先日の記事。

この質問者さんから、早速お返事頂いてました。

先週は、平地で下ハンドルに持ちかえる練習を先ずは行ってみました。平地でも持ちかえるのに躊躇する瞬間がありましたが、仰る様にブレーキの掛けやすさを実感できました。ただ、下ハンドルからブレーキレバーまでの遠さなのか、角度なのかこれが適正な位置なのかがわかりませんでした。
その後、比較的斜度の低い下りで練習もしてみましたが、以前よりも軽い力でブレーキが掛けられるため、過度のブレーキにより何度かリアがロックし、落車までは至りませんでしたが、横滑りしてしまいました。。。周りに誰もいなかったのが幸いです。ブレーキに関しては、繊細さが必要だと改めて感じました。。。もう少し、平地での練習をしてみたいと思います。
視点に関しても、曲がり角の先を見るようにすると自転車がその方向に向かうといいますか、以前よりも曲がりやすいような気がしました。道路車線内側への膨らみ、アンダーも前回よりはよくなった気がします。
ブレーキもコーナー手前で完了させ、曲がれると思う速度(あくまで自分の判断なので落としすぎもあるかもですが)まで落としていくことで、以前よりも安全に曲がれている気がします。今回は、会社の後輩を引っ張り出し、後方からGoproで撮影してもらいましたので、何度も見直しています。
8の字は今週末に自宅の庭で練習してみます!狭いですが、バランス感覚の練習に良さそうだなと思いました。
直接メールでも返信していますが、一点書き忘れたこともあったので、こちらから。
Contents
下ハンドルからブレーキが遠い
多くのショップでは、お客様とのフィッティングはブラケットポジションで行うと思うのですが、それだけだと下ハンドルを持ったときにブレーキレバーが遠く感じる場合があります。
そんなとき、ブレーキレバーのリーチアジャスト調整を行います。
リーチアジャストを調整すると、ブレーキレバーとハンドルの距離を変えることが出来る。
リーチアジャスト機能は、要はハンドルとブレーキレバーを近づけたり遠くしたりする機能。
まずはリムブレーキのほうから。
リムブレーキのリーチアジャスト
R9100、R8000、R7000のリーチアジャスト
https://si.shimano.com/api/publish/storage/pdf/ja/dm/RACBR01/DM-RACBR01-03-JPN.pdf
基本シマノの場合、レバーのどこかにリーチアジャストの調整装置が付いてます(最近のモデルなら)。
R9100デュラではマイナスドライバー、アルテと105は2mmのアーレンキーになってます。
どのシリーズでもほぼ共通ですが、
・時計回りに回す ⇒ 握り幅が狭くなる(ハンドルとブレーキレバーが近づく)
・反時計回りに回す ⇒ 握り幅が広くなる
これは共通です。
あと古いタイプのSTIの中には、リーチアジャスト機能が無くシムを噛ませて調整するのもあったはず。
あと当たり前の話ですが、ブレーキレバーを完全に握りきった状態で、レバーがハンドルに接するならやり直しです。
ブレーキが効かなくなってしまいますので。
9000、6800、5800、4700のリーチアジャスト
https://si.shimano.com/api/publish/storage/pdf/ja/dm/ST0002/DM-ST0002-05-JPN.pdf
9000(デュラ)と6800(アルテ)はマイナスドライバーで調整。
5800(105)と4700(ティアグラ)は2mmアーレンキーです。
こちらは5800(105)のSTIですが、
カバーをめくったところにあります。
無段階で調整可能。
R3000,R2000のリーチアジャスト
ソラとクラリスについても同様で、カバーをめくって2mmアーレンキーです(手抜き感)。
シマノのHPから探せば見つかりますので割愛。
ディスクブレーキのリーチアジャスト
ディスクブレーキ用STIは品番が多いので、結構ややこしいところ。
品番の末尾が【20】になっているのはノーマルSTI。
末尾が【25】になっているのは、手が小さい人向けのショートリーチSTI。
デュラのみ【25】がありませんが、アルテ、105、ティアグラはショートリーチバージョンがあります。
完成車の場合、フレームサイズが小さいものには【25】のショートリーチSTIが付いていることが多くなってきました。
R9120(デュラ)、R8020(アルテ)の場合
https://si.shimano.com/api/publish/storage/pdf/ja/dm/RADBR01/DM-RADBR01-07-JPN.pdf
ディスクブレーキ用STIの場合、デュラとアルテにはフリーストローク調整機能と、リーチアジャスト機能の両方が付いています。
フリーストローク機能は、要はブレーキレバーの遊びのこと。
ブレーキレバーをわずかに握ってすぐにブレーキが掛かったら怖過ぎると思いますが、フリーストロークは【握り始めてからブレーキが掛かるまでの遊び】のことです。
シマノのマニュアルでは【空引き量】となっています。
デュラとアルテはまずこのフリーストロークを調整して、それからリーチアジャストでレバーとハンドルの距離を近づけます。
デュラ(ST-R9120)とアルテ(ST-R8020、R8025)のリーチアジャストですが、ほかのシリーズとは回す方向が逆なので注意。
・時計回りに回す ⇒ 握り幅が大きくなる(ハンドルとブレーキレバーが遠くなる)
・反時計回りに回す ⇒ 握り幅が小さくなる
7020(105)と4720(ティアグラ)のリーチアジャスト
105とティアグラのSTIにはフリーストローク調整機能がありませんので、リーチアジャストのみです。
ST-7020、7025、4720、4725全て共通。
https://si.shimano.com/api/publish/storage/pdf/ja/dm/RADBR01/DM-RADBR01-07-JPN.pdf
・時計回りに回す ⇒ 握り幅が小さくなる(ハンドルとブレーキレバーが近づく)
・反時計回りに回す ⇒ 握り幅が大きくなる
注意点
当たり前ですが、ここの操作をした後には一度ブレーキレバーを思いっきり握ってみて、ハンドルとレバーが干渉していないか(最後まで握りきれるかどうか)、ちゃんとブレーキングできているかの確認をします。
間違っても、レバーと下ハンドルがくっつくようならアウト。
また、リムブレーキ用STIには、ディスクブレーキ用のようなフリーストローク調整機能はありません。
これは単純な理由で、フリーストローク(空引き)を増やしたいなら、リムとブレーキシューの間隔を開け気味にすればいいだけなので。
リムブレーキの場合、ブレーキシューとリムの間隔を広げるセッティングにすれば、空引き量を増やせます。
これは体感上では、柔らかいブレーキという印象になるというか。

