車両通行帯の件は、何度も書いているのですが、
法律を読んでも理解できないようですし、この方が大好きな執務資料道路交通法解説のような解説書のほうがいいのかなと思いまして。
車両通行帯
この方、こちらでも取り上げているように、
執務資料道路交通法解説を根拠にすることが多いようですね。
でも残念なことに、執務資料に書いてある追越しの定義は頭には入っていないようで、追越しではないのに追越し違反だとして嘲笑するという残念な能力を発揮されているようです。
さて、執務資料道路交通法解説をせっかくなので見ていきましょう。
車両通行帯は、公安委員会が本条1項の規定により車両通行帯とすることの意思決定を行い、標識令に規定する規制標示「車両通行帯」(109)を設置して行わなければならない(警察署長にはこの権限がない。)。したがって、右要件を欠く単なる白色の線で区切っただけでは車両通行帯とはならない。
また、道路管理者が設ける車線境界線は、外観が公安委員会の設ける車両通行帯境界線と同一であるが、標識令において車両通行帯とみなすこととされていないため、この法律上、これらの車線境界線のある道路は、外観が車両通行帯境界線と同一であっても、法第18条の車両通行帯の設けられていない道路における通行区分(キープレフト)に従うことになる(警視庁道交法)。したがって、実際上において混乱をさけるため、道路管理者と公安委員会の事前の協議が必要であると考えられる。
なお、公安委員会が車両通行帯を設けるときは、令第1条の2第4項に定める次の事項を遵守しなければならないことになっている。
野下文生、道路交通執務研究会、執務資料道路交通法解説(2018)、p209-210、東京法令出版
道路交通法施行令
4 法第四条第一項の規定により公安委員会が車両通行帯を設けるときは、次の各号に定めるところによるものとする。
一 道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に二以上の車両通行帯を設けること。
二 歩道と車道の区別のない道路(歩行者の通行の用に供しない道路を除く。)に車両通行帯を設けるときは、その道路の左側端寄りの車両通行帯の左側に一メートル以上の幅員を有する路側帯を設けること。ただし、歩行者の通行が著しく少ない道路にあつては、路側帯の幅員を〇・五メートル以上一メートル未満とすることができる。
三 車両通行帯の幅員は、三メートル以上(道路及び交通の状況により特に必要があると認められるとき、又は道路の状況によりやむを得ないときは、一メートル以上三メートル未満)とすること。
これでも理解できない感じでしょうか。
よく、他人の動画に対して違反だとしてありえない指摘を繰り返しているようですが、時々執務資料道路交通法解説を引用されているほど、この方は執務資料を信頼していらっしゃる様子。
大好きな執務資料でもこのように書いてありますが、やはり自分が正しくて執務資料はデマというスタンスでしょうか?
法律上で決まっていないとしたら、執務資料がこんなこと書いたら普通はマズイですよね?
このツイートについては、正直なところ何を言いたいのかすらわかりませんが。
①が含まれているけど②が含まれていない??というのが何を言いたいのかすらわからないけど、たぶんまたちゃんと読めていないんだろうなとw
せっかく挙げていただいた国土交通省の資料から。
まず大前提として、国土交通省はザックリ言うと道路の設計に関わる省庁で、道路交通法の規制には関われない(規制は全て公安委員会)。
https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19650126annzennshisetsu.pdf
【区画線の設定区分について】というタイトルで、道路標示(道路標識ではない)のことに書いているもの。
標識令で①しか書いてないという件。
<標識令>
規制標示
種類 番号 表示する意味設置場所 車両通行帯 109 交通法第二条第一項第七号に規定する車両通行帯であること。 車両通行帯を設ける道路の区間
この方が挙げた②部分ですが、これは道路交通法20条2項に規定する、車両通行帯の中でも車両通行区分を意味します。
第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
車両通行帯の中でも車両通行区分については、標識令ではさらに細分化されています。
規制標示
種類 番号 表示する意味 設置場所 車両通行区分 109の3 交通法第二十条第二項の道路標示により、車両通行帯の設けられた道路において、同条第一項に規定する通行の区分と異なる通行の区分を指定すること。 車両の通行の区分を指定する道路の区間の前面及び道路の区間内の必要な地点
これらについては【車両通行帯】の中でさらに車両通行区分にしているもので、標識令では別扱いにしているのですが、標識令では【109の〇】とわかりやすくしているように、車両通行帯の中でもさらに特殊性を持たせたもの。
この方が挙げた資料では、
車両通行帯
(109)
(規制標示)https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19650126annzennshisetsu.pdf
と書いてあるように、【109の〇】まで細分化せずに、単に車両通行帯をまとめて書いているだけですよ。
109だけにするか、109の〇まで細分化するかの違いですが、だから何だというんでしょうねw
国土交通省は交通安全の規制をする省庁ではなく、道路設計に関わる省庁。
単にイチイチ分けないでまとめました!ということは普通に理解できるかと。
車両通行区分も、車両通行帯の一部ですからねぇ・・・
ホンキで何を言いたいのかわかりませんが、これかな?
