ちょっと前になかなか不思議な意見を見かけたのですが、
オートバイや大八車は自転車より幅を取る。
それなのに自転車だけが並走禁止なのは理不尽だ!
大八車は軽車両ですが…
第十九条 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
ところで。
歴史的に見ると19条の並進禁止は、追いつかれた車両の義務の変形版とみなしたほうが理解しやすい。
昭和39年道路交通法改正までは、軽車両の並進は禁止されておらず、軽車両も追いつかれた車両の義務の対象でした。
要はバックミラーの装備義務もなく、かつ免許制ではない軽車両が後方確認して進路避譲義務を果たすことが期待できない以上、一律で禁止にしたのが昭和39年改正なのかと。
逆に言えばオートバイであっても、
絶対的に並進が許されている…わけではなくて、一定の条件下では並進を解除する義務があるとも言えるわけで、軽車両は「絶対的禁止」、それ以外は「相対的禁止」と取れる。
別に軽車両の並進禁止規定を削除して進路避譲義務の対象にすることはできるし、昭和39年以前は実際にそうだったわけですが、メリットとデメリットを比較したらデメリットのほうが大きい気がしますが…
ジュネーブ条約上「追いつかれた車両の義務」がある以上は追いつかれた車両の義務を無くすことは不可能に近い。
並進禁止規定を削除したところで、多くの場合はこうなるだけだしさほど意味があるとは思えないけど、
それこそ、パレスサイクリングなんかは法律上は並進禁止規定の適用があっても、運用上は適用することはないはず。
何車線も自転車専用にしたのに、わざわざ並進禁止規定を適用する理由もない。
理不尽なルールと捉える人もいるけど、本当にそうなのかきちんと法律に基づいて検証したとは思えないのよね。
そもそも、理不尽なルールだと思うなら法改正を促せば済む話だけど、並進禁止規定を無くすためにホンキで陳情等をしている人の話なんて聞いたこともない。
ちなみに「自転車以外の軽車両通行止め」と
「自転車通行止め」を分けている理由は
ちゃんと理由があります。
理屈の上では、こちらの標識がある場合には自転車は通行可能、自転車以外の軽車両は通行禁止になりますが、
要はこの規制がメインターゲットにしているのは何なのか?
あえて答えは書きませんが、なぜこのように分けているのか理由や立法趣旨から考えたほうがいいよね。
ちょっと前に「二段階右折廃止論」を主張する人もいたけど、
そもそも何を懸念して二段階右折を要求しているのか知らないと、話にならないのよ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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