警察庁から、昨年起きた電動キックボードの事故件数が公表されました。
令和4年 電動キックボードの事故件数
なお、電動キックボードには個人所有(原付)と実証実験(小型特殊自動車)を含むと思われます。
一年間で41件の事故、死亡者が1名。
死亡事故については昨年報道されたように、飲酒による事故です。

母数が少ないのでなにかを判断するのは難しいですが、事故の相手方はこんな感じ(令和2~4年の総計)。
相手方 | 割合 |
四輪 | 31件(42%) |
単独事故 | 18件(24%) |
自転車 | 14件(19%) |
歩行者 | 8件(11%) |
二輪 | 3件(4%) |
単独事故がまあまあ多いように感じますが、以前公開された「実証実験」についての資料によると、こんな感じです。
https://www.mlit.go.jp/common/001469846.pdf
合計(4月~10月の7ヶ月間) | |
乗車人数 | 85869人 |
乗車時間 | 73546時間 |
走行距離 | 539041km |
事故件数 | 11件 |
違反件数 | 80件 |
事故の態様はこちら。
1、歩行者接触(怪我なし)
2、逆走してきた自転車から接触(怪我なし)
3、停車車両へ接触(怪我なし、軽微物損あり)
4、自損転倒(打撲、捻挫)
5、後方からきた自転車から接触(怪我なし)
6、停車車両へ追突(怪我なし、軽微物損あり)
7、自転車へ追突(先方捻挫)
8、停車車両へ追突(怪我なし、軽微物損あり)
9、自損転倒(打撲)
10、自損転倒(擦り傷)
11、不注意運転タクシーから接触(打撲、物損なし)
結構不思議なのは、「追突」と「自損事故」が多いこと。
ちゃんと前を見ないまま乗ってましたかね。
ながらスマホとか。
自損事故については、慣れてないと転倒しやすいのは明らか。
ちゃんと練習してから乗らないとろくなことにならない気がします。
一年間で41件(個人所有+実証実験)が多いのか少ないのかはなかなか難しいですが、一つ気になるとしたら飲酒運転死亡事故。
やたらと「ヘルメット」に議論が傾いた気がしますが、「飲んだら乗るな」が先に来るべきとしか言えません。
しまいには「車止めが悪い」などと寝惚けた発信をするライターまでいましたが、

こういう人は、原因にアプローチしないのかと不思議でなりません。
実証実験から正式に運用へ
実証実験を経て改正道路交通法が今年から施行され、今後は「特定小型原付」になります。
ルールについては「ほぼ自転車」。

そして「一般原付扱い」と「特定小型原付扱い」の二種類が混在することになります。
一般原付 | 特定小型原付 | |
免許 | 要 | 不要(16歳以上) |
ナンバープレート | 要 | 要 |
自賠責保険 | 要 | 要 |
最高速度 | 30キロ | 20キロ |
ヘルメット | 要 | 任意 |
歩道通行 | 不可 | 時速6キロまでしか出ないモードに切り替え、「自転車通行可」の標識がある歩道は通行可 |
路側帯通行 | 不可 | 時速6キロまでしか出ないモードに切り替えた場合には可 |
右折方法 | 三車線以上は二段階右折 | 常時二段階右折 |
歩道通行を解禁した場合どうなるかについては実証実験していませんが、他国での失敗から「時速6キロモード」を設けた点は頑張ったのかなと。
やってみないとわからない面はありますが、高校生も免許無しで乗れるわけで、どうなるのでしょうかね。
なお、警察庁の発表は第一当事者だとかいろいろありますが、第一当事者の統計は基本的に無意味なので取り上げません。


2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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