もしかしてですが、標識令上では、規制標識については設置者が決まっているけど、規制標示について設置者が明確にされていないという点の話なのかな??
道路標識の場合、規制標識(標示じゃないよ)のうち道路管理者が設置するもの(標識令4条1項3号)と、公安委員会が設置するもの(標識令4条2項)に分けてあります。
これを分けている理由は簡単で、前者は道路法に基づく規制、後者は道路交通法(公安委員会)に基づく規制だからですね。
道路法は主にかかわるのが国土交通省、交通法は公安委員会(警察)。
ここでいう設置者ですが、要は誰が金を出して作らせるかの話。
標識令4条1項3号の道路標識は道路管理者が設置することになっているので、国道であれば国土交通省管轄の道路事務所、県道なら都道府県。
標識令4条2項の道路標識なら、公安委員会が作るという区別をしている。
同じような行政機関でも、管轄が違うので明確にしている。
その上で道路標示(標識じゃないよ)については標識令上では、設置者が誰なのかについての記述はありません。
なので国土交通省の通達では、誰が道路標示を作るかの基準を作った。
https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19650126annzennshisetsu.pdf
【別添1】という資料ですね。
その上で、参考資料として【区画線と道路標示との関係】と題した資料を添付している。
<参考 区画線と道路標示との関係 >
区画線 | 道路標示 | |||
種類 | 設置場所と設置区分 | 種類 | 表示する意味と設置区分 | |
車線境界線 (102) |
①4車線以上の車道の区 間内の車線の境界線 を示す必要がある区 間の車線の境界 ②直轄管理区間、有料道 路区間その他道路の 新改築に伴って設置 する場合 (右記の区間を除く。) |
車線境界線 (206) (指示表示) |
①4車線以上の道路の区 間内の車線の境界であ ること |
|
車両通行帯 (109) (規制表示) |
①道交法第2条第1項第7 号に規定する車線通行 帯であること ②道交法第20条第3項の 規定により同条第2項 に規定する通行区分と 異なる車両通行区分を 指定する車両通行帯を 設ける場合 |
先ほど上でも書いたように、【標識令では①しか書いていない!!】というのは、
国土交通省の通達では、単に車両通行帯と車両通行区分をまとめて書いているだけのことですよ。
それ以上の意味をここから感じ取ってしまうのは、ある意味凄い能力だなと・・・
さて、この国土交通省の通達によると、車線境界線(102)として引いたものが、二つの可能性を持つことを示唆しています。
・車線境界線(102)⇒指示標示=道交法の規制とは関係ない、単なる目安
・車両通行帯(109)⇒規制標示=道交法の規制に関わる道路標示
道交法で規制として効力を持つためにはどのようなことが必要なのかについては、道路交通法4条に書いてあります。
第四条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。この場合において、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがないとき、その他道路標識等による交通の規制をすることが困難であると認めるときは、公安委員会は、その管理に属する都道府県警察の警察官の現場における指示により、道路標識等の設置及び管理による交通の規制に相当する交通の規制をすることができる。
道路標識等という中には道路標示も含む。
道交法上の規制効力を持つ道路標示(規制標示)については公安委員会が設置するものと定めてあって、さらに【政令により】とあるので、施行令を見ればいい。
4 法第四条第一項の規定により公安委員会が車両通行帯を設けるときは、次の各号に定めるところによるものとする。
一 道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に二以上の車両通行帯を設けること。
二 歩道と車道の区別のない道路(歩行者の通行の用に供しない道路を除く。)に車両通行帯を設けるときは、その道路の左側端寄りの車両通行帯の左側に一メートル以上の幅員を有する路側帯を設けること。ただし、歩行者の通行が著しく少ない道路にあつては、路側帯の幅員を〇・五メートル以上一メートル未満とすることができる。
