自転車ヘルメットが「努力義務化」されて3日経ちました。
報道では「ヘルメット爆売れ」みたいなものをしばし見かけましたが、この3日間、ヘルメット被る自転車は2台しか見ていません笑。
(ロードバイクを除く)
一年前に書いた記事でも、
努力義務なので大きな意味合いは無さそうです
自転車ヘルメットは努力義務に。うーむ。平然と述べてますが、今時点では一部地域か、特定層にしか努力義務はありません。努力義務現状、一部自治体では独自の条例により、自転車ヘルメットの努力義務が明記されていますが、道路交通法上は児童と幼児にのみ、努力義務となっています。(児童...
と書いた通り。
そもそも「努力義務化」とは?
努力義務なので、「被るように努めなさい」。
「被れ」ではないし、当然罰則もない。
日本人の気質って、良くも悪くも「他人と違うことを好まない」のかなと思っていますが、努力義務というフレーズ、そして周りを見渡せば明らかなように「ほとんどの人が被ってない現実」。
さらに付け加えればママチャリにヘルメットという絵は、「変」だと思う人が多いこと。
これらからすれば、4月1日になった瞬間にみんながヘルメットを被り出すなんてことはほとんどの人が思わないわけで、良くも悪くも「他人と違うことを好まない」わけです。
なので、実態に変化はほぼないだろうと予想してましたが、その通り。
「通勤でヘルメットをどこに置くんだ!」なんて語っていた人にしても、そもそも「被らないことを前提に文句をつけているんだろうな」としか思ってなかったのですが、現実はそのまんま。
努力義務化とは、考えるきっかけ程度の話でしかなくて、あとは個人個人で考えるべき問題でしかないので、必要性を感じたら被りましょう。
私もママチャリに乗るときには被りませんし。
一年前に書いた記事を改めて見てみると、

自転車では「ヘルメットが不要」であると勘違いされますが、不要ではなく、”努力義務”が課されています。使用者には被って自分のみを守る義務があります。もし被っていない場合には、その義務を怠っていたということになり、事故が起きた際にそういう行動をしていたという受け取られ方をします。
— マティーノ店主のボヤキ 「自転車で旅しよう」 (@asamako_1977) March 24, 2022
「もし被っていない場合には、その義務を怠っていたということになり、事故が起きた際にそういう行動をしていたという受け取られ方をします」などと、ずいぶんと「無言の圧力」を掛ける人なんだなあと思ってましたが、世間の目を気にしてどうこうよりも、自分の意思で決めたことは自己責任でしかない。
ところで「爆売れ」したというヘルメットとは一体どこにあるのでしょうか?
まさか、特定小型原付用に買った人が多数…なんてことはまずあり得ないし、値上がりを期待した転売ヤーが買い占めたわけではないだろうし。
過失割合に響くか?
ところで、自転車ヘルメットを被っていなかったことが事故に遭った際に「過失」になるか?ですが、探した限りでは1件だけそのような判例がありました。

東京都の条例を根拠にしていますが、ヘルメット分と思われる過失は5%。
いろんな方に話を聞いた限りでは、かなり例外的な判例と見るべきで、あくまでも評価基準は
になるものと思われます。
例外的な判例と考える理由は、この判例は「ロードバイク」だからです。
ロードバイクは世間一般にヘルメットが浸透していますので。
「努力義務」なので様々な情報に接した上で、さらに自分自身の利便性と必要性でバランスを取って決める問題だと考えていますが、当たり前ですが「一時不停止や信号無視してもヘルメットがあれば最強…」になるわけではない。
逆走してもヘルメットがあれば安心だ!みたいなマヌケな発想に至る人がいるとは思えませんが、世間の目って「変」だと思いませんか?
昨年、実証実験の電動キックボードで初の死亡事故がありました。
世間の目は「だからヘルメットを被るべき」に傾いてましたが、そもそも飲酒運転(違法)が濃厚とされた案件です。
なぜ、「飲んだら乗るな」が先に来ないのか意味がわかりません。
しまいには「車止めが悪い」などと全く検討外れなことを述べていた人すらいますが…

