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信号無視の自転車と無過失。

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こちらで書いた件についてご意見を頂いたのですが、

確かにクルマ対クルマの赤信号無視事案は、赤信号無視した四輪車に100%の基本過失割合が設定されているのに対し、対歩行者や対自転車では青信号のクルマにも基本過失割合が20~30%設定されている。

で。
判例タイムズなど解説書によると、このような基本過失割合が設定されている理由は、「クルマに前方不注視等の安全運転義務懈怠が認められることを前提にしており、直近横断のように回避可能性がなくクルマに安全運転義務懈怠が認めれない場合には無過失もありうる」みたいな解説になっているのよね。

過失相殺は理不尽なのか?
自転車や歩行者が赤信号無視してクルマと衝突した場合の過失割合についてご意見を頂きました。確かにクルマ対クルマの赤信号無視事案は、赤信号無視した四輪車に100%の基本過失割合が設定されているのに対し、対歩行者や対自転車では青信号のクルマにも基...
読者様
読者様
知人が運転中に信号無視の自転車と衝突した事故がまさにこれで、0:100でした。
ただし自賠責保険分は支払われたそうです。保険会社が相手に対して「自賠責保険分は面倒みるが、それを越える分は支払わない」と突きつけて相手が納得したそうな。

一応理屈の上では、こういうのも基本過失割合が想定する態様とは異なることになる。

https://x.com/max358japan2/status/1583549038506307584

要は交差道路を進行するクルマからしたら、予見可能性も回避可能性もないのよね。
前方不注視があるようにも思えないので、「過失があることを前提にした基本過失割合」が適用されない事案といえる。

 

ただまあ、相手が納得せず裁判になるほうが面倒だからと10:90とかで示談することもあるかと。

 

基本過失割合はなぜそのような数字を設定しているかは、別冊判例タイムズ38号などにも書いてありますが、


右直事故なら必ず右直事故の基本過失割合からスタートするわけじゃないし、信号無視なら必ず基本過失割合からスタートするわけではない。
そういうことを理解すると、そこまで理不尽な世界とも言えないのよね。

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