三 車両通行帯の幅員は、三メートル以上(道路及び交通の状況により特に必要があると認められるとき、又は道路の状況によりやむを得ないときは、一メートル以上三メートル未満)とすること。
以上の理由から、規制標示の車両通行帯は、公安委員会が設置するものと法律が決めている。
標識令7条では、道路管理者が描いた区画線のうち、道路標示として効力を持つものを決めている。
これはある種の例外規定で、道路管理者が描いて公安委員会の承認が無くても、規制標示として機能するという意味。
第七条 次の表の上欄に掲げる種類の区画線は、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「交通法」という。)の規定の適用については、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の道路標示とみなす。
区画線 | 道路標示 |
「車道中央線」を表示するもの | 「中央線」を表示するもの |
「車道外側線」を表示するもの(歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられ、かつ、実線で表示されるものに限る。) | 「路側帯」を表示するもの |
つまり道路管理者が描く区画線のうち、センターラインと路側帯については、道路管理者が描いても道路交通法上の規制標示と同じ効力を持つことになる。
この二つについては、道路管理者が描いても道交法上の規制対象(中央線と路側帯の意味を成す)となるわけで、いちいち公安委員会の承認を得る必要がない。
車線境界線(102)と車両通行帯(109)は見た目は同じですが、区画線である車線境界線を道路管理者が描いても、道路交通法上では車両通行帯にはならないことになってますよね(標識令7条に含まれていない)。
種類 | 番号 | 設置場所・意味 |
車線境界線 | (102) | 四車線以上の車道の区間内の車線の境界線を示す必要がある区間の車線の境界 |
車両通行帯 | (109) | 交通法第二条第一項第七号に規定する車両通行帯であること。車両通行帯を設ける道路の区間 |
※四車線以上というのは道路全体の話なので、片側2車線以上と同義。
つまり複数車線ある道路の場合、以下の二つのどちらかになります。
標示番号 | 設置者 | |
車線境界線で区切られた道路 | 102 | 道路管理者(国道であれば国道事務所、都道府県道であれば都道府県) |
車両通行帯 | 109 | 各都道府県の公安委員会 |
車両通行帯は規制標示だと標識令にも書いてあるように、道路管理者が作っても道交法上の効力がない。
規制できるのは公安委員会だと書いてありますし(道路交通法4条、施行令1条の2第4項)。
道路管理者が設置したけど、道交法上の効力がない(車両通行帯ではない)ことによる処分取消の話は前にも書いているんだけどなぁ・・・
確か判例もお好きなようで、判例を絶対視している節すらあるようですが、最高裁判所がこのように判示しています。
さいたま簡易裁判所は,平成23年4月21日,「被告人は,平成20年11月18日午後4時35分頃,埼玉県三郷市栄1丁目386番地2東京外環自動車道内回り31.7キロポスト付近道路において,普通乗用自動車(軽四)を運転して,法定の車両通行帯以外の車両通行帯を通行した。」旨の事実を認定した上,道路交通法120条1項3号,20条1項本文,4条1項,同法施行令1条の2,刑法66条,71条,68条4号,18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6000円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,平成23年5月7日確定した。
しかしながら,一件記録によると,本件道路は,埼玉県公安委員会による車両通行帯とすることの意思決定がされておらず,道路交通法20条1項の「車両通行帯の設けられた道路」に該当しない。したがって,被告人が法定の車両通行帯以外の
車両通行帯を通行したとはいえず,前記略式命令の認定事実は,罪とならなかったものといわなければならない。
最高裁判所第二小法廷 平成27年6月8日
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/208/085208_hanrei.pdf
車両通行帯とする意思決定を公安委員会がしない限り、【道路交通法20条1項の「車両通行帯の設けられた道路」に該当しない】なんですよ。
法律ですよね?