原因に目が向かない不思議な世界だよなと思ってましたが、何かしらの事故が起きたときには、上のTwitterの方のように「その義務を怠っていたということになり、事故が起きた際にそういう行動をしていたという受け取られ方をします」という冷ややかな視線で見る人もいるのが現実。
それが多数なのか少数なのかは知りませんが。
「努力義務化」とは何をしたかったのか?
ヘルメットの努力義務化とは、一体何をしたかったのだろうか?と考えてしまいます。
そもそも、既に自治体の条例で「ヘルメットの努力義務」を規定していたところもある中、道路交通法の中で全年齢の努力義務を謳ったところで何の意味があるのでしょう。
まさか、警察庁は「努力義務化したらみんな被るだろう」なんて発想ではないと思う。
努力義務化にした理由については、2つの意味があると思う。
①特定小型原付とのバランス
特定小型原付(電動キックボード)についてもヘルメットは「努力義務」。
ほぼ自転車と同様のルールと速度なのに、電動キックボードは「努力義務」、自転車は「児童、幼児のみ努力義務」ではバランスが悪いと考えた結果なのだろうと。
②ほかにすることがない
警察庁は道路交通法の立案や都道府県警察への指導をすることは出来ても、道路構造については国土交通省や自治体が権限を持つ。
道路構造と法律のバグすら解決せずにそのまま放置されていますが、警察庁に「自転車道作れ」と言ったところで管轄違いでしかないし、警察庁としてやれる政策なんて限られている。
バグの例。



自転車への「少額違反金制度」も頓挫していますが、特定小型原付に青切符を適用するのも、ある種の実証実験を兼ねていると思う。
非免許制度の特定小型原付に青切符を適用し、支払わない人が続出した場合にはまあまあ大変なことになるので、ユーザーが少ない特定小型原付に適用して様子を見るのかと。
(青切符は刑事罰ではなく行政罰なので、支払いは任意。支払うことで刑事訴追されないだけの仕組みでしかないが、支払わない人が続出すると警察、検察、裁判所がパンクする)。

