ロードバイクに乗るときに、音楽を聴きながら乗りたいという人もいます。
イヤホンは違法だとか、骨伝導ならOKとか、いろんな情報がネット上にありますが、実際のところ正しいことは何なのか、わかっていない人も多いようです。
ロードバイクに乗るときに音楽を聴きながら乗るのは違法なのでしょうか?
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法律上の話
実際のところ、道路交通法には【イヤホンは禁止】とか【骨伝導はOK】などとは一切書かれていません。
このあたりを書いているのは、各都道府県による【道路交通法施行細則など】というものになります。
なので都道府県によって扱いが違うわけですが、まずは各都道府県の条文を見ていきましょう。(2018年11月現在)
北海道 | 高音でカーラジオ等を聴き、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽を聴くなど安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で、車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホン又はヘッドホンを使用するときは、この限りでない。 |
青森 | 道路において、ヘッドホン等を使用し大きな音量で音楽等を聞き、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で自転車を運転しないこと |
秋田 | 道路において、携帯電話用装置を通話若しくは操作のため使用し、同装置の画像を注視し、傘をさし、若しくは物を持つ等安定を失うおそれのある方法又はヘッドホン若しくはイヤホンを使用して両耳をふさぐ等周囲の音が十分に聞こえないような状態で自転車を運転しないこと。 |
山形 | 条文見つからず。ただしこちらにはイヤホン・ヘッドホンは使用禁止とあります。 |
岩手 | 携帯電話等を使用した状態(携帯電話等を手で保持することなく、かつ、その映像面を注視することなく使用することができる場合を除く。)又はヘッドホン等を使用して安全な運転に必要な音若しくは声が聞こえないような状態で自転車を運転しないこと。ただし、公益上やむを得ない場合は、この限りでない。 |
宮城 | 高音量でカーラジオ、カーステレオ等を聞き、ヘッドホン又はイヤホンを使用して音楽を聞くなど、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にヘッドホン又はイヤホンを使用するときは、この限りでない。 |
福島 | 高音量でカーラジオ等を聞き、又はイヤホン、ヘッドホン等を使用して音楽を聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声を聞くことができないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指命を受信する場合にイヤホン等を使用するときは、この限りでない。 |
群馬 | 音量を大きくしてカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞くなど安全運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的に関する指令を受信するためにイヤホーン等を使用する場合は、この限りでない。 |
茨城 | イヤホン又はヘッドホン(以下この号において「イヤホン等」という。)を使用して音楽等を聴くなど安全な運転に必要な音又は声が聞こえないような状態で自動車,原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。ただし,難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホン等を使用するときは,この限りでない |
栃木 | 音量を大きくし、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽を聴く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者がイヤホン等を使用して当該目的のための指令を受信する場合は、この限りでない |
埼玉 | 高音でカーラジオ等を聴く、イヤホーン等を使用してラジオ等を聴くなど安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。 |
千葉 | 車両を運転するときは、音量を上げ音楽を聴く等安全な運転に必要な音声が聞こえないような状態にしないこと。 |
東京 | 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。 |
神奈川 | 大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと |
山梨 | 高音でカーラジオ、ステレオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してそれらを聞くなど、安全運転に必要な外部の音声が聞こえない状態で車両を運転しないこと。 |