法律により公安委員会が決めたところが車両通行帯なので、処分取消のために非常上告した事件です。
これでもまだご理解いただけないのであれば、最高裁が間違ったことになりますが、ツイッター主と最高裁では信用度は比較にならないと思いますよ。
比べちゃいけないレベル。
最高裁は分かっていない!と思うなら、申し訳ないですが本当にムリ。
なので道路管理者(国道であれば国土交通省道路事務所)が車線を描いても、車線境界線(102)の意味しか持たない。
道交法4条と政令1条の2第4項の規定から、車両通行帯(109)は公安委員会が設置するものだと読めますし、標識令でも【規制標示】とあるように道路交通に関する規制のもの。
以上の理由から、法律上、公安委員会が道路標示109と認定しない限りは、道交法上の車両通行帯にはならないわけです。
正直なところ、この方が何を言いたいのかすらわかりませんが、国土交通省は道路法等に基づく道路設計に関わる省庁。
交通上の規制については公安委員会(警察庁)の管轄。
突如、国土交通省の通達を持ち出してきましたが、標識令上で、どっちが設置すべきか不明な道路標示についての解説・・・ですよね?
道交法上の効力については、標識令7条に書いてあるように、センターラインと路側帯については、道路管理者が描いた区画線でも、道交法上の道路標示とみなすと規定されています。
それ以外は道路管理者が描いたら単なる区画線。
なので道路管理者が描いた車線境界線(102)は、車両通行帯にはならないことを明示していますが、道路管理者が描いた後でも、公安委員会が交通法4条1項、施行令1条の2第4項に基づいて車両通行帯だと認める決定をした場合は、車両通行帯(109)になる規定です。
この方が大好きな執務資料道路交通法解説を再度引用します。
道路交通法、道路交通法施行令、標識令を全て合算するとこういう法律解釈にしかなりませんよ?
車両通行帯は、公安委員会が本条1項の規定により車両通行帯とすることの意思決定を行い、標識令に規定する規制標示「車両通行帯」(109)を設置して行わなければならない(警察署長にはこの権限がない。)。したがって、右要件を欠く単なる白色の線で区切っただけでは車両通行帯とはならない。
また、道路管理者が設ける車線境界線は、外観が公安委員会の設ける車両通行帯境界線と同一であるが、標識令において車両通行帯とみなすこととされていないため、この法律上、これらの車線境界線のある道路は、外観が車両通行帯境界線と同一であっても、法第18条の車両通行帯の設けられていない道路における通行区分(キープレフト)に従うことになる(警視庁道交法)。したがって、実際上において混乱をさけるため、道路管理者と公安委員会の事前の協議が必要であると考えられる。
なお、公安委員会が車両通行帯を設けるときは、令第1条の2第4項に定める次の事項を遵守しなければならないことになっている。
野下文生、道路交通執務研究会、執務資料道路交通法解説(2018)、p209-210、東京法令出版
バリバリ法律で定まっているので、
執務資料でもこのような解説になっているわけですが、
一般論として言いますと、
今までまともに文章を読む力がないことを、
披露されてきたくらいですし、
法律の条文をちゃんと読めていないか、
法律の関係性を見落としているか、
通達を法律だと誤解しているか、
その他の事情により、
間違っているだけなんじゃないですかね?
道路交通法2条1項7号によると、
車両通行帯というのは、
道路標示により示した道路の部分だとなっている。
標識令をみると、
車両通行帯の道路標示というのは、
規制標示109(車両通行帯)だと理解できますが、
それと同時に、
道交法の規制については、
法4条に規定により、
政令に従って公安委員会がすることだとなっている。
対応する政令は1条の2第4項ですよね。
標識令7条によると、
区画線のうち、
道交法の道路標示として効力を発揮するのは、
センターラインと路側帯のみになっている。
車線境界線は区画線(標識令 別表第三)にあるけど、
車線境界線を道交法の道路標示だとみなす規定はないので、
車線境界線は車線境界線に過ぎない。
なので車両通行帯(109)として道交法上で機能するには、
公安委員会が承認しないと意味がない。
最高裁判所も、
全く同じ見解を持っている。
ここまで、本当に理解できないのだろうか??
正直なところ、このツイートはマジで書いているのか、
ネタなのかすらわかりませんが、
法律を読めば明らかですし、
法律解釈を補足する意味で、
執務資料を確認しても、
やっぱりそうですよ。
ただまあ、この方については本当に不思議というか、
警察庁の通達は法律ではない、と主張されていますが、
それについてはその通りですよw
そもそも、上の記事は法律論ではなくて、
法律に基づいた車両通行帯がどこに設置されるか、
警察庁の指針を踏まえた実態論ですから。
一言も法律だなんて言ってないし、
【実態として】と書けば法律論ではなく実態論だと理解できるはずが、
それすら理解できなかった上に、
国土交通省の通達という、
法律ではないものを持ってきて、
ドヤ顔ですか(呆れ)・・・
ちょっと前には、
警察庁の通達は法律じゃないと大騒ぎしていたくらいなのに、
根拠にするのが国土交通省の通達だなんて、
自己矛盾もいいところ。
国土交通省の通達の意味は、
標識令上、
設置者区分が決まってない区画線について、
誰が設置するかを明確に決めただけのことで、
参考資料は、単にまとめてあるだけでしょ。
これ、マジで思って書いているのか、ネタなのか本当に不思議。
よくいう教習所
よくこういう意見の時に、
私も教わって無いですよ。
教習所では車の運転に関することは習いますが、自転車のルールについて習いました??
