読者様から興味深い話を頂いたのですが、ちょっと前に書いた内容とも関係する。

かといって減速しなければ自分が加害者になるし、モヤモヤしてます。
横断歩道に接近する際には「横断しようとする歩行者が明らかにいない」と言えない場合には十分減速する義務がありますが(38条1項前段)、
減速したこと=譲ってくれた、と勘違いするアホすらいるのよね。
これは先日書いたこれとも関係する。

狭い道路でバス同士がすれ違いする際に、一方が停止する光景がありますが、
空気読めない後続車は余裕で追い越ししていく。
これってかなり危機的なのよ。
先日取り上げた東京高裁 平成29年3月23日判決は、先行車(大型車)が青信号の交差点にもかかわらず突如時速5キロ程度まで減速した。
被告人は余裕で追い抜きしたのですが、先行車が減速した理由は
「事故が発生したから」
事故が発生して被害者が横たわっていたのに、空気読めない後続車が追い抜きして轢過。
先行車が減速したとか、停止した理由を考えずに追い抜きや追い越ししたら事故るのよね。
横断歩道手前30mは追い越しも追い抜きも禁止されてますが、要は空気読めない後続車を一律規制している。
かといって「後続車の追い越し対策」と称して無減速で横断歩道に接近する訳にもいかないのだから、結局は自分がやることをしっかりやる、としか言えないよね…
後続車については、取り締まりするしかない。
ところで、減速接近義務自体にも質問を頂いたのですが、減速接近義務の具体的内容について述べた判例は少ない。
横断歩道直前で直ちに停止できるような速度に減速する義務は、いわゆる急制動で停止できる限度までの減速でよいという趣旨ではなく、もつと安全・確実に停止できるような速度にまで減速すべき義務をいつていることは所論のとおりである。
大阪高裁 昭和56年11月24日
なぜかあまり重視されてない判例だけど…わりと大事。
ちなみに追い越しした後続車にしても同じく減速接近義務を負うわけで。
確かに、減速したときに空気読めない後続車が追い越ししていく光景はたまにありますが、先日取り上げたこれが全てでして、
なぜ減速したか?なぜ停止したか?に考えが及ばずに、死角があることを考えないまま追い越しして前に出たがる人はかなりヤバイと思う。
東京高裁判例にしても、なぜ青信号の交差点にもかかわらず突如先行車が大幅に減速したかを考えないまま漠然と前に出て轢過したわけですが、
死角があることを考えないまま漠然と前に出てしまう人はいずれ事故る。
ただまあ、追い越し対策のために自分も無減速というのはあり得ないわけで、それぞれが「自分が加害者にならないためにどうするか?」を考えないとまずいのよ。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
バスが停留所で客扱いしていても、1台追い越しすると後続が確認しないで追従して追い越しする場面をよく見ます。
まあ、自分は危険予知して事故らない様にしますが、バスのドラレコで検挙出来ないものかとモヤモヤします。
自転車で走って居ても、対向車のバスが停留所に止まるためにウインカーを出すやいなや、追い越し開始して側方スレスレで走り去るダンブとか居ますから、対向の停留所に停まりそうなバスがあるときは要注意です。
ところで質問ですが、ウインカーを出してバス停に停車しそうだけど、まだ止まってないバスを追い越すのは問題無いのでしょうか?
宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
厳密にいえば、イエローラインなら違反です。
ただし現実的には黙認されてます。