石川 | カーラジオ等を聴き、又はイヤホン、ヘッドホン等を使用して音楽等を聴き、安全な運転に必要な音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。 |
富山 | 大きな音量でカーラジオ等を聞き、又はイヤホン、ヘッドホン等を使用して音楽等を聞き、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合、又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令等を受信する場合にイヤホン等を使用するときは、この限りではない。 |
長野 | イヤホーン等を使用し、又は高音でラジオ、カー・ステレオ等を聞くなど安全運転に必要な 交通に関する音声が聞こえない状態で車両を運転しないこと |
静岡 | カーオーデイオ等で大音量を発し、又はヘツドホン等を使用して音楽等を聞くなど安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にヘツドホン等を使用するときは、この限りでない。 |
すみません、ちょっと疲れてきたので一旦ここで終了w
気が向いたら全都道府県制覇します。
表現の違いはあれ、挙げた都道府県についてはほぼ同じ条文のようです。
山形県については条文が見つかりませんでしたが、広報資料にはイヤホン・ヘッドホンの禁止と謳ってあります(山形県のHPでは、周囲の音が十分聞こえないような状態にすることが違反とあります)
ほぼ共通していることとしては、安全に必要な音や声が聞こえない状態にすることは違反という定義で間違っていないと思われます。
周囲の音が聞こえるかどうかが問題
法令上は、イヤホンやヘッドホン自体がダメというわけではなく、イヤホンやヘッドホンを使っていて周囲の音が聞こえない状態ならアウト、という運用になっています(少なくとも、上で挙げた自治体については)。
さて、イヤホンやヘッドホンを使いながらも、周囲の音が聞こえているかどうかをどう判断するかという話です。
これは実は簡単で、警察は自転車に乗りながら音楽を聴いている人に対して、声を掛けて呼び止めます。
この際に聞こえていなかったらアウト、きちんと止まって話を聞けば注意どまりという運用が多いようです。
交差点で信号待ちをしているときに、警察が後ろから【そこの自転車のオニイサン!】と声を掛けて、振り向かなかければアウトです。
骨伝導だからセーフとか、イヤホンだからアウトという運用はしていないと思われます。
ただし警察のほうも声を掛けるときは、見た目で分かりやすいほうに声を掛けますよね。
一番わかりやすいのはヘッドホンでしょうし。
ちなみに片耳ならOKだという情報もネット上にありますが、挙げた自治体では片耳ならOKという条文は一つもありません。
しかし、挙げた自治体にお住まいの方でも、警察から【両耳はやめてください。片耳にして】と言われたという人の話も聞いたことがあります。
恐らくですが【きちんと外部の音を判別できるように】ということで、警察がそのような指導をしている可能性はありますが、本来は条文を読む限りではそのような記載はありません。
ロード乗るならやめておくことを推奨
個人的には、ロードバイクに乗る上ではいかなる手段であっても音楽はやめておいたほうがいいと思います。
理由はいくつかありまして、以下のことです。
ママチャリと違って車道を走るから
ママチャリは歩道を走っているのが多いですが(それの賛否は置いといて)、ロードバイクは車道を走っています。
車道を走る上では、後ろから来る自動車の走行音なども安全性を回避するための重要な手段です。
後ろから大型車が迫っているときに気が付かないのと、気が付いているのでは安全面では結構違います。
急に追い抜きされて怖い思いするよりも、大型車が迫っているからもっと左によって追い抜きしやすいようにしようとか、危ないから一度歩道に乗り上げて先に行かせようとか、出来ることはいろいろあります。
集中力が落ちるから
前にどこかの大学教授が出した実験データですが、音楽聞きながら走行すると集中力が落ちるというのを見たことがあります。
ただし真逆の実験データも見たことがあるので、何とも言えません。
メカトラブルに気が付かない可能性があるから
ロードバイクは簡単にスピードが出る自転車ですが、シンプルな構造になっていて、余計なものが付いていないというのも特徴です。
ロードバイクで走っているときのメカトラブルですが、初期状態で起こることが多いのは異音です。
それも微細な異音。
放置していても問題ない異音もありますし、ただちに事故につながるとは言い難い異音もたくさんありますが、異音発生なら多くの人はちょっと止まった時に確認したりすると思います。
そういう微細な異音には、音楽を聴いていると聞こえない可能性が高いです。
個人的には走行中に異音が発生した場合、必ず止まって確認します。
最低限、すぐに危険な状態になるかどうかの確認はしてからじゃないと怖くて乗れませんし。
あまり起こることではありませんが、走行中にリムが壊れたら、それが原因でパンクになってしまうこともありますよね。
