こちらの件。

大手チェーンメーカーのKMCはこのようにアナウンスしてますが、
KMC国内代理店、MAGIC ONE
基本的に超音波洗浄機の使用はおすすめしない。
チェーンピンとローラー間のオイルが抜けて空気が入ると、オイルの再注入が困難になるため。
一度抜けたオイルを戻すには再度、超音波洗浄機で処理するか10日以上オイルに浸ける必要があるとのこと。 【立川東大和】約1万円の投資と少々の手間で走りが変わるカスタム | 東大和で自転車をお探しならY's Road 東大和店MUC-OFFLUDICROUSAF50ml¥9,999税込み先日発売された世界一お高いチェーンルブこのルブの特徴、性能は周知のとうりであります。 性能を最大限引き出す使用方法以下そのまま引用します。1.ルブを塗…
メーカーはリスクを第一に考えるので、「10日以上」というのは確実にチェーンピンとローラーの間にオイルが浸透するために必要な時間と思われ(「確実に」というのはメーカーが考えているオイル必要量と考えられる)、現実にはそこまでの時間を要しなくても大丈夫なケースはあるでしょう。
けどそもそも、KMCはディグリーザーの使用を禁止しているのよね。
DO NOT dip your chain in (aggressive) degreasers – they remove the remaining grease from the chain’s parts, and may cause cracks.
チェーンを(強力な)ディグリーザーに浸さないでください。チェーンの部品に残っているグリースが除去され、ひび割れが発生する可能性があります。
Maintenance Step 2: Cleansing - Learn- KMC
メーカーは素人の作業については信用しないので、ディグリーザーを使った後にきちんと注油出来てないのにチェーントラブルが起きることを懸念する。
で。
某ケミカル屋が「チェーンルブにどぶ浸けするのは効果がある」という発信をしてましたが、
要は通常の手挿し注油よりもどぶ浸けしたほうが十分な注油になることを示唆しているのよね。
手挿し注油では不十分(もちろん大前提として脱脂したチェーンであることは言うまでもない)という意味でもある。
超音波注油にしてもどぶ浸け注油にしても、かなりのオイルを消費するのであまり現実的とは言いがたい。
ただまあ、ホットワックスなんかはまさに「どぶ浸け」なのよね。
チェーンメーカーは様々なチェーントラブル事案を経験し、その集大成としてこのようなアナウンスをしたと思われますが、超音波注油は加熱により粘度を下げる効果のみならず、気泡を追い出す効果でチェーンピンとローラーの間に浸透させているというのが正しいかと。
ところで、超音波注油が効果的だとする様々なデータについて某ケミカル屋が否定的見解を述べてますが、
よくわからないのは、そんなにごちゃごちゃいうならケミカル屋自身が「手挿し注油」「どぶ浸け注油」「超音波注油」で比較対照実験をすれば済むのである。
けど、持論に反し「超音波注油が最も効果的」というデータが出たら困るんだろうなあ…
けど普通に考えると超音波注油が最も効果的なのは明らかでして、問題は「どの程度の差になるか」と「費用と手間をかけてまで超音波注油するメリットはあるか」になる。
ちなみにですが、手挿し注油でも注油後に一晩くらい寝かせた方が効果的。
超音波注油までしたい人がいるなら止めませんが、
KMCのアナウンスに対し、どこかのケミカル屋は直接クレームを入れるのだろうと予想され、メーカーって大変だよなと同情してしまう。
なにせディグリーザー禁止というのは公式アナウンスなのだし、某社にはクレーム入れながら他社にはクレーム入れないみたいなダブルスタンダードな人とは思いたくないし。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。



コメント
乾燥や気泡(オイル内も)を追い出す効果が目的なら、真空チャンバーが出てきても良いのに話題にならないのなんでだろ~
(費用と設備の大きさと手間かな)
どぶ浸け注油が流行って、シマノの内装ハブオイル同様に1Lになるんは嫌!
コメントありがとうございます。
真空バキューム口技というのがあるらしく、気持ちいいらしいですよ。
何の話かはわかりません。