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バイアスをかけた統計データの読み方。

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なんか凄まじい統計データの読み方をしている人がいますが、

このデータから「サンデードライバーよりエブリデイドライバーのほうが事故原因だ」とは全く読めなくて、

 

「サンデードライバー/エブリデイドライバーのどちらが事故リスクが高いかを示す統計は無い」

 

が今のところ正解なのよね…
このデータからこの人の主張に結びつけるにはバイアスが多すぎて、一例を挙げるとすると土日勤務で平日休みの人が休みの平日に運転することはいわゆる「サンデードライバー」に該当するでしょうけど、その人が起こした事故は平日事故として統計処理されるわけでして、

 

サンデードライバー/エブリデイドライバーという定義すらあやふやだし、こういう統計データからの妄想はまともな感覚の人はやらないのですが…

 

統計データの分析ではなくて、統計データからの妄想になってしまっているという…
ちなみに古いデータになりますが、

(4) 違反者率
違反者率の高いのは、大型トラック運転者群で64.8パーセントに達している。次いでタクシー運転者群(58.8パーセント)、ダンプ運転者群(58.2パーセント)、危険物輸送車両運転者群(56.8パーセント)と続き、比較的大型車両の運転者群と、タクシー運転者群に違反者の割合の高いことがわかる(図3)。マイカー運転者群の場合、男性で約44パーセントとほぼ全体の違反者率の平均に近く、また女性の違反者は約19パーセントと、男性の約半分となっている。路線バスの違反者率は約30パーセントと、他に比べてきわめて低くなっている。
違反多発者(3回以上の違反をした者)の割合は、危険物車両(28.0パーセント)、ミキサー車等(27.0パーセント)、大型トラック(23.7パーセント)等の比較的大型車両の運転者群に高く、次いでタクシー(23.0パーセント)、緊急車両(22.8パーセント)の運転者グループが高くなっている(図4)。ここでも路線バスの率はきわめて低く、マイカーはほぼ平均値を示している。なお女性は男性の約1/3となっている。

しかし、違反者率は走行距離の長さに対応しており、年間走行距離で基準化した億人キロ当りの違反者数でみなおすと、専業運転者は意外と低く、むしろマイカー及び兼業運転者の方が高い(図3の破線)。マイカーは走行距離を勘案した場合は、他のいずれの群よりも違反者率が高くなる。また女性も男性の違反者率よりも高くなり、必ずしも女性ドライバーの違反者率が低いとはいえなくなる。

https://www.jsdc.or.jp/Portals/0/pdf/library/research/s56_1.pdf

見かけ上の数字を追いかけるか、実情にあわせて走行距離換算にするかの違いとも言えますが、どちらにせよ土日の事故数が平日より低いことを以て「サンデードライバーよりエブリデイドライバーが事故の原因だ」なんて語るのは暴論としか言えないし、

 

「サンデードライバー/エブリデイドライバーのどちらが事故リスクが高いかを示す統計は無い」

 

これが正解なのよ。

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統計データは「妄想」するものではない

過失運転致死傷罪の起訴率が低いことから、「過失運転致死罪はほとんど起訴されない」みたいな暴論を述べている人もいたけど、

過失運転致死傷罪の「起訴率が低い」は真実か?
読者様から質問を頂いたのですが、これはちょっとややこしいのです。確かに、法務省の統計によると令和3年の過失運転致死傷罪は公判請求が1.5%、不起訴が84%。一方、弁護士事務所のデータでは過失運転致死傷罪は70%が起訴、30%が不起訴だったと...

検察官向けの解説書には「過失運転致死罪は原則起訴」となっている。
なぜこういう誤った統計データの読み方が起きるかというと、交通事故全体、つまり「致死」と「致傷」をみたら「致傷」のほうが圧倒的多数なのであって、しかも原則不起訴(自動車運転処罰法5条但し書きによる)に該当する「致傷(軽症)」が圧倒的多数。
原則不起訴の「致傷(軽症)」が圧倒的多数、原則起訴の「致死」が相対的少数なのだから、「致死傷」全体でみたら見かけ上の起訴率が小さくなるのは当たり前の話でしかない。

 

冒頭の話については、統計データからこの人の主張に繋げるにはムリがありすぎますが、そもそもサンデードライバー/エブリデイドライバーというビッグ主語化して評価しようとすること自体が思考の偏りなのではないでしょうか?

 

本質的にはサンデードライバー/エブリデイドライバーの区別に関係なく、注意義務はあるのだから。
無理矢理ビッグ主語化して対立を煽る思考が害なのよ。

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