先日ちょっと思い立って買ってみた、GIYOのエアゲージ。
ちょっと思うところがあり、検証するためにパナレーサーのアナログエアゲージも買ってみました。
こいつを買うと甘酸っぱい思い出が広がるのですが、しょうがない。
気になる点
これは別記事で書きますが、構造上、ポンプに付属するゲージは、ポンプ内の空気圧を計測しています。
ただ、前に使っていたパナレーサーのアナログゲージ。
これのときは、ポンプのゲージと、エアゲージの数値がほぼ一致していたような思い出しかない。
ポンプ自体は、その当時と今も同じものですが、ポンプヘッドだけ今は変わっています。
で、先ほども書いたように、ポンプのゲージはポンプ内の空気圧を計測していますが、
構造的に考えて、タイヤ内の空気圧とそこまで大きくズレるとは思えなくて。
このようなご意見も頂いてます。
単品の圧力計は配管が短くクローズなため、タイヤ内の圧力をほぼそのまま計測できます。
ポンプの圧力ゲージの場合、実際に測っているのはポンプからの加圧力になるのですが、もろもろの圧力損失により、タイヤ内の空気圧はポンプの圧力よりもどうしても低くなってしまいます。
ポンプの圧力>タイヤ内の空気圧
単品の圧力計:タイヤ内の空気圧を測定
ポンプの圧力計:ポンプの圧力を測定
私は車のタイヤで比較したことが有るのですが、おおよそ1barくらい差が出る印象でした。
正確に圧を出したいときは、ポンプで高めに入れて、圧力計のエア抜き機能で調整するのがベターになります。
エアゲージのほうが精度自体は高いんじゃないかと思うのですが、仏式バルブの構造と空気が入る仕組みを考えると、タイヤ内とポンプ内での空気圧が、そこまで変わるような気がしないというか。
ポンプで圧縮された空気により、バルブコアが押されて、バルブが解放するわけですよね。
そうするとタイヤ内~ポンプ内までは一つの閉鎖空間とみなせるでしょうから、加圧した瞬間を除けば、どこで計測しても圧力自体は変わらないんじゃないかと・・・(パスカルの原理)
間違ってますかね?
厳密にはバルブコアの動きを考えると、完全一致しないとは思うのですが。。。
ポンプを加圧した瞬間は、ゲージの針がグン!と上がるけど、そこから下がって落ち着く。
このとき、バルブコアが解放されている状態なら、タイヤ内~ポンプまでが一定の閉鎖空間と捉えることが出来るので(厳密にはちょっと違いますが)、1Barもズレるとしたら、
・ポンプゲージの精度
・エアゲージの精度
・エアゲージの使い方が悪い?
・そんなもん
いろいろ考えられることは当然出てくる。
なのでもう一つ別のエアゲージを用意して、比較実証してみます。
パナレーサー アナログゲージ
そんなわけで、パナレーサーのアナログゲージを無駄に購入してみました。
計測誤差は±3%とあります。
ずいぶん前に購入したときは、Bar表示じゃなかったような記憶があるのですが。
記憶違いかも。
で、使ってみるとGIYOのエアゲージとは大きな差があります。
GIYOのエアゲージ、バルブに押し当てるときに、ブシュ!っとエア抜けの音がします。
パナレーサーのエアゲージでは、それが皆無。
ただし、結構強く押し当てないと計測してくれません。
パナ VS GIYO
既にGIYOのエアゲージは腐るほど使って練習してますが、正直なところで言うと、エアゲージをバルブに差し込むときに、どうもエア抜けが大きいような気がしていて。
パナレーサーのアナログゲージを使ってみると、その差は歴然だったりする(差し込んだときの音の感触が、パナだとゼロ)。
で、実験方法です。
バルブの位置は、12時で固定。
ポンプで空気を入れるとき、エアゲージで計測するとき、どちらも12時で行います。
手順1 | 手順2 | 手順3 | |
実験1 | ポンプで入れる | パナで計測 | GIYOで計測 |
実験2 | ポンプで入れる | GIYOで計測 | パナで計測 |
これを、約8Barで数回、約6Barで数回実施します。
つまり、どっちのゲージを先に使うかの順番を変えて実測。
毎回もう一度空気を入れなおしてます。
8Bar
<実験1>
ポンプ | パナで計測 | GIYOで計測 | |
1回目 | 8bar | 7.9Bar | 7.2Bar |
2回目 | 8bar | 7.8Bar | 7.3Bar |
3回目 | 8Bar | 8.0Bar | 7.2Bar |
一回目の計測、パナレーサーのエアゲージではほぼ8Barと読み取れますが、7.9Barくらいでしょうか。
GIYOのエアゲージでは、7Barちょっとと出ます。
<実験2>
ポンプ | GIYOで計測 | パナで計測 | |
1回目 | 8bar | 7.2Bar | 7.6Bar |