覚えてないなぁ。
ここからは私見です。
教習所で教えているのは、
とりあえず複数車線=車両通行帯と教えておけば、
違反を取られることはないからではないですかね。
もし、複数車線が全て車両通行帯だった場合、この車は追越し等が済んだら、第一通行帯に戻らないと違反になります(法20条1項)
けど実態としてこんな位置を走っている車はたくさんいる。
車両通行帯ではない場合、18条1項の規定によりキープレフトの原則があるので、ずっとこの位置だったら違反ですよね。
けど18条1項には罰則がない。
なので複数車線=車両通行帯だと教えておいて、特に不都合もないんだと思います。
ところが自転車の場合。
車両通行帯であれば、別にこの位置でも違反ではありません。
※片側2車線だと思ってください。
車両通行帯であれば、これも違反ではないですよね。
ところがここが車両通行帯ではなく、車線境界線で区切っただけの道路だった場合には、この位置は左側端ではないので違反になる。
けど罰則はない(18条1項)。
罰則がないけど、実態としてはクソ邪魔。
車両通行帯ではないので、車は第2車線から追越しする義務もない。
その結果、車のドライバーが激オコしてトラブルになるリスクもある。
つまり、車の場合は複数車線=車両通行帯と教えておいても特に実害はないけど、自転車はトラブルメーカーになりかねない。
教習所で車両通行帯の公安委員会の話なんて教えないのは、実害がないので、イチイチ教えるほどでもないからなんじゃないでしょうか?
車両通行帯だと誤解して、追越し時に第2車線(通行帯ではない)から追い抜いたとしても、違反ではないし。
そもそも車の場合、幅の関係で車に対して車が同一車線上で追越しするのは事実上不可能ですし。
ところが自転車の場合、車両通行帯の話を誤解すると実害が生まれる。
車両通行帯だぜウェーイ!と思って第1車線のど真ん中を走るバカがいると、邪魔だしトラブルになる。
動画を誇らしげにアップしていた方も、違反行為によって自称あおり運転を引き起こしたというだけの事案ですが、動画主が残念な能力しか持ち合わせていなかったために、自らを正しいと誤解しているという斬新な動画です。
(私見ここまで)
私もこんな細かいことまで習ってませんし、それはどこの教習所でも同じですよ。
恐らく、教習所の人に聞いても、こんな細かいことまでは知らないかと。
けど1年くらい前から疑問に感じることがあって、法律を読み直し、関係法規との整合性を見ていき、警察本部の方とも何度も、いろんなところで意見交換して、解説書なども読んで出したのが今までに書いたことですよ。
法律上、車線境界線を車両通行帯とみなしてもいいという規定はない。
道交法と施行令、標識令をすべて検討すれば、車両通行帯というのは公安委員会が法律に基づいて認定しない限り、道交法では効力がない。
効力が無いというのは、道交法の車両通行帯にはならないという意味。
そして実態として自転車が走れる場所を定めているのが、交通の方法に関する教則(道交法108条の28、国家公安委員会告示)ですよ。
(2) 自転車は、車道や自転車道を通るときは、その中央(中央線があるときは、その中央線)から左の部分を、その左端に沿つて通行しなければなりません。ただし、標識(付表3(1)32、32の2、33、33の2)や標示(付表3(2)14、14の2、15)によつて通行区分が示されているときは、それに従わなければなりません。しかし、道路工事などでやむを得ない場合は別です。
交通の方法に関する教則
黄色のマーカー付けた箇所は、左端通行の除外と読みとれますが、左端の除外になっている道路標識と道路標示をピックアップしました。
種類 | 番号 | 表示する意味 |
車両通行区分 | 32 | 車の通行区分の指定 |
特定の種類の車両の通行区分 | 32の2 | 標示板に表示された車の通行区分の指定 |
専用通行帯 | 33 | 標示板に表示された車の専用の通行帯の指定 |
普通自転車専用通行帯 | 33の2 | 普通自転車の専用の通行帯の指定 |
種類 | 番号 | 意味 |
車両通行区分 | 14 | 車の種類別の通行区分の指定 |
特定の種類の車両の通行区分 | 14の2 | 特定の種類の車の通行区分の指定 |
専用通行帯 | 15 | 特定の車の専用通行帯の指定 |
左端を通行せよと義務を課していて、除外規定を明確にしている。
これは、車両通行帯として実際に存在するのがこういうケースに限られること。
実態としては交差点付近にも車両通行帯があるケースもあるけど、そこまで書くと教則としてはわかりづらいという事情なんじゃないですかね。
酷いケースだと教則という名称に捉われてしまい、本質を見失う。
告示の法規としての性質、考えたこともないんでしょうけど、学習指導要領(文部科学省告示)ですら最高裁で法規性を持つと認定されています。
というよりも
今回書いた内容は今までも書いた内容ですが、今更この人は何を言い出すんだろうというのが本音です。
車両通行帯という規制標示については、道交法4条(および施行令1条の2第4項)の規定により公安委員会が決定しないと効力がない。
どれか一つでも見逃すと、永久に理解できないと思います。
理解する能力がないのであれば、ちょっと難しいですね。
ただこれ、一般には知られていない面も大きく、だから当初の動画の方も警察と意見が食い違う。
警察は左側端に寄って走るように指示したと思いますが、
動画主は、車両通行帯だから関係ないと突っぱねた。
警察がちゃんと説明したのか知りませんが、複数車線=車両通行帯だと思い込んでいる人には、
警察の真意は永久にわかりませんね。
せっかく正しい法律の知識を教えてもらえるチャンスだったのに、自ら放棄している。
警察は法律に基づいて、左側端しか走れないことを通告しているにも関わらず、
その意味を理解せずに揉める。
私も1年くらい前に、某県警本部の方と車両通行帯の話をしたときに、
全くかみ合わない話になりましたw
そのときは警察官の法律レベルが低いんだと勘違いしましたが、
ちゃんと法律を読んでいき、調べていくと、
むしろ自分が間違っていたことに気が付く。
その上で、警察にいろいろ質問すると、
今度はスムーズに会話が進む。
教習所ガーとかいう時点で残念な人なんだなと思いますが、
自称、煽り運転をされたとして警察に駆け込むほどのことでも、
そもそもお前がおかしな位置を走っていることが原因だという警察の指摘は、
法律上も正しい。
それを理解する能力と知識が乏しかっただけのこと。
で、18条1項には罰則がありませんので、
俺にとっては好き放題だぜと考えるのであれば、
人としてはいかがなものかと思いますが、
道交法上は罰則がありません。
けど警察と揉めるのであれば、根拠が違う。
× | 車両通行帯だから第1通行帯の中ならどこでもOK |
〇 | 罰則が無いので取り締まり出来ませんよね? |
この域になると、かわいそう。
次はどんな言い訳が始まるのか知りませんが。
もう少しまともなネタでお願いします。
執務資料道路交通法解説だけでなく、最高裁まで間違っていると言っているのと同じですよ。
お話になりません。
憲法解釈でもなく、単純な法解釈を最高裁が間違うとでも思うんですかね。
最高裁判例は過去にも書いていますが、恐らく、ちゃんと読んでないんでしょうね。
それか頭に入っていかないのか知りませんが。
本当に法律を理解したいのか、ゴネたいだけなのか?
読んだ人ならもうお分かりですね。
この人が語る内容のバカバカしさを。
この件、もうちょっとまともな人であれば、車両通行帯の件はとっくにクリアしていて、その上で左側端とはどこまでなのか?という議論に移行している。
そっちのほうがネタとしては面白いのですが、そもそもこのツイッター主さん、あまりにも文章の読解力が低く、文章の主従関係も理解できないようですし、一言も書いていないことを盛大に認定する。
また、情報の精査統合能力というか、一つの文章・情報とかに捉われ過ぎていて、様々な情報の中から正解を導く能力があまりにも低い。
ちょっと厳しいんじゃないですかね。
せめて48時間くらいは最低でもかけて読めば理解できるかもしれませんよ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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