自転車横断帯と従う信号について質問を頂いていたのですが、ちょっとその前に。
横断歩道も自転車横断帯もない交差点
ちょっと前にこれが話題になっていましたが、
自転車乗りよ、あんたらが誘発した事故だぞ。
手前が赤信号になるととたんに歩行者信号で通過、車道と歩道を自由自在に走る。
無灯火、二人乗り、完全に無秩序だよな。
いつも自分達に都合の良い解釈して走ってる結果がこれだよ。信号無視の自転車が青信号で進入してきた乗用車に激突する事故映像 pic.twitter.com/S5lqzzlgTD
— 358ちゃん♨️ (@max358japan2) October 21, 2022
車道に信号があり、横断歩道がない。
これを信号無視ではないと主張する「自称道路交通法に詳しい人たち」にはビックリしますが、交差点の範囲はここ。
なお、道路交通法2条5号にいう道路の交わる部分とは、本件のように、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに、いわゆるすみ切りがある場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によつて囲まれた部分――別紙図面斜線部分――をいうものと解するのが相当である。
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日
信号の種類 | 信号の意味 |
赤色の灯火 | 二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。 |
備考 この表において「停止位置」とは、次に掲げる位置(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)をいう。
一 交差点(交差点の直近に横断歩道等がある場合においては、その横断歩道等の外側までの道路の部分を含む。以下この表において同じ。)の手前の場所にあつては、交差点の直前
下記判例のほうがわかりやすいかな。
本件の事実関係は、右認定のとおりである。そして右のように車道と車道が交わる十字路において、四つ角の宅地または歩道の角を切り取つて歩道または車道としたことにより車道の幅員を拡大してある場合には、その拡大してある車道部分は道路交通法にいわゆる交差点に包含され、したがつて本件においては、右の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)(イ)各点を順次直線で結んだ線内の車道部分全部が、双方の車道の交わる部分であつて、右の交差点にあたる、と解すべきである。故に右の(イ)点は、交差点の側端にあたる。被告人は、交差点の側端から5メートル以内の場所に自動車を駐車したことが明かである。
名古屋高裁 昭和37年11月26日
横断歩道がなくても、歩道を進行して対面に渡る自転車は交差点内を通行することになるので、車道の信号しかないなら車道の信号に従うことになります。
(停止位置は交差点の手前。つまり歩道の縁石。)
ていうよりも、田舎だと車道にしか信号がない交差点(横断歩道に信号なし、もしくは横断歩道もなし)では歩行者も自転車も問答無用に車道の信号に従うのは当たり前だと思っていました。
ちょっと気になって調べたのですが、道路交通取締法時代から隅切りは交差点に含むと解釈してます。
そうじゃないと、左折車は交差点を二回通行することになり(交差点→隅切り→交差点)、一時停止標識がある場合などに解釈上の問題が発生するからだそうな。
Twitterをみて「自転車は信号無視ではない」などと独自道路交通法を創作するのはやめましょう。
チャリカスじゃあるまいし。
昭和の時代から、歩行者用信号がなくても車道の信号のみで全て制御できるようには設計されています。
自転車横断帯と従う信号
さて本題。
最近自転車が従う信号について巷で話題ですが、バグってる交差点を見つけたのでご報告します。警察に問い合わせるのが一番なのでしょうが、より広く自転車乗りに知ってもらう方がよいだろうとおもい影響があるブログの管理人様に情報提供と共に通行方法の見解をお聞きしたいとおもいます
ストリートビューなのですが
Google マップこちらになります
現実的な最適解は車道走行時は車道の信号に従い自転車横断帯(以下横断帯)を無視して進行、歩道走行時は人形灯火の信号(以下歩行者信号)に従い横断帯を進行だと思うのですが、専用表示のない歩行者信号は横断歩道を進行しようとする自転車に対する表示であって横断帯を進行しようとする自転車に意味はあるのかという話になり、意味がないとするなら歩道走行時も車道の信号に従うことになると思うのですが、どう解釈すればよいのでしょうか?
