歩道を横切る前には、歩道の手前で一時停止する義務がありますが(17条2項)、一定数出る意見はこれ。
システム上は
これらの規定を守れば、追突されることはないはずなんですけどね。
第二十五条 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
施行令
合図を行う場合 | 合図を行う時期 |
左折するとき | その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。 |
後続車の義務
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない
追突されることを恐れるなら、法定よりもさらにワンテンポ早く徐行と合図をしたら、基本的には後続車が空気を読むシステムですし。
左折合図して徐行体制に入れば、後続車もそれに合わせて車間距離を保持して減速するルールなんですよ。
本来は。
歩道を横切る前に一時停止を義務化している理由を考えると、歩行者の見逃しリスクを最大限回避するため。
小さな子供とか、植木で見逃しますよ。
あと、横断歩道と違い、歩道を横切る前って左後方が死角になりやすい。
一時停止って止まることが目的ではなくて、止まって確認することが目的。
まあ、かなりテキトーになっているルールですけどね。
そういやこれ
この判例ですが、
時速40キロで歩道を通行する自転車を「予見可能」と語る裁判所についてはやや不可解ですが、「一時停止では足りない」とした内容については、ドライバーの方には参考になると思いますよ。
一時停止義務の本質は止まることではなく、止まって確認することにあるわけで、一審判決を破棄して新たに有罪にした点は確かにそうだなと。
一審 | 二審 |
本件歩道手前で一時停止せず,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約5kmで進行した過失 | 本件歩道手前で一時停止した上,小刻みに停止・発進を繰り返すなどして,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,本件歩道手前で一時停止せず,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約4.2kmで進行した過失 |
ただまあ、歩道を時速40キロで爆走するのは大問題。
こういうのって、たまたま死角から出てきたのがクルマだから自転車は被害者になるけど、たまたま死角から出てきたのが子供だったら加害者になる話。
なので結論としては、双方やるべきことはやりましょうという話でしかない。
事故発生は結果論でしかないよね。
双方死角なんだから。
「本件歩道手前で一時停止した上,小刻みに停止・発進を繰り返すなどして,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務」をこのような場面でしっかりやるドライバーがどれだけいるのかは謎ですが、個人的に謎だと思っているのは、過失運転致死傷罪ってかなりの割合が不起訴なので、どういう基準で起訴してるのか不思議です。
追突されることを恐れるなら、法定よりも少し早めのタイミングで左側端に寄せて徐行体制に入ることでもいいと思います。
従来、30m手前からと言われていたけど、判例では否定されて30m以上でも問題にはならないし。
あっ、あんまり早すぎると車道左側端を通行する自転車を妨げるので注意は必要。
やるべきことをやれば何も起きないシステムなのに、やるべきことをしないから追突されるだけなんじゃないかと。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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