自転車用ライトで最も強力なものというと、キャットアイのVOLT6000になると思います。
オーライトにも最大3500ルーメンというRN3500というものがあります。
これ、以前読者様にレビューをお願いしたのですが、読者様的にも想像していたものとは違ったのではないかと思います。


まあ、これが本音ですよね。
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高輝度過ぎるライトの意味
一般道ではなくオフロードを夜間走る人にはこういう高輝度ライトは意味があると思いますし、本当かどうかはわかりませんが、こういう高輝度ライトって実は警察が買ったりするらしいです。
事故の後の現場検証などで、持ち運びにも便利だし高輝度ということもあって。
一般道でこういう高輝度ライトがどのような意味を持つのかというと、ローモードでの持続時間ではないでしょうか?
最大出力については、一般道であれば街灯もあるので3500ルーメンとか6000ルーメンなんて不要です。
けどRN3500でいうと、300ルーメンで20時間使えたりするので、デイライトも込みで夜間まで長時間走り続ける人にはメリットがあるし、もうちょっと明るさが欲しいなと思えば持続時間は減るものの最大3500ルーメンなのでもうちょっと明るさは出せる。
<オーライトRN3500>
モード | エコ | ロー | ミドル | ハイ | フラッシュ |
2灯 | 100lm | 300lm | 700lm | 1400lm | |
75h | 20h | 8h | 4.5h | 15.5h | |
3灯 | 200lm | 600lm | 1000lm | 1800lm | |
19h48min | 8.5h | 4.5h | 2.5h | 9.5h | |
5灯 | 350lm | 900lm | 1800lm | 3500lm | 0-1800lm |
17h | 6.5h | 3h12min | 1h42min | 6:5h |
実際のところ、一般道で3500lmを使うことなんて無いでしょうし、仮に使うにしても、VOLT6000もそうですが結構光が拡散するので、相当下向きにしない限りはまともに使えない。
普通クラスの自転車ライトであっても、片側1車線道路とかだと対向車からしてもクソ眩しく感じることはある。
歩道の歩行者も眩しくて困惑する。
高輝度ライトって、一歩間違うと暴力なんだと思うんですね。
これはライト自体が悪いのではなくて、使い方、使う場所、使うモードの話。
例えばVOLT6000を一般道で、マックスの明るさで水平に使えば完全に暴力の世界。
私が持っているALLTY2000でもRN1500でも、水平設定してマックスモードで使えば普通に暴力。
なので普通の人はマックスでは一般道では使わないでしょうし、仮にどうしても使うにしてもかなり光軸を下げる。
これは当たり前のこと。
勘違いしてはいけない
高輝度ライトが悪いのではなくて、使う場所や使い方が悪ければ暴力になりうる。
以前も書いたのですが、対向右折車への対策としてハイビームを使うという考え方については全く賛同しません。


対向二輪車の速度感は分かりづらい、という特性があるので、それに応じた速度で進行するのが基本。
実際、法律上もそうなってますし。
第三十六条
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
右直事故で直進車の過失がゼロにならない理由は、36条4項があるからです。
で、VOLT6000とかRN3500のような超高輝度ライトを、逆走自転車に向けて発光する、ということを考える人もいるらしい。
確かに車道を逆走してくる自転車はウザイなんてレベルを超えてますし、危険。
逆走自転車が道交法違反をしていることには間違いないのですが、法律上ではそういう相手に対してでも事故回避義務があるし、逆走自転車だからと言って暴力を用いて封殺してもいい根拠にはならない。
仮に逆走自転車に対してこういう超高輝度ライトを全力照射したとして、相手が眩しくて転倒するなどした場合、暴行罪になりうる。
そう、使い方次第では暴力なんですよ。
有形力の行使に当たるので。
逆走自転車相手でも減灯義務はあるし、事故回避義務はあるし、逆走という違法行為をしている相手だからと言って暴力を使ってもいいという根拠はどこにもない。
まさか逆走自転車にわざと衝突しにいくようなアホはいないと思いますが、高輝度ライトって悪意がある人に使わせると暴力になりうる。
悪意が無くても使い方次第では暴力になりうる。
最近、なんか勘違いしたバカが多いような気がしているのであえて書いておきます。
判例とかも含めてみているとわかりますが、逆走自転車相手でも事故回避義務がある以上、過失割合は50:50になったりする。

生活道路で50:50、幹線道路で10:90あたりが相場ですが、逆走自転車に高輝度ライトを使って暴力を働いた場合、相手の行動がさらに読みにくくなる。
相手が眩しくて視界を失っていることは普通に理解できるので、相手がどっちに避けようとしているのかも読みづらいくなるだけだし、何らメリットってない。
逆走自転車については取り締まりを強化して欲しいところではありますが、開き直ってわざと逆走する自転車までいるので本当にややこしい。

そりゃ、100lm程度で水平に照射したところで逆走自転車が視界を失うという可能性はほぼないでしょうけど、法律関係をサッパリ理解していない方が、自転車ライトを使った暴力を働くことについては全く賛同できるものではない。
自転車ライトの高輝度化が進んでいる今だと、自転車ハイビームについて道交法で規制すべきだと思っているのですが、自転車のライトについては各都道府県の公安委員会規則によることとなっているのが元凶な気がする。
公安委員会規則ではなくて、全国的な統一を図る法律の方で縛るべきだと思う。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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