なぜこの人はデタラメばかり語るのか不思議なんですが、
「普通自転車通行帯」とは|サイクルショップ マティーノ
意外と知らない人も多いのでは?@mps_mattino https://t.co/dpQ6GXR1IP
— 都内のメリダパートナーショップ「サイクルショップマティーノ」 Eバイクの試乗車を6台常設 (@mps_mattino) August 23, 2025
ほとんど間違っているという…
いくらなんでも酷すぎるので、正しく訂正しようと思う。
普通自転車の定義

サイクルショップマティーノは「普通自転車は二輪であることが要件で、三輪や四輪自転車は含まない」と主張する。
・二輪であること(いわゆる通常の自転車)。
・三輪や四輪の特殊自転車は原則「普通自転車」には含まれない。
「普通自転車通行帯」とは|サイクルショップ マティーノクルマは「自転車レーンまで幅寄せして左折」←違反の場合も 免許持ちも自転車乗りも知らない「正しい左折」反則金導入で変わる? | 乗りものニュース正しい左折方法を理解していることは、クルマを運転する上での基本中の基本ですが、自転車レーンがある...
普通自転車の定義は「四輪以下」です。
道路交通法施行規則
第九条の二の二 法第六十三条の三の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。
イ 長さ 百九十センチメートル
ロ 幅 六十センチメートル
二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 四輪以下の自転車であること。
ロ 側車を付していないこと。
ハ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。
ニ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
なお数年前までは普通自転車の定義が「二輪又は三輪」に限定されてましたが、高齢者向けに転倒しにくい四輪自転車の開発が進み、歩道通行要件を緩和するため「四輪以下」に改正されました。
ただしサイズ要件などを満たした四輪以下の自転車のみです。
普通自転車専用通行帯は非普通自転車も「通行義務」がある

次にサイクルショップマティーノは、普通自転車専用通行帯は普通自転車に限り通行可能だと主張してますが、
普通自転車でない場合は?
「普通自転車専用通行帯」や「歩道の一部に設けられた自転車通行可ゾーン」は、普通自転車に限り通行可となりますので、通行できません。走行できないのではなく、通行がゆるされていません。
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これは誤りで、普通自転車、普通自転車以外の軽車両、特定小型原付は普通自転車専用通行帯を通行する義務があります。
これにはまず前提がある。
・普通自転車専用通行帯は第一通行帯にしか設定されない。
本来全ての車両は第一通行帯の通行義務があるところ(20条1項)、普通自転車専用通行帯は20条2項の規制として、20条1項とは異なる通行方法を指示するもの。
2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
普通自転車専用通行帯の規制内容はこのように規定されている。
◯普通自転車専用通行帯(327の4の2)
普通自転車専用通行帯の規制を掛けた場合、普通自転車は普通自転車専用通行帯を、「特定小型原付と軽車両以外」の車両は普通自転車専用通行帯「以外」の通行帯を通行することが指定される(20条2項)。
しかし問題なのは、「特定小型原付と軽車両」は20条2項による通行帯の指定がなされていない。
そうすると「特定小型原付と軽車両」は「道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているとき」に該当せず、20条1項に基づいて第一通行帯の通行義務があることになる。
普通自転車専用通行帯が第一通行帯以外に設定されることはないので、特定小型原付と軽車両は第一通行帯である普通自転車専用通行帯を通行する義務があるのよね。
| 車両 | 義務 | 根拠 |
| 普通自転車 | 普通自転車専用通行帯の通行義務 | 20条2項 |
| クルマ | 普通自転車専用通行帯以外の通行帯の通行義務 | 20条2項 |
| 特定小型原付 | 第一通行帯(普通自転車専用通行帯)の通行義務 | 20条1項 |
| 軽車両 | 第一通行帯(普通自転車専用通行帯)の通行義務 | 20条1項 |
◯警視庁
自転車の交通ルール 警視庁
◯埼玉県警
※普通自転車以外の自転車、軽車両はこの部分を通行することができます。
※一番左側の車線に設置されている場合には、特定小型原動機付自転車は、この部分を通行しなければなりません。
自転車レーンのある道路の通行方法
なお、警察の解説は非普通自転車については雑です。
なぜなら存在する自転車のほとんどが普通自転車だから。
警察庁の交通規制基準では「普通自転車専用通行帯は第一通行帯に設定する」としてますが、なぜこうなるかというと、例えば第三通行帯に普通自転車専用通行帯を設定すると、「特定小型原付と軽車両は第一通行帯」「普通自転車は第三通行帯」というバグが起きるから。
実質的な差がない非普通自転車と普通自転車で通行帯を分ける理由もなく、分かりにくいので普通自転車専用通行帯は第一通行帯以外には設定されない。
なお、普通自転車専用通行帯は道路標識が必須要件ではなく、路面標示として「自転車専用」でも足りる。