2回目 | 8bar | 7.2Bar | 7.7Bar |
3回目 | 8Bar | 7.2Bar | 7.8Bar |
先にGIYOを使うと、やはり少しエア抜けするのか、パナのエアゲージでも下がる傾向。
6Bar
<実験1>
ポンプ | パナで計測 | GIYOで計測 | |
1回目 | 6bar | 5.9Bar | 5.0Bar |
2回目 | 6bar | 5.9Bar | 5.0Bar |
3回目 | 6Bar | 5.9Bar | 5.1Bar |
一回目のパナでの計測は、やはりほぼ6Barと出る。
GIYOだと…以下略。
<実験2>
ポンプ | GIYOで計測 | パナで計測 | |
1回目 | 6bar | 5.1Bar | 5.8Bar |
2回目 | 6bar | 5.0Bar | 5.6Bar |
3回目 | 6Bar | 5,1Bar | 5.8Bar |
結果として
ポンプのゲージと、パナレーサーのアナログゲージの数字は、ほぼ同じで出てきます。
せいぜい0.1Bar程度の差。
ところがGIYOにすると、思いっきり下がる。
で、先にGIYOで計測して、そのあとパナレーサーで計測すると、パナでの数値も少し下がる。
恐らくですが、
・GIYOのエアゲージ、どうやってもバルブに押し当てるときにエア抜けする(ブシュっと音も鳴る)。
・そのエア抜け分を差し引いても、GIYOのエアゲージの精度が怪しい。
これがたまたまの個体差なのか、使い方が悪いのかはちょっとわかりません。
しかしいろいろ考えても、ポンプのゲージとパナレーサーのエアゲージは精度として高いのかなという印象です。
ちなみにポンプはサイクルプロのもので、ポンプヘッドはヒラメ。
使い比べるとすぐにわかりますが、パナレーサーのエアゲージは、バルブに押し当ててもエア抜けしている感じが皆無。
なのでどっちかを買うとしたら、パナレーサーのほうがいいんじゃないかと思いますが、GIYOのエアゲージ、使い方が悪いんですかね??
いろんなことを試してやっても、どうやってもバルブに押し当てるとエア抜けするので・・・
あくまでもポンプとパナレーサーのエアゲージの精度がそこそこあるという仮定になりますが、空気入れで表示される数値と、エアゲージでの数値はほぼ同じで出ます。
これについて、別記事で解説する予定です。
まあ、ポンプは9年くらい使っているので、ポンプのゲージの精度が狂っている可能性もあるとは思いますが。
そうなると、先日の記事。
https://roadbike-navi.xyz/archives/16666/
やり直ししたほうがいいですね。
すみません。
仏式バルブの構造については、別記事でまとめました。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
パスカルの原理、たぶん大丈夫です。
誤差が生じる可能性は、配管内で流れが生じることによる、圧損と、ゲージの機械ロス、時定数かと。
コメントありがとうございます。
やはりそうですよね。
GIYOのエアゲージ、あまりにもおかしな数字が出るので、気になってパナも買ってしまいましたが、何という無駄金・・・
いやいや、しっかりしたゲージは「持つ喜び」があるはずなので。
今度やってみたいのは、電池式のデジタル圧力計を実装してみたいです。昔に比べて安くなってるので、エアカプラ使えば簡単にできそうで。以前だったら、会社のテスト装置の残骸とかから調達できたのですが、部署変わってからは敷居が高くて…
コメントありがとうございます。
パナにはデジタルもありますが、そっちも気になってます。
まあ、これ以上はさすがに買いませんが・・・
私もGIYOのエアゲージ持っていまして、ポンプのゲージと比べて管理人さん同様1barほど低く出るのが気になっていました。
今回の結果を見せていただいて、GIYOのゲージ 表示される値の正確度はともかく、
(再現性という意味での)精度はある程度確保されているようなので、
今後は1bar程度引いた値で考えるようにしようと思います。
良い実験ありがとうございました。
サンプル数2ですが、GIYOのゲージは測定時にエア漏れすることを前提に値が低めに出るように作ってあるのかもしれませんね。
コメントありがとうございます。
うーん、やっぱ精度がイマイチなんですかね?
個体差なのか、製品精度の問題なのかよくわかりません。
とりあえず、使い比べるとパナのほうが明らかによいです。
コメントありがとうございます。
うーん、やっぱ精度がイマイチなんですかね?
個体差なのか、製品精度の問題なのかよくわかりません。
とりあえず、使い比べるとパナのほうが明らかによいです。