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そこは歩道なのか自転車道なのか?この違いは大きい。

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こちらについて質問を頂いたのですが、

撮影者が通行している部分は、「歩道」(交通法2条1項2号)なのか「自転車道」(交通法2条1項3号の3)なのか?

 

歩道であれば常時徐行義務があります。
なおこの場所には「普通自転車通行指定部分」の道路標示はありません。
普通自転車通行指定部分は標示「114の3」として、「白線+自転車マーク」となっている。

 

◯普通自転車通行指定部分

そして歩道であれば普通自転車以外は通行できない。

 

しかし自転車道であれば徐行義務はなく、普通自転車以外の自転車(側車、牽引車付きを除く)も通行できる上に、特定小型原付は時速6キロモードにせずに通行できることになる。

 

さらにややこしいことに、自転車道であれば普通自転車は「通行義務」がある。

歩道と解釈した場合 自転車道と解釈した場合
普通自転車 徐行していれば通行可能(63条の4第1項) 通行義務(63条の3)
非普通自転車 通行禁止(17条1項、63条の4) 通行可能(側車、牽引車付きを除く。17条3項)
特定小型原付 「自転車通行可」の標識があれば時速6キロモードで通行可能(17条の2) 通常モードで通行可能(17条3項)

で、結論からいいますと、ここについては「歩道」とも「自転車道」とも取れる余地があり解釈不能に陥っている。

 

まず「自転車道」の定義から。
道路交通法上の自転車道は縁石線や柵等の工作物で仕切ることのみが要件で、自転車道を示す標識は必須要件ではない

三の三 自転車道 自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。

一般的に道路交通法上の自転車道には「特定小型原動機付自転車・自転車専用」(325の2)がありますが、

定義上、自転車道の成立には標識が必須要件ではない以上、縁石線や工作物で区分されていたら自転車道になる。
さて当該道路をみてみます。

歩行者部分と自転車部分を区画しているのは縁石線なので自転車道の要件を満たすようにみえますが、一方では「普通自転車等及び歩行者等専用」(325の3)の規制が掛かっている。

「普通自転車等及び歩行者等専用」(325の3)
交通法第十七条の二第一項及び第六十三条の四第一項第一号の道路標識により、特例特定小型原動機付自転車(交通法第十七条の二第一項に規定する特例特定小型原動機付自転車をいう。以下同じ。)及び普通自転車(交通法第六十三条の三に規定する普通自転車をいう。以下同じ。)が歩道を通行することができることとすること。

歩行者部分を「歩道」、自転車部分を「自転車道」と解釈した場合、普通自転車は自転車道の通行義務(法63条の3)があるのでして、自転車道が設けられた道路では自転車は歩道を通行できないことになる。

(自転車道の通行区分)
第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。

つまり歩道+自転車道と解釈した場合、歩道に「普通自転車等及び歩行者等専用」(325の3)の規制を掛けてしまうと、63条の3とバッティングしてしまい「歩道通行できない(63条の3)のに歩道通行できる(63条の4第1項)」という支離滅裂な話になる。

 

なので公安委員会としては、当該自転車部分も歩道と捉えていると考えざるを得ない。

 

要は「構造と定義から見た話」と「標識による規制と法律の話」に食い違いが起きていて、何のことやらわからんのよね。

 

これの何が問題かというと、「自転車道」だと捉えたら普通自転車が車道を通行できないことになること。
そして徐行義務の有無もそうだし、非普通自転車が「自転車部分」を通行できるのかもわからない。
特定小型原付はどっちのモードで通行できるのかすらわからない。

 

警察の取り締まりという観点では、どのみち分かりにくいのだから間違えたとしても検挙の妥当性はないだろうけど(注意指導しかできない)、仮に普通自転車が車道通行中に事故に遭った場合、民事裁判所が「自転車道があるのに自転車道を通行しなかった過失」として自転車不利に過失認定する可能性が残る。
警察の判断は裁判所の判断には影響しません。

 

自転車ルールってこんな話ばかりで、解釈しようにも「どっちやねん」的な話が多い。
けどたぶん、特定小型原付が通常モードで通行したら切符切るんだろうな…

 

なお、「逆走」を指摘する意見が多数ありますが、歩道には「左側通行」という法律はない。
左側通行義務(17条4項)は「歩道と車道の区別がある場合には車道」とし、車道又は歩道がない道路での左側通行義務を定めているに過ぎない。

間違って「歩道逆走違反」で切符を切る警察。違反は取消に。
ちょっと前に読者様からこんなお話を頂きました。奥様が警察から「自転車の歩道逆走違反」としてイエローカード(指導警告票)を受けたとか。当たり前ですが抗議した結果、取消になったそうです。自転車の歩道逆走違反は取消に下記の一件ですが一応解決しまし...

なお、自転車道と解釈した場合でも道路左右にある自転車道は「それぞれ一の車道とする」と規定されているため、その自転車道の中でのみ左側通行義務があるものの、道路右側にある自転車道を通行することは可能。

(通則)
第十六条
4 この章の規定の適用については、自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする。

思うんだけど、いまだに「歩道逆走」と語る人が絶えないように自転車ルールなんて知らない人が多いわけよ。
それは自転車ユーザーに限った話ではない。

 

当該「自転車部分」については法律上どっちなのか解釈が困難だし、さらにいうと「歩道逆走」というパワーワードが横行するようにルールを理解してない人が多い。
それでいいんですかね。

 

ちなみにまとめた人がいるようですが、解釈としては誤り。
普通自転車通行指定部分ではない(なぜなら白線がないから)。

https://note.com/habakigi/n/nfdc3a013362f

かなり詳しい人じゃないと、この道路の解説はムリなのよ。
ただまあ、冒頭の動画の本筋は「そこ」ではないのも間違いないのよね笑。
ちなみに執務資料道路交通法解説の改訂バージョンが近日中に発売されます。
間違い解説ばかりするどこかの人にしても、執務資料をきちんと理解してから解説すれば済むのでして、執務資料は「持っていること」ではなく「理解すること」が意味をなすのよね。


コメント

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