理由はリンク先をどうぞ。
普通自転車専用通行帯というのは、現実的には「軽車両・特定小型原付専用通行帯」なのよね。
名前だけをみて中身を調べない人が陥る間違いなんですが。
これって「女性専用車両」とか「シルバーシート」とも似ている気がする。
どちらも具合が悪い人や怪我人なども対象にしてますが、名前だけをみて中身を調べない人には分かりにくい。
そもそも標識が違う
サイクルショップマティーノは普通自転車専用通行帯の標識として下記を挙げてますが、
「普通自転車通行帯」とは|サイクルショップ マティーノクルマは「自転車レーンまで幅寄せして左折」←違反の場合も 免許持ちも自転車乗りも知らない「正しい左折」反則金導入で変わる? | 乗りものニュース正しい左折方法を理解していることは、クルマを運転する上での基本中の基本ですが、自転車レーンがある...
この標識は普通自転車専用通行帯を示す標識ではありません。
325の2が示す意味は以下のいずれか。
②道路法でいう自転車専用道路
③交通法8条による規制として、自転車と特定小型原付以外の車両の通行を禁止(規制効力は道路全体に及ぶ)
325の2による規制は、いずれの場合も自転車(非普通自転車含む)と特定小型原付が通行可能です。
普通自転車専用通行帯の標識(327の4の2)はこれ。

いくらなんでも間違いが酷すぎる。
きちんと理解してからインターネットに流すことが必要
この人はいったい何を言ってるのだろうと疑問に思いますが、
いま自転車と法律や罰則に関する記事を書けば目立ちます。自分が不利な立場になるかも知れないとわかるように仕向ければ、PVは稼げます。しかし、正確な理解をされるかはあまり問題にされず、むしろ不安を抱いてもらうほうが次に繋がるでしょう。今回の記事でも、まるで青塗りされた路面を横切ってはいけないかのような印象は受けますし、誤った認識を広める可能性もあるかと思いました。
現場で「これは専用通行帯なのか?」を見分けるときは、 必ず道路標識(青丸に自転車マーク)があるかどうかを確認すれば間違いないと認識しています。
「普通自転車通行帯」とは|サイクルショップ マティーノクルマは「自転車レーンまで幅寄せして左折」←違反の場合も 免許持ちも自転車乗りも知らない「正しい左折」反則金導入で変わる? | 乗りものニュース正しい左折方法を理解していることは、クルマを運転する上での基本中の基本ですが、自転車レーンがある...
サイクルショップマティーノが書いたこの記事内容を見渡したときに、内容の大半は間違いと言わざるを得ない。
正確な理解をしてないのに正確な理解をしているかのように記事を書くのはいかがなものかと思いますが、

ちょっと前には「特定小型原付は自転車道を通行できない」という明らかな間違いを披露していたわけで、この人がやっているのは「正確な理解」でもないし、ちょっと調べればわかる話。
謎なのは、こんな怪文書レベルの内容を自社ブログではなくnoteに書いている点。
noteは検索上位表示効果が高いわけですが、自社ブログではなくnoteを選択していることを考えるとそういう目的と捉えられても仕方ない気がします。
そもそも、なぜ一部の人は普通自転車専用通行帯を「車道ではない」と解釈するのかが理解し難い。

この画像でいうと、第一通行帯である普通自転車専用通行帯は普通自転車、非普通自転車、軽車両、特定小型原付が通行しなければならない通行帯で、第二通行帯はクルマ、オートバイ、一般原付が通行しなければならない通行帯という意味で(標識令327の4の2、交通法20条2項、20条1項)、全て車道になる。
きちんと調べないまま怪文書を作成してインターネットに流す人がいるのは、本当に残念。
モラルやリテラシーの問題なのよ。
そしてこの人がきちんと訂正できるかどうかが最大の問題で、間違えたとしても訂正して正しい内容を伝えれば挽回できるのよね。
あとそもそも、サイクルショップマティーノは大きな勘違いをしている。
つまり矢羽表示は、その形状や塗り方が如何ようであれ、必ず法定外表示ですから自転車は通行義務はなく、他車による通行も可能です。
「標識なし、青塗り+『自転車専用』と描かれていても、普通自転車専用通行帯(法定の専用通行帯)にはなりません」。
— 都内のメリダパートナーショップ「サイクルショップマティーノ」 Eバイクの試乗車を6台常設 (@mps_mattino) August 23, 2025
左折時に左側端寄せ(34条1項)の適用があるかないかは普通自転車専用通行帯があろうとなかろうと、指定通行区分(左折レーン)や進路変更禁止のイエローラインがない限りは変わらない。
普通自転車専用通行帯がある場合でも、指定通行区分やイエローラインがなければ、左折車は普通自転車専用通行帯に進入してから左折する(20条3項、34条1項)と定めているのでして、これは通行帯規制の例外(20条3項)の話。
それに対しサイクルショップマティーノが解説しようとしている内容は「通行帯規制の原則」(20条2項、1項)の話なので、そもそも論点が違うのよね。
例外規定の適用があるかないかの論点なのに、原則規定を解説しても意味がない。
論点が異なるものを、間違った内容で解説していることになりますが…自転車乗りは道路交通法を理解していないと揶揄されるのも仕方ないのかもしれません。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。






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