また律儀に車道から横断帯を進行しようとする場合も横断帯に着いたら歩行者信号に従うという考えの人もいるようですが、歩行者信号の意味を考えたら従う信号ではないとなり、車道の信号のまま横断帯も進行するという形になるかと思います。
正解としてはどういう形になるのでしょうか?見解をお聞かせください。
これについてですが、車道を進行する自転車は車道に従うことには異論がないと思います。
自転車横断帯を通行するために左折風に入ることについては、全くオススメしません。
一応見た限り、これでも自転車横断帯は交差点内と受け取れる。
人の形をした赤信号の意味はこれ。
信号の種類 | 信号の意味 |
人の形の記号を有する赤色の灯火 | 二 横断歩道を進行しようとする普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。 |
自転車横断帯と横断歩道は別なので、歩道を通行し自転車横断帯を進行しようとする自転車には歩行者用信号が関係しないようにも取れます。
ただし、赤信号が規制している内容は
「横断歩道を横断してはならない」ではなく「道路を横断してはならない」。
赤信号のときに歩行者が横断歩道から2m外れた位置を横断したらダメなのはわかると思いますが、このように横断歩道に隣接する自転車横断帯の場合、
「自転車横断帯を横断しようとする自転車」=「横断歩道を横断しようとする自転車」
とみなして、赤信号では横断できないという扱いでいいんじゃないですかね。
なので、
○歩道進行自転車→横断歩道の信号に従う
こんな感じかと。
というよりも、施行令の信号の意味が明らかに混乱の原因です。
もうさ、分かりやすくやり直したほうがいいと思います。
どうせ普段自転車に乗らないような人たちが机上でウンウン唸りながら作り上げたクソ法の被害に遭うのは自転車ですから。
あまり深いことは考えずに
たぶんなんだけど、
○歩道通行自転車→横断歩道の信号に従い、横断歩道に信号がない場合には車道の信号に従う
こんな感じでシンプルにまとめてくれないと、もはや意味不明です。
まあ、最近インターネットの世界では「自転車は横断歩道を横断してはならない」という独自道路交通法が形成されてますが、
横断歩道を自転車で横断すると、偏屈な人に激オコされるかもしれません笑。
て言うか、
こんな人すらいるらしい。
ドンマイ以外に掛ける言葉が見つからない。
自転車に関する規定、分かりやすく全て改正してくれ。
ちなみに愛媛県については、独自条例により「歩道逆走違反」が存在しています。
誰のための法なのか
けどいろいろ調べている中で、より一層疑念が生まれるのはこれ。
交差点の外側にある自転車横断帯の設置位置は、法(道路交通法第63条の7第1項)でいうところの「付近」に当たらないため、通行義務がない。[S55東京高裁]
https://law.jablaw.org/rw_cross1
いろんな判例検索で調べても昭和55年に自転車横断帯に関する判例自体が見つからないのですが、本当にこんな判例が存在するのかね?
理屈の上ではこれについても
交差点に「接する」自転車横断帯になってしまう。
隅切りは交差点内ですから。
ちなみにこのように自転車横断帯を進行しようとする場合なんですが、
左折風ではありますが、交差点内で「進路変更」と捉えましょうか。
左に進路変更→右に進路変更と捉えた場合、合図履行義務があるわけで、
「その行為をしようとする時の三秒前のとき。」
左折風に進路変更を完了してから右折風に進路変更するまで3秒待たないと違反になる笑。
自転車横断帯の手前まで左に進路変更合図を継続し、一時停止して3秒間右に進路変更合図を出してから自転車横断帯を進行すんのかな?
間違っても左折→右折だと捉えた場合、30m前に合図履行義務がありますが、30mもないので右折できなくなるし笑。
こんな合図しか思い浮かばないけど、
交差点手前で両手離し運転したら、警察に激オコされるのがオチ。
厳密に道路交通法を守ろうとすると、かなり難しいバイクコントロールテクニックの持ち主以外は無理でしょうね。
もちろん、こんなバカなルールを遵守する人なんていない。
「道路交通法を守る」と豪語する人は3秒ルールも遵守するのは当たり前だろうけど、馬鹿馬鹿しいので、
最初からまっすぐどうぞ笑。
何を言いたいかという話なんですが、自転車に関するルールは著しく不合理で実態に合わないものや解釈上困難なものが多数あるので、社会通念上問題無さそうなプレイについては厳密に違反認定する必要性がないのです。
無理なものは無理。
昭和55年東京高裁というのも存在自体怪しいけど、法律がおかしいから構造もおかしくなり、構造がおかしくても法律上の問題から直せないなんてことすらあるのが現実。
自転車道が歩道に接続する原因も、道路交通法上の問題を安易にクリアさせた結果。
法律から直していかないと、構造も良くならんわ。
ちなみに、左に進路変更直後に右に進路変更するからといって、この合図(手信号)は絶対にやめてね。
事故る未来しか見えないから。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
現場の警察官が何と言おうと、車道を走っていたとしても歩行者・自転車専用があれば、従わないと信号無視みたいです。当人が認識していたとされれば事故の時は過失割合に影響するのでしょうか?決まっている以上、緊急時などの例外を除き認められないというのが実態のようです。いつもやっていたら例外って言い訳も通らないでしょうし、ルールが変わらないならルートを変える他はないんですかね。
コメントありがとうございます。
「自転車専用」があるならそちらに従うルールになりますが、過失割合云々は何ともいえません。
争いが起きない限りはわかりませんが、結局のところ「自転車専用」信号が視認可能なのか次第じゃないですかね。