先日書いた、スプロケの洗い方についての記事について、コメントいただきました。
http://roadbike-navi.xyz/archives/7837
これについてちょっと補足して説明します。
記事の内容とコメント
記事の内容を大雑把に書きますと、こんな感じです。
・スプロケはホイールから外して洗ったほうが綺麗になる
・スプロケをホイールから外さずにディグリーザーやパーツクリーナーを使ってジャブジャブした場合、ハブに浸水してグリス切れやオイル切れを起こす可能性がある
・それらをグリスアップもしくはオイルアップするなら、どうせスプロケ外さないと出来ないのだから、それなら最初からスプロケ外して洗ったほうがよい。
頂いたコメントはこちらです。
自分は毎週フィルタークリーナーでジャブジャブスプロケ洗いますけどそんなにすぐにはグリス切れとか無いですよ。
あともっと水洗車を広めてください。
パークリ染み込ませたウエスでいくら拭いたってきれいになるのはたかが知れてて、よく水洗車の動画などでこれはプロのすることで〜とか書いてありますけどちゃんと後始末かできるのなら圧倒的に水使ったほうが良いです。
あなたはどう思いますか?
これについて補足して説明します。
ちゃんと後始末できるならどうぞ
頂いたコメントそのままで、結局は水をジャブジャブ使っても、ちゃんと後始末できるならそれでいいと思います。
ただし、この後始末と言うのがちゃんとできるのかというほうが問題でして。
私は現状、マヴィックのホイールしか使っていません。
私も以前は水をぶっかけしてジャブジャブやっていましたが、マヴィックの従来の二つ爪のラチェットハブの場合、水をジャブジャブすると明確にラチェット音が大きくなります。
正確には、即座にラチェット音が大きくなるわけではなくて、数日後に乗ってみると明確にラチェット音が大きくなっています。
マヴィックの場合、フリーボディにはグリスではなくオイルを使うのですが、マヴィックでラチェット音が大きくなると言うのは、オイル切れのサインです。
ラチェット音が大きくなる=メンテしろ!というサインです。
マヴィックの場合、フリーボディのシール性はここにあります。
フリーボディの白い樹脂部分と
わかりづらいですが、ハブ体の一番奥に嵌っている黒いゴムシールです。
正直他社だとシール性がどうなっているか知りませんが、少なくともマヴィックではここについては浸水に弱いです。
もちろんですが、ベアリングについては別にシールがあります。
他社ホイールでも、ジャブジャブやって全く影響なしということは正直考えにくいです。
構造的にはどこのメーカーもシールで浸水を防ぐわけですが、100%防ぐわけではありませんし。
なので程度問題はあるにせよ、グリスやオイルに全く問題が出ないとは言えません。
要はその程度問題をどこまで許容できるかという話と、問題が起こった場合にきちんとグリスアップなりオイルアップできるかという話です。
スプロケつけたままパーツクリーナーやら水をジャブジャブやって洗うのもいいんですが、その後にハブの回転がおかしくなったからグリスアップなりオイルアップしようと考えた場合、結局はスプロケ外してフリーボディを分解するわけです。
そんなことするなら、最初からスプロケを外して、スプロケだけにジャブジャブやったほうが綺麗になるのは明白ですので、それなら最初から外して洗ったほうがいいと思うのですが・・・
ハブ周りに水かけまくって、その後から回転がおかしいという話は時々聞きます。
今回コメントいただいた方がどのようにやっているのかわかりませんが、たまたまハブに浸水しにくい方向で作業している可能性もありますし、ここについてはわかりません。
しかしトラブル起こしかねない作業であることは間違いないので、それならスプロケなんて外して洗ったほうがいいと思っています。
スプロケ外すのがイヤとか面倒なら、トラブル防止のためにウェスで拭く程度のほうが絶対にいいです。
というのも、こういうサイトでいろいろ説明する場合、どこのホイールを使っているのかもわかりませんし、読んだ人がどう捉えて作業するかも想像がつきません。
カンパニョーロでも、シロッコにシクロ用にシールが強固になったモデルがあったと思いますが、そういうホイールなら浸水に強いのでしょう。
コメントいただいた方のホイールが何なのかわかりませんが、実際には水に弱いホイール(ハブ)もあるので、一概に【水洗いマンセー!】とは言えないわけです。
後始末さえ出来ればいい、そのとおりなんですが、その後始末についてみんなが出来るとは限りませんし、ホイールによって後始末の方法も違います。
また後始末がそれほど不要なホイールもあれば、マヴィックみたいにきちんと後始末しないとおかしくなるホイールもあるわけで、それらをカバーして書くと最初の記事のようになるわけです。
水洗い系の動画が増えている気がしますが
ここ最近、水洗いを推奨している動画が増えているような気がしていました。
ワコーズなんかも水洗いを推奨しているようですね。
私の意見としては、その後始末さえきちんとやり遂げることが出来るのならば、水洗いは否定しません。
どうもユーチューブなんかの動画を見る限り、そういう後始末まで触れていないように感じていたので、私はそういう動画をみてマネするのは危険だと思っています。
プロが水洗いする理由ですが、そのほうが早いからです。
プロチームだとメカニックが選手全員分のバイクを何とかしないといけないわけです。
そしてそのほうが外見は綺麗になるというメリットもあります。
ただし、例えばですがあらゆるケミカル類って、塗装にも影響を及ぼします。
完璧に水を追い出すことができるのかという話にもなるわけで、完璧に出来るという方は水でいいと思います。
私も前は水でジャブジャブ洗ってましたが、いろいろ思うところがあり、この2年くらいは水洗いしていません。
これは塗装に詳しい人に言われたこともありますが、やっぱよろしくはないそうです。
プロ選手とかだと、一年で機材も変えてしまうでしょうから、好き放題メンテナンスすればいいのです。
またプロ選手だとバイク自体を見せることも仕事ですので、綺麗なロードバイクを見せたいという事情もあるでしょうし。
一般ユーザーは毎年買い換えるなんてほとんどの人が困難です。
一年でも長く使いたいと思う人も多いと思うのですが、それを突き詰めていった場合、今のところ私は水洗い否定派です。
ある程度はちゃんと後始末できますが、完璧には出来ない、というより完璧に後始末するのがあまりに面倒というほうが正解かもしれません。
きちんと後始末出来る人であれば、水をジャブジャブかけて洗浄しても特に問題はありません。
ただし後始末に結構やることが多いということは覚えておいたほうがいいと思ってます。
それこそ、フレームにジャブジャブ水掛けた後、ボトルケージ穴のボルトとかまで気を付けないと錆びやすくなりますし。
私もチェーン洗浄でディグリーザーを使った後に水で洗い流しますが、ジャブジャブかけるわけではありません。
チェーン洗浄機に水入れてグルグル回す程度です。
まあ、チェーン洗った後にスプロケ外してスプロケ洗い、ハブのオイルアップまでしていますので、ジャブジャブかけてもいいんですが。
あともう一つ。
本気で綺麗にしたいなら、全部分解してやったほうがいいです。
ショップではフルオーバーホールという形でやっていることもありますが、そういう場合も基本は水を使わないそうです。
フルオーバーホールはショップによって値段は違いますが、だいたい3万円くらいかかるのが相場です。
消耗品の交換が必要な場合は別にかかります。
3万円かけて、ほぼすべてバラバラにして、それぞれを洗浄&グリスアップしてくれます。
BIKE HAND(バイクハンド) YC-501A/YC-126-2A SET シマノ(ロックリング)スプロケット 取り付け/取り外しセット
売り上げランキング: 748
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント