先日のこちら。

と質問を頂いたのですが、これは好み、手間、コストの問題だと思っているので一概には言えない。
ワックスとオイルの手間の差

以前フィニッシュラインのセラミックワックスルブを使っていたのですが、ワックス系はきちんと洗浄脱脂してから適切に施工しないと、本来得られる効果は全く望めない。
きちんと脱脂洗浄出来てない状態で施工しても、ワックスがチェーンに定着しないからすぐにシャリシャリ音鳴りするだけなんですね。

そしてワックス系ルブはきちんと洗浄脱脂した後に、寒くない環境(冬場は湯煎する必要がある)で施工し、一晩放置した後に再施工する必要があるので手間がかかる。
それに対してチェーンオイルの場合、そこまで神経質に洗浄脱脂しなくてもオイルがチェーンに残っていれば潤滑する。
施工に伴う手間にだいぶ差があるので、ワックス系ルブは雑な人には向きません。
これはホットワックスにも同じことがいえて、きちんと洗浄脱脂した後にホットワックスを鍋で加熱して融解させ、漬け込みするのでオイルよりも手間がかかります。
SILCAのホットワックスについては、STRIPCHIPでチェーンを煮込むことで工場出荷時のチェーンについているグリスをワックス成分に置換するため、

新品チェーンにしか施工できず、しかも洗浄脱脂しちゃいけない。
あくまでも新品チェーンについているグリス成分を利用するのだから、グリスを落としたら無意味になってしまいますが、SILCAがわざわざこのようなホットワックスを開発した理由を考えると、
・ワックス施工に関する手間を省き、より簡単にワックスを使えるようにしたかった。
おそらくはこんなところ。
きちんと使えない人が悪いレビューを書きまくるのは予想されるし、そもそもチェーンオイルよりも手間にかかるから工程をいかに短縮するか?という観点なんだと思われる。
チェーンワックスとオイルの性能差

チェーンワックスが低抵抗なのは各種の「チェーンを使った試験」で明らかですが、きちんと施工されていたならワックスは汚れが付きにくいので耐久性が高い。
オイルは流体なのでどうしても汚れを引き寄せやすいわけですが、
要は結局のところ、ワックス系はきちんと洗浄脱脂出来てなければチェーン表面に定着せず「低寿命ですぐにシャリシャリ音鳴りする」に陥る。
しかしチェーンオイルの場合は洗浄脱脂工程が雑であっても、給油すればすぐにシャリシャリ音鳴りすることにはならない。
「汚れが付きにくく高寿命」という状態にするための手間がかかるわけよ。
なのでどちらがいいかは手間の問題な気がする。
例えばなんだけど、チェーンを洗浄せずにチェーンオイルをジャーっと吹いて、ゴシゴシ拭き取れば完璧な状態とは言えなくてもオイルが残っている間は機能する。
しかしチェーンワックスで同じことをしたらワックスが定着せずすぐにシャリシャリ音鳴りして意味がないわけ。
ワックス系ルブについては、きちんと施工してない人が使えば低評価になるのは当たり前なんだけど、一般人はコスト、手間、走行フィーリングを総合的にみて評価するわけで、どこに重きを置くかは人それぞれなのよね…
それこそチェーンメンテナンスに時間を費やしたくない人には、ワックスは向いていないんだけど、KMCが「最初からワックス施工したチェーン」を販売しているので

手間をかけずにワックスチェーンを使いたいなら、KMC一択なのかも。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
凝固点が高く冬場は固まって使いにくいのも問題ですね
ヨーロッパは結構寒いと思いますが使っている人いるのだろうか?
コメントありがとうございます。
うーん、どうなんですかね。
暖かい部屋で湯煎して施工すれば問題ないのですが、実際どうしているかは知りたいです。
コメント失礼します.
チェーンワックスとチェーンオイルの潤滑原理にはどのような差があるのでしょうか.潤滑原理の差がワックスの低抵抗を生み出しているのだろうと思っています.しかしながら,調べても今ひとつ理解しきれませんでした.
コメントありがとうございます。
これを書かないには理由がありまして、ケミカル屋が切り抜き論法で話をすり替えるからです。
話がややこしくなるのであえて書いてませんが、もう少しお待ちください。