なんかこちらが話題になっているようですが、
Empatia já não existe mais. pic.twitter.com/WI5U4dQsTy
— O País Do Ciclismo (@opaisdociclismo) December 26, 2024
ブラジルでの事案らしい。
整理するとこう。
・自転車乗りがクルマに対し「近すぎる(側方間隔不足)」だと抗議
↓
・自転車がクルマに攻撃を加える
↓
・自転車がクルマの進路直前に進入し、クルマはブレーキが間に合わず追突
↓
・「なにしてるんだ!ビデオ撮ってるぞ」と発狂
これらの顛末を元ネタ投稿者(サイクリスト)は
Empatia já não existe mais(共感はもはや存在しない)
と呟いたわけですね。
調べてみて意外だったのは、ブラジルの法律は自転車の側方を通過する際には「1.5m開けて」かつ「安全な速度」を求めていて、さらに交差点では非電動車両(自転車)が優先としている(らしい)。
ブラジル道路交通法の原文をみても、法規に1.5mと明記されているわけではないように見えますが
II – o condutor deverá guardar distância de segurança lateral e frontal entre o seu e os demais veículos, bem como em relação ao bordo da pista, considerando-se, no momento, a velocidade e as condições do local, da circulação, do veículo e as condições climáticas;
罰則規定に側方間隔が規定されている。
現実的には定規で測るわけにはいかず、なんとなくの意味合いらしいですが。
まあ、これらの事情を踏まえて「共感はもはや存在しない」と呟いてまして、
側方間隔不足の問題(違反)と、自転車がクルマの進路直前に進入した行為(違反)は別問題でしょうね。
なかなか辛辣なコメントもついてますが、側方間隔不足の違反があったとしても自転車が他の車両の進路直前に進入していい理由にはならないので、まさにどっちもどっちという事案なのかと。
こういうのって一方に非があるような論調で語りたがる人もいますが、要はそれぞれの立場で背負う義務が違うわけで、一方の非のみを取り上げる人はバランスが欠けている。
ただまあ、日本でも「アイツが違反していたんだからアイツのほうが悪いよ!」みたいな論調は好きですよね。
例を挙げるなら、歩行者が赤信号だったと考えられるときに、

「赤信号の歩行者が悪い」と主張する人は多い。
車両側に過失があるか?は別問題なのであって、過失があれば有罪だし、過失がなければ無罪になるだけなのであって、相手の違反がどうのこうのは関係ないのよね…
けどあれよ。
こういうやり取りは必ず起きる。
Aさん「クルマが側方間隔を取っていれば事故ってないだろ」
Bさん「自転車にも非があるだろ!一方的にクルマが悪いわけじゃない」
そして必ずといっていいほどこういう言い訳が返ってくる。
Aさん「自転車に非がないなんて言ってないだろ」
不毛なやり取りなのよ。
それはBさんにとっても同じで、「クルマが悪くないなんて言ってない」でしかないのだから。
不毛なやり取りをしても生産性がない。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
いわゆる先に手を出した方が悪い論ですかね?日本でもありそうな話です。
コメントありがとうございます。
早い者勝ち、いや早い者負けと考える人すらいますから…