「ほかにすることがない」&「特定小型原付とのバランス」で自転車へのヘルメット努力義務化しただけなんだと思う。
そもそも、ママチャリにヘルメットは「変」だと思う人のほうが多い中、努力義務化とはそもそも大きな意味を持たないだろうと思っていましたが、現実としてはそんなところです。
ヘルメットが本当に爆売れしたのかすら怪しい気もしますが、もしかして「とりあえず買ったけど周りの様子を見ている」人が多いのですかね。
周りがどうとかではなく、自分自身に必要か否かで考えるべき問題としか思いませんが。
話は変わりますが、個人的には特定小型原付の歩道通行モード(時速6キロ)と同様に、電動アシスト自転車にも「歩道通行モード」を作って欲しいのですが。
歩道を電動アシスト自転車で爆走する人や、歩行者の横スレスレを爆走する人が結構いるので。
傘さし自転車の傘が当たることすらありますが、笑顔でしねとしか言えません。
歩道通行モードとして、時速6キロ以上はアシストオフにしてくれ。
ここは警察庁のお仕事ですが、これだけ電動アシスト自転車が普及したらもはや無理なんかな。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
愛知県民ですが3月の上旬にヘルメットを見に行ったら、在庫がほとんど無い店が多かったです。明らかに競技用のものは有りましたが。今までと比較すれば爆発的に売れているのは嘘ではないと思う。
コメントありがとうございます。
買ったヘルメットは押し入れに入れて様子見なんですかね。
チャリ屋でバイトしてる者です。今大人用のヘルメットは在庫がないほど売れてますね。(主に高齢者層)ただ、買ったヘルメットを被っているかどうかは不明です。
コメントありがとうございます。
保有率自体は増えたというところですかね。
今まで少なすぎて何倍になったとはいえ、目に見えて増えていないのかもしれません。
コメントありがとうございます。
仮にヘルメット保有率が1%増えたところで、目に見える変化にはならないですしね。
今の所ヘルメット着用している人は数人です笑
勿論自分が見た範囲ですが、大手自転車屋さんに何店舗回りましたがヘルメットは有り余ってます@東京都
通勤通学、スピード出す人は被るかもですね。街乗りの人は被らないのでは?今の時点では自転車保険にヘルメット着用の有無で保険内容に違いはないし
コメントありがとうございます。
実態がよくわかりませんが、結局ヘルメット会社に特需が起きただけなのかもしれません。
田舎ですがお年寄りがバイク用とか工事でつかうヘルメットなんか被ってるの見かけますよ、それ以外は見てないですね、強制的に被らしてもアゴ紐ゆるゆるじゃ意味無いですしね
コメントありがとうございます。
まあ、なんでもありですね笑
街を走っててもかぶってる人少ないです。都内だとロードバイクなのにかぶってない人がいて驚きます。
努力義務になったということはそのうち完全に義務にならということですね。義務になるまで猶予期間があるのでそれまでに浸透すれば良いとは思います。
現状だとなかなか時間かかりますね。
コメントありがとうございます。
完全義務化はする予定がないそうですよ。
見た目気にしなければ悪いことは無いですし自分は買って被るようにしましたがあんまり被ってる人は見ないですね…
供給が追い付いてないのかもしれませんが、買って被らない人は勿体ないなあと
コメントありがとうございます。
観賞用ヘルメットになっている人が多いのかもしれませんね。
ヘルメットの普及は、自転車に乗る一人一人の安全のため、と言われても、自転車が生まれてきた時代は知らないものの、皆、子供時代からすでに、エンジン付き以外は、不要と考えてきただけに、努力義務などと言っても、普及はしないでしょうね!
それよりも、交通ルールやマナーが先かと。
子どもでも乗れるために、子供にルールを教えないばかりか、青信号が点滅していようとも、赤信号になってたとしても、止まらずに渡る親を見ていれば、子供も、信号を守らなくても、何の不思議もないよね〜。
それに、メット問題は、普通自転車ならまだしも、電動アシスト自転車なんて、未体験ではあるが原付きバイクみたいに、重いらしい。
ならば、各地で月に一度以上は、自転車のルールとともに乗り方の講習会を開いてはどうか?
バイクの教習見たく、倒れた状態の電動アシスト自転車を引き起こす動作、そして、倒れた際には、…と、横になってみて、どこを打つのか?…とか。
実際に講習会で、見て体験しないと、分からんだろう…今の若者も老人たちも。
かくいう自分もそのタイプだが、二年前、車の前方不注意と一時停止無視で、青信号を片手傘走行中の接触で、事故に。
片手傘の自分も悪かったが、歩行者や自転車が歩道を渡る時点で、一時停止しなきゃ、車側からすれば、引き放題だよね〜。
だから、めっとは必要とは思うと、種類あるよね〜と選んでいたら、重要な見落とし事実が発覚!
両耳上あたりが、引っかかって、メットが入らん(|||+△+)
く〜っ、まさか、そんな落とし穴があったとは!
しかも、5000以内にしたいのに、万ほどするよね!
で、スマホの電池同様に、3年経てば経年劣化もあり、見た目新品同様でも捨てる事になる事も知ってる?
もちろん、バイクの人は知ってるはずだけど。
それに!
自転車だから、速度があまり出ないのだから、バイクメットとは、丈夫さが違うらしいね!
しかし知ってる?
日常の坂道の下り道なんて、自分は電動アシスト自転車ヤマハ・PAS with SP2021だけど、下り坂道だけで、時速30〜36kmはでるんだよ!
もし、高い土地の地域に住む人であれば、どうなると思う?
さらに下り坂なんて原付きの法定速度並みに。
それでも、自転車用としての軽いメットで十分なん?
そこにも疑問を感じるね!
本人は速度を出すつもりがなくて、ブレーキかけてたとしても、だ!
昔、5年前に初めての電動アシスト自転車VIVI-EX2017年製を新車で買った時、後輪ブレーキが普通自転車のように、止まらなくて、パナソニックお客様センターに言ったんだ!
すると、「電動アシスト自転車に乗る方は、主婦が多く、しかも、そんなに速度を出さないから、急ブレーキや、よくきくブレーキ出なくてもいいんです」、と。
なら、高い地域に住む人が、下の都会に降りてくる際、下り坂はかなりの物になるから、下る速度も原付き並みなのにさ。
ブレーキ効かない=速度出すやつは死ね…と、言ってるようなもんじゃないか!
…と、パナソニックお客様センターや、日本製電動アシスト自転車を出してるこのメーカーに不信感持ったよ。
まぁ脱線したけど、自転車に免許はいらんが講習会を受けさせて、子供も大人もルールの再確認と、車体の倒れた時の指導や、メットの重要性を説明する機会を与えるべきだと思うね!