よく言われることですが、
これって誰しもが理解できることだと思いますが、ほかのチューブと【比較して】の話になります。
つまりはラテックスチューブよりも振動吸収性が劣るチューブがあって、相対的評価として【振動吸収性がいい】となる。
こういうのは今更語らなくても、誰しもが頭の中では理解していること。
海外通販は安い、というセリフがあれば、当たり前のように比較対象は国内通販だったり、国内ショップだったりする。
タイヤの話
例えばの話。
アルミフレームのロードバイクと、カーボンフレームのロードバイクがあって、それぞれに違うタイヤを履かせていたとします。
ビアンキのインプルソ(アルミ)に、キシリウムエリート(C15)+ヴィットリアのコルサを履かせていたとします。
タイヤだけコンチネンタルのGP5000に変えた場合に、乗り味がやや硬くなったとすると(同じ空気圧、同じチューブ)、評価対象はタイヤのみで、純粋にコルサとGP5000の比較をしていると言えます。
今度は同じキシリウムエリートにGP5000を履かせた車輪を、ビアンキのインプルソ(アルミ)⇒LOOK765(カーボン)に変えたときに、振動吸収性が良くなったという感想を持ったとすれば、評価対象は車輪以外(フレーム・ハンドル・シートポスト・サドルの全て)になっていると言える。
こんなのイチイチ文字にしなくても、頭の中で誰しもが理解することですよね。
では今度、同じLOO765に対して、ホイールをワイドリムのシャマルに変えて、タイヤは前と同じ23cのGP5000を付けたとします。
この場合、ホイール以外には同じパーツを使っているので、純粋にホイールの評価になる・・・というわけでもなかったりします。
この理由は簡単。
ナローリム(C15)⇒ワイドリム(C17)になったことで、タイヤはやや引っ張り状態になる。
なのでタイヤの接地面が変わっている可能性もあるため、純粋にホイールだけを評価しているとも言い切れない。
リム幅が広がったにもかかわらず、同じタイヤを使えば、ワイドリムのほうがやや引っ張り状態になるのでタイヤはわずかですが扁平化する。
これは当然逆も成り立つ。
ワイドリムに使っていたタイヤをナローリムに付け替えれば、同じく純粋なホイール評価とはならない可能性が出てくる。
とはいえ、この要素がどれだけ体感上で支配的なのかは・・・人それぞれの感覚によるのかなと。
ワイドリムに23cを付けると、タイヤの剛性が上がると主張している人を見たことがあります。
その人なりの感覚として剛性という言葉を使ったんでしょうけど、引っ張り状態になるためタイヤが扁平化して、その感覚を剛性と表現したのかなと。
バーテープだけをリザードスキンズに変えて、

と口コミがあれば、以前使っていたバーテープよりも、ハンドルを握ったときのグリップ力が向上した話だと理解できる。
ブチルチューブからラテックスチューブに変えて振動吸収性が良くなったと評価すれば、比較対象はブチルチューブなんだなと理解できる。
絶対的に振動吸収性がいいという状態が定義できない以上、そりゃ比較した上での話なんだよなと誰しもが理解できる話ですね。
振動吸収の話
前に何かの研究データで見たのですが、どこだったかさっぱり思い出せませんw
カーボンとアルミの振動吸収性能は有意な差がない、みたいなものだったと記憶しています。
よく言われることで、アルミフレーム=振動吸収性が悪い、カーボンフレーム=振動吸収性がいいというのがあります。
これも当然、カーボンは【アルミフレームに比べて】振動吸収性がいい、と比較していることは明らか。
どこかで見た研究データも、素材として評価しているのか、フレームとして評価しているのかがハッキリしなかった記憶があります。
パイプだけ取り出して振動の伝わり方を調べているのか、フレームとして評価しているのかは謎。
実際、最近のアルミフレームでも、振動吸収性がいいものってそれなりにあります。
トレックのエモンダALRとか、アルミでここまで出来るんだとある意味驚愕した一台。

どこをしならせて、どこの剛性を上げて・・・と計算されつくした一台という感じがしますが、これは当然アルミフレームとして評価しているわけであって、アルミのパイプとして評価しているわけでもない。
まあ、試乗車だとタイヤもホイールもシートポストも何もかも違うので、何の性能を感じているかがわからない。
なので実際には、そのロードバイク全体の評価としかなりませんが。
試乗車の評価って難しい面があって、タイヤもホイールもシートポストなども違う状態で、フレームの評価になるわけもないという意見は当然あります。
これについては、フレームの評価として語るなら真っ当な意見。
ただまあ、ああいうのはフレームの評価というよりも【完成車としての評価】なわけで、販売されている状態がどうなのか?というだけの話。
それを言い出すと、フレームセットでしか販売されていないものはどうするんだ?となるだけなんですが・・・
最近は知りませんが、やたらといいホイールをセットして試乗車にしているケースもあるし。
試乗車の評価を高めるために、きれいな舗装の道路で、空気圧を高めにしてある試乗車なんて話もあるくらい。
タイヤとリムの関係性
某滅亡されたブランドさんが著したことで有名な書籍があります。
この本の中で唯一面白いところがあります。
GOKISOのホイールについてなんですが、リムのフック部がやたらしっかりしている。
タイヤとリムの接合度が高いこともよく走る原因の一つではないか?という話。
リムの上でタイヤがわずかながら滑る?動く?のではないか?というところから、GOKISOのリムはフックが強固なので動きが少ないのでは?みたいな。
こういう検証も面白そうなところですが、実態としてそこまで大要素とはメーカーも考えていないのかも。
フックレスリムも登場しているわけだし(チューブレスですが)。
チューブラータイヤだと接着が甘いとリムの上でタイヤが動くといいますが、クリンチャーでもリムの上でタイヤが滑る・・・可能性はあるけど、どんだけなのかは謎。
科学と体感
私見としてですが、タイヤの性能が最も発揮される空気圧って、タイヤごとに違うと思ってまして。
同じ23cでも、このタイヤは7.5Barくらいがいいし、あるタイヤはもうちょっと低いほうがいいみたいな。
ここでいう性能というのは、転がりと振動吸収性などのバランスの話です。
やたら高圧にすれば、きれいな路面ではよく転がりますが、荒れ気味なら跳ねて進みづらい。
またどんだけ速くても異常に疲れるような振動吸収性なら話にならない。
それこそこのフレームの場合はもうちょっと高いほうが・・・とか、こっちのフレームの時はもうちょっと低いほうがバランスが取れるみたいなのもあると思ってます。
自分自身のコンディショニング次第でも、今日はちょっと高めのほうがいいみたいなのもあるとは思いますが、せいぜい0.1Bar程度の範囲なのかも。
けど科学的な検証として行うならば、空気圧を揃えてやらないと意味がない。
性能が最も発揮されるという点についても、転がりと振動吸収のバランスで決まると思いますが、最終的には好みの問題。
人によって差が出る。
科学的なデータとして、このタイヤは転がり抵抗が低いとか、耐パンク性能が高いとか当然あるわけですが。
そういうデータをそのまま自分に当てはめても大きく意味があるとも思っていなくて、データはデータ。
体感はまた別。
ちなみにタイヤの空気圧ですが、思い切って変えて乗ってみると意外と楽しいです。

楽しいというか、こんなに低くても意外と悪くないななど新たな発見も。
先日、さらに空気圧を豪快に落として乗ってみたのですが、全然進まない感じで異常に疲れました。
こういうのもある種の経験なので。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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