なので異音には気を遣うべきなのです。
イヤホン、ヘッドホン、骨伝導、スピーカーどれもオススメしません
もしイヤホン、ヘッドホン、骨伝導、スピーカーのどれかを選ばなきと行けないとしたら、仕方ないですが骨伝導にすると思います。
私はどれも使いませんが。
イヤホンとヘッドホンは、外部の音を遮断する可能性が高いのでロードバイクには向きません。
骨伝導については外部の音を遮断しにくいとされていますのでまだマシです。
問題なのはスピーカーを搭載して聴くことで、これについては周りが迷惑に感じるのでオススメしません。
過去に数回、サドル後方かなんかにスピーカーを付けて走っている人を見たことがありますが、後ろでそこそこ離れていてもうるさいです。
オートバイなどで音楽ガンガン鳴らしているのも好きになれませんが、ああいうのも迷惑に感じる人もいると思うので、やめたほうがいいと思うんですね。
上で挙げた都道府県については、イヤホンなどの仕様自体がNGではなさそうですが、安全面を考えた場合、音楽聞きながらのロードバイクはオススメしません。
そんなわけでアンケートです。
- 聴いてない 86%, 546 votes546 votes 86%546 votes - 86% of all votes
- 時々聴いている 9%, 56 votes56 votes 9%56 votes - 9% of all votes
- 聴いている 5%, 32 votes32 votes 5%32 votes - 5% of all votes
- 聴いてない 81%, 490 votes490 votes 81%490 votes - 81% of all votes
- 骨伝導 6%, 38 votes38 votes 6%38 votes - 6% of all votes
- イヤホン 4%, 23 votes23 votes 4%23 votes - 4% of all votes
- スピーカー 3%, 19 votes19 votes 3%19 votes - 3% of all votes
- むしろ自分で歌っている事がある* 3%, 18 votes18 votes 3%18 votes - 3% of all votes
- スマートフォン* 1%, 8 votes8 votes 1%8 votes - 1% of all votes
- オープンイヤーイヤホン* 1%, 7 votes7 votes 1%7 votes - 1% of all votes
- 脳内自動ジュークボックスを使う* 1%, 4 votes4 votes 1%4 votes - 1% of all votes
- イヤーカフ型イヤホン* 0%, 1 vote1 vote1 vote - 0% of all votes
- ヘッドホン 0%, 0 votes0 votes0 votes - 0% of all votes
こちらのアンケートは選択肢の追加が可能です。
- 見たことがない 43%, 277 votes277 votes 43%277 votes - 43% of all votes
- 何とも思わない 16%, 104 votes104 votes 16%104 votes - 16% of all votes
- うるさいのでなるべく離れる 15%, 97 votes97 votes 15%97 votes - 15% of all votes
- 頭おかしいんじゃないか* 14%, 88 votes88 votes 14%88 votes - 14% of all votes
- 死んでしまえ。* 4%, 24 votes24 votes 4%24 votes - 4% of all votes
- オモロイ人だなあ* 4%, 23 votes23 votes 4%23 votes - 4% of all votes
- 危ないな~* 1%, 9 votes9 votes 1%9 votes - 1% of all votes
- 転んで怪我をして痛い目に遭え* 1%, 8 votes8 votes 1%8 votes - 1% of all votes
- 夜中に土手沿いを走ると時、怖いから携帯のスピーカーから聞いてます。* 1%, 7 votes7 votes 1%7 votes - 1% of all votes
- 山での熊よけにはありかも。* 0%, 3 votes3 votes3 votes - 0% of all votes
- 条例でイヤホン禁止が明示されている地域で付けるな* 0%, 1 vote1 vote1 vote - 0% of all votes
こちらのアンケートは選択肢の追加が可能ですが、長文にならないようにお願いします。
お暇なときにお付き合いください。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自転車に乗る時だけでなく、ジョギングやウォーキングの時も屋外でイヤホン等を使って音楽を聴くというのは良いことと思えません。
記事中にあるように、骨伝導であっても注意力散漫になるので周囲の音が聞き取りにくくなります。犯罪被害に会う可能性も考えないといけません。