個人的にはここをやや開け気味にするのが好き。
ディスクブレーキ用STIの場合、デュラとアルテにしかフリーストローク調整は付いていないようです。
ブラケットと下ハンドル、両方でベストになるようにセッティング
初めてロードバイクを買った場合に、基本的にはブラケットポジションのみで使いやすいようにセットされていると思います。
下ハンドルを使うようになったら、リーチアジャストを弄るとか、ハンドルを送る・しゃくるなどのセッティングを変えて両方のポジションで使いやすいようにします。
ブレーキレバーって結構繊細というか、ちょっとの角度の違いでフィーリングは全く変わります。
まあ、最近はステムとハンドルが一体型になっているものもあるので、調整出来る範囲も限られているのですが・・・
今回の方は早速下ハンドルも試してみたようですが、リアホイールがロックしたとのことなので、リアが強めなのかもしれません。
こういうのも、手の感覚として慣れていくのも1つですし、レバーのセッティング次第ではどうしても強く引いてしまう可能性もあるので、少しずつ見直していくのがいいかと。
まあぶっちゃけた話なんですが、どこまで引くとロックするかの感覚、早めに知っておいたほうがいいとも言えます。
リムブレーキでも、下ハンドルから思いっきり引けば、たぶん吹っ飛びます。
指1本とか2本で軽く操作する感覚で十分。
ディスクブレーキの人って、下ハンドル使わずに下っているのかなと思ったりもするのですが(リムブレーキでも多いですが)、下ハンドルで下ることで重心を下げることが出来るので、コーナーリングでキレイに曲がりやすい。
あと、万が一落車した場合に、低い位置から落ちる分怪我が少ないとか言われますが、ここについてはちょっと微妙かもしれません。
今回の相談者さんはピナレロのPARIS DISK(2021モデル)とのことなので、105油圧ディスクですね。
下ハンドルからブレーキレバーが遠いなら、リーチアジャストで調整してみるのがいいかと思います。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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