読者様からこちらについてご意見を頂いたのですが、
もし、お求めやすい価格でロードバイクを購入するなら、カーボン、12速、油圧、電動以外で選ぶのもありだと思います。…
— GOTAL-TOKYO (@gotal_tokyo) August 20, 2025
うーん…
鶏が先か?卵が先か?

たぶん、変速性能に関わる要素としてディレーラーの性能よりもスプロケットの性能が支配的という意味で書いているのではないかと思われますが、真意はわかりません。
サードパーティのスプロケットを導入すると変速性能が落ちることはよく知られてますが、スプロケット自体の加工は変速性能に大きく関わる部分です。
エントリーグレードのロードバイクの中にはサードパーティのスプロケットになっているものもありますが、シマノスプロケットに変えるだけで変速性能が向上する場合もあります。
それに対し、ディレーラーのグレードを上げたとしても「体感上の変化が乏しい」こともわりと知られた事実。
ただまあ、ディレーラーを付けずにスプロケット直結でチェーンを付けても変速しないのは言うまでもない話。
それこそ「ディレーラーが変速させるのではない!人間がシフターを操作するからディレーラーが動くに過ぎない!」という話すら成り立つわけで、鶏が先か?卵が先か?みたいなレベルの議論になりそうな気がする。
そもそもこの発信内容、いろいろ不思議。
Di2でもきちんと調整すればパチパチ決まるし、きちんと調整しなければパチパチ決まらない。
それは機械式変速だろうと何も変わらないのでして、論点が変。
Di2のメリットは、一度調整が決まればそれ以降は調整の頻度が著しく減ること(機械式に対する相対的な話)でして、機械式変速はワイヤーの伸びに対する調整と劣化による交換が必要になる。
そりゃDi2でもケーブルが破断したら交換が必要になりますが、ワイヤー交換の頻度と比べたらリスクはかなり下がる。
Di2のメリットは「操作する人間の負担」が減るのは言うまでもないけど、むしろメリットは「きちんと調整が決まればそれ以降はメンテナンス頻度が著しく下がる点」。
チェーンやスプロケットなど消耗品の交換については、機械式もDi2も同じなので割愛します。
なお、導入コストについては言うまでもない。
機械式ディスクは油圧ディスクよりメンテナンスコストが低いか?
むしろ気になったのはこちら。
でも油圧ではなく、機械式。これであればメンテ作業のコストを抑えられます。
コスト=手間、初心者なら自分でするのではなくショップに依頼するということで考えますが、きちんと調整された油圧ディスクはオイル交換以外のメンテナンスがほぼ発生しないのでして、機械式ディスクはクリアランス調整などメンテナンス頻度は上がる(相対的に)。
油圧ディスクのオイル交換費用が高いにせよ、トータルメンテナンスコストでみるとビミョー。
単発工賃が高い油圧ディスクのオイル交換と、メンテナンス頻度が高い(相対的に)機械式ディスク(ワイヤー交換を含む)
のトータルメンテナンスコストはむしろ後者の方が高いことすらありうる。
そもそも油圧ディスクではなくあえて機械式ディスクを選ぶ理由って、ソラ完成車など油圧ディスクにしようがないものを選ぶ場合か、油圧ディスクのレバーの重量が重いことを嫌っての話になる。
レバーのようにハンドル両端、しかも「高い位置」にあるパーツの重量差はライドフィーリングに影響する可能性があり、それを嫌ってあえて機械式ディスクを選ぶ人もいます。
ただまあ、ここの人って極端な話と誤認が散見されるのでして、以前、「油圧ディスクにメンテナンスが発生しないなんてウソだ!」と発狂してましたが、
「電動変速+油圧ディスクブレーキはキチンと組まれていればメンテナンスは発生しない」というTLが流れてきた。結構な数の人読んでリツイートしてるし、いいねも押されている。でもねメンテは必要です!!オイルは最低でも年に1回は全交換が必要。ピストンのクリーニングもある。やることはある!!メン…
— GOTAL-TOKYO (@gotal_tokyo) June 5, 2025
しかし元ネタをみると、「ほとんど発生しない」。
「機械式+リムブレーキのほうがメンテナンス性が良い」というのは、メンテナンスするときは確かにそうかもしれないが、電動変速+油圧ディスクブレーキはちゃんと組まれてさえいればそもそもほとんど調整やメンテナンスが必要なシーンが発生しないという…。
— 野洲 (@v_x_r_s) June 4, 2025
「ほとんど発生しない」を「発生しない」と読み間違えてましたよね…
元ネタ発信が意図した内容を全く理解してないわけですが、油圧ディスクにしてもDi2にしても、最大のメリットは「最初にきちんと調整が決まれば、それ以降のメンテナンスはほとんど必要がない(ほとんどというのが相対的であるのは言うまでもない)」という点なのよ。
機械式はワイヤーで引っ張る以上、微調整が必要になる。
この件にしても、読み間違いなのか、そもそも理解してないのかはわかりかねますが…たぶん冒頭のご意見にしても言葉足らずだから意味不明になっているだけなんじゃないでしょうか?
Di2にしても油圧ディスクにしても、機械式に比べたメリットはあまり理解されてない気がする。
「メンテナンスフリー」と書くとまた発狂されかねないので、「メンテナンスほぼフリー(ただし最初にきちんと調整された場合に限る。オイルを含む消耗品の交換は別)」というのがDi2や油圧ディスクの最大のメリットなのよね。
けど「メンテナンスはほとんど発生しない」と発信したのに、「メンテナンスは発生しない」と発信したことにされるのはなかなかヤバい。
SNSの問題点って、気軽に発信できるからきちんと読まずに発狂してしまう人が一定数いることなんだと思ってますが…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
論点ズレてしまいますが…
油圧ディスクのピストンが戻らないとかなんとか、di2の文鎮化、などなどのヘヴィな不具合の話を聞くと、二の足踏んでしまいますね。
かと言って機械式で油圧ディスクだとハンドル周りが重いとかなんとか。
結局業界全体のディスク化が進む以上、ある程度のバイクがdi2化を前提にしていくと思うと、あまり選択肢はないのかもしれませんけどね。
コメントありがとうございます。
何を選んでもネガティブな面は必ずあるので、ポジティブとネガティブのバランスで考えるしかないでしょうね。