういうことかと。

 

ところで、科学の世界では「理屈上期待される結果」と「実際に試してみた結果」が一致しないことがあり、「実験室で得られたデータ」と「実際に走行した場合のデータ」が一致しないことも普通。
そういうときにどう考えるかが科学の楽しさだと思うのですが、実際にチェーンを使った試験よりもチェーンを使わない実験室のデータが優先すると考えるようになってしまったらダメだと思う。


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