インターマックス社が、ZIPP303の新旧モデルを比較して、フックレスリムの効果について説明しています。
旧型は通常のフックリムで、新型の303 Firecrest Tubeless Discはフックレスリムとして登場したわけですが、ロードチューブレス規格は今後どこに進むのでしょうか?
ZIPP 303 Firecrest Tubeless Disc
旧型303はフックリム、新型303はフックレスリムですが、インターマックスでは新型のフックレスリムの優位性を説明しています。
【フックレスリムの効果】-転がり抵抗について-
画像は新旧303 Firecrest Tubeless Discのリム断面図の比較。
左が旧モデルで右がフックレスの新モデルです。
同じ28mmタイヤを履いて55psiの空気圧で45kgの荷重をかけると、旧モデルは新モデルに対して"10%以上タイヤの潰れが"大きくなります。 pic.twitter.com/qV89B1xIAD— InterMax (@intermaxcycling) June 5, 2020
フックレスリムのほうがリム内径を広く取れるため、荷重がかかった際のタイヤの変形量を抑えることが出来るというものですね。
サイドウォールの変形量が少ない分、転がり抵抗を低くすることが出来るというもの。
どちらも同じ28mmのタイヤを履かせていますが、新型303は段差を迎えても大きく跳ねることなく路面とのトラクションが掛けられるため、時速32km走行時に必要なパワーを約35Wも抑えることが出来ます。https://t.co/cNJq9PfCR9
— InterMax (@intermaxcycling) June 5, 2020
フックレスリムのほうが、段差でも大きく跳ねることがないので、時速32キロで走行時、35ワットも必要なパワーを抑えることが出来るとしています。
これでフックレスリムが常に優れている・・・というほど、単純な話でもないのがややこしいところでして。
フックレスリムの問題点
昨年登場した、ジャイアントのCADEXもフックレスリムです。
フックレスリムの場合、通常のチューブレスタイヤが使えません・・・
リム(ホイール)メーカーが指定したフックレスリム対応のチューブレスタイヤ以外は使えないというのが、最大の難点。
新型ZIPP303も、推奨タイヤはTangente Speed RT28 Tubeless。
他社チューブレスタイヤについては、今後適合性を確かめて発表されるっぽいですが、どうなんでしょうかね?
シクロワイアードの記事では、チューブを入れてクリンチャー化は推奨しないが、パンクしての応急処置なら可と書いてあるんですが。
ジャイアント傘下のCADEXについては、CADEX・ジャイアントブランドの認定タイヤ以外は適合しないとなってます。
ということは、フックレスリムの問題点としては、使えるタイヤがかなり限定されるというところに尽きます。
その昔、クリンチャーリムで無理矢理チューブレス化する人もいましたけど、細かいこと気にしない人だと、適合外のタイヤとかでも試すんですかね?
ちょっと怖くて私には無理ですが・・・
ほかにフックレスリムというと、ENVEですね。
ZIPP303もそうなんですが、チューブレスでフックレスリムだと、低圧での使用が前提となってます。
ロードチューブレスはどこへ行く
ロードチューブレスは一旦廃れかけていたものを、数年前にMAVICがUSTとして人気を出そうとして、今は各社ともに力を入れている分野と言えます。
特にディスクブレーキ車でワイドリム&チューブレス(レディ)のホイールはかなり増えてきた印象。
その一方、先日発表された、ROVALのRAPIDE CLXとAIPNIST CLXについては、チューブレス非対応(クリンチャーオンリー)だったりする。
チューブレス&低圧運用で押している業界に対して、クリンチャーのほうがいいぜ??と反撃しているとも言えるわけで。
フックレスリムだとどうしても適合タイヤが限られる=使いタイヤがない可能性、もあるので、敬遠する人もいるということなのか・・・
どちらにせよ、ロードチューブレスは決まった規格があるわけでもないので、CADEXみたいに自社ブランド以外は適合外とするブランドもあったり、今後も規格が乱立する恐れもあったりする。
BBの規格論争で、様々なBB規格が生まれたのと同じような話かもしれませんね。
一時期やたらと増えたBB30規格のフレームも、いまや・・・
ロードチューブレスの規格が統一されて、どのメーカーのものでも組み合わせOKだよ!という日は来るのでしょうか?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
こんにちは
フックレスはブースター付きのフロアポンプでもビードが上がらないという話を目にしました
性能や乗り心地はいいのかもしれないですが、ユーザーフレンドリーでは無い気がします
選択肢が増えることはいいことですが、混乱させないようにお願いしたいですね
コメントありがとうございます。
ユーザーフレンドリーではないというか、規格の乱立だけは勘弁して欲しいところですよね。
フックレスリムに関しては、チューブレスにおける、従来のチューブラーの立ち位置と言いますか、そういう感じの認識ではありますね。
扱い難い側面はあるものの性能は良い、みたいな。
ロードバイク界隈では新規格でも車やオートバイは従来フックレス、なんて言われても、そもそも空気圧が段違いですし。(その点については各メーカーリム内径を広くして空気圧を安全域まで下げられるような工夫をしていますが……)
少なくとも現状でフックレスリムでもある程度安心して使えるのはENVEだけですね。ENVEはタイヤの適応表を開示してるので、まだ安心感があります。ZIPPもそうなってくれれば……。
とはいえ、他の方も仰っているように、ビード上がらない問題は大きなマイナスですね。いざ使っていてパンクしたら一巻の終わり、は一般ユーザーには到底受け入れられませんし。
コメントありがとうございます。
正式な適応表は欲しいところですよね。
ZIPPも、正式にはZIPPタイヤ以外はダメなんでしょうか???
ロードチューブレス、今のところ盛り上がっているのか、混乱させるキッカケにしかなってないのか、怪しいところです。