ちょっと前にも書いてますが、イエローのセンターラインの場合、自転車を追い越しする際にイエローラインを越えることは違反です。
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法律論と現実論の差
例えばこの道路を自転車で通行していると、パトカー(非緊急走行)がイエローラインをガッツリ越えてかなりの側方間隔を保ちながら追い越ししていきます笑。
ほかにも、現実的にはパトカー様(非緊急走行)が原付を追い越しするためにイエローラインを越えます。
原付は路側帯通行しちゃってますが、何らお咎め無しの様子笑。
法律論では違反、現実世界ではモーマンタイと思わしき状況ですが、執務資料では期待可能性がないから問題なしにしていたはず。
ただね、裁判所はきっちり有罪にします。
期待可能性も可罰的違法性も否定。
これなんて、タクシーとバスの間たった20mの区間でも左側に戻らないことは有罪だとしています(東京高裁 昭和51年11月25日)。
徐行する義務がある場所だから20mでも左側に戻る義務があるとして期待可能性を否定。
裁判所は厳格に法を適用するので、自転車を追い越しするためにイエローラインを越えたとして切符を切られて否認事件としても、裁判所は余裕で有罪にするでしょう。
まあ、切符を切られなければ裁判になることもないわけで、期待可能性とか可罰的違法性というよりも、単に「警察官の裁量としてなんとなく黙認されている」と見たほうが正確かもしれません。
警察に問い合わせしたという方のブログ。
警察にも確認したところ、
『はみ出し追い越し禁止場所で自転車をはみ出して追い越す行為は、対向車に対して危険な行為となるような状況以外は取締りしていない。』
とのことでした。
『「はみ出し追い越し禁止」は自転車を追い越すことも禁止される?』これは 『追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止』 という標識・標示です。 通称『はみ出し追い越し禁止』。 参考記事:「追越しできる?できない?」 は…
けど、警察に問い合わせして全然違う回答になることも普通にあるわけで、必ずこれが正解とも言えない。
ちょっと前に38条2項の解釈を警察本部に聞いたところ、3警察本部全て不正解という珍事も起きました笑。
皆さん自由な解釈をされるので、この国の行き先には不安しかありません。
そもそも、裁判所ですら法律解釈を間違っているなんてことは普通にあるわけだし。
何が正しいか?
結局のところ、自転車を追い越しするためにイエローラインを越えることは一律で違反行為で、仮に切符を切られて裁判に持ち込んだとしても、違反であることを覆すことは無理だと思います。
期待可能性や可罰的違法性で免責される余地は基本無理がある。
しかし現実世界では、現場の裁量というアバウトな仕組みによりなんとなく問題にならないだけ。
反則行為なので、現場が切符を切らない限りは何も起きない。
道路交通法関係ってこういう「現場の裁量」みたいな話は多くて、自転車に関係する話でいえば、自転車横断帯があります。
警察のホームページではこうしろと書いてあるにもかかわらず、
現場レベルの警察官に聞くと、
「ユー、まっすぐ行っちゃいなYo!」
と回答されます。
いろいろ考えるに、法律解釈としては決まっていてもなんとなく「それくらいいいんじゃね?」みたいに運用がアバウトな規定はあるわけです。
どちらが正しいというよりも、世の中そんなもんなだけで、本音と建前は違うというジャパニーズスタイルなのかもしれません笑。
運用がアバウトになった結果、いろいろアバウトになっている気がします。
そもそも、警察官が道路交通法に詳しいと思うこと自体が幻想でもありますし。
反則制度がないと裁判所がパンクするわけですが、反則制度によって犯罪意識が薄れ、バスケでダブルドリブルした程度の話にしか捉えられていないのではないかと思いますが、どっちがいいんですかね。
厳格解釈と、ナアナア運用。
昭和30年頃なんて、自転車の2人乗りや無灯火でも普通に起訴していたみたいですが、
今の時代じゃあり得ないです笑。
イエローライン越えについても、ホンキモードなら違反切符になる、しかしゲンバはホンキモードではないというだけなのかと思うのです。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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