先日のこちらについてですが、
道路交通法の車両通行帯には、公安委員会の意思決定が必要だということは道路交通法を読めば明らかなことだし、散々論破されてもいまだに発狂して認めない人がいることに驚きますが、読者様からコメントをいただきました。
結構巷にいるのだろうか?
おそらく「あの人」とはこの人を指すのかと思いますが。
なお、何の話かわからない人にはこちらをオススメします。
定義はない!と発狂する人
こちらで紹介した件にしても、こんなファンタスティックな法律解釈を披露してしまうようで、
あまりにファンタスティックな解釈を語りだされたら、絶句しかないよね。
「2条に歩行者の定義はない!」という主張のようですが、彼も同じ理論構成なんですよね。
そりゃ、2条と4条に分離して規定しているのだから、「2条の定義に車両通行帯の指定の記述はない」と発狂したところで
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
四 横断歩道 道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。
七 車両通行帯 車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示により示されている道路の部分をいう。
十六 道路標示 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲びよう、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。
第四条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者若しくは遠隔操作型小型車(遠隔操作により道路を通行しているものに限る。)(次条から第十三条の二までにおいて「歩行者等」という。)又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。この場合において、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがないとき、その他道路標識等による交通の規制をすることが困難であると認めるときは、公安委員会は、その管理に属する都道府県警察の警察官の現場における指示により、道路標識等の設置及び管理による交通の規制に相当する交通の規制をすることができる。
5 道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、内閣府令・国土交通省令で定める。
車両通行帯とは「道路標示で示した部分」(2条1項7号)、道路標示は公安委員会が「設置及び管理」する唯一の権限を持つ(4条1項)。
「設置及び管理」とは「意思決定」のことを意味するのはまともな人にはわかる話だけど、
「2条の定義には書いてない!」
と発狂する人は、都合が悪いところは定義で押し通すみたいですね。
全く同じ理論構成を取る人が確かにいました笑。↓
論破されても定義のみにこだわる姿勢なんでしょうね。
都合が悪いところはスルーしてしまう政治家と変わらないレベル。
このように、法律解釈よりも「お気持ち優先」の人っていますが、あれでしょうね。
横断歩道も定義上は公安委員会の意思決定なんて書いてませんが、4条1項から公安委員会の意思決定(設置及び管理)がない横断歩道については、道路交通法上は横断歩道ではない。
そんな単純なこともわからずに2条でゴリ押しするみたいだけど、我が国の最高裁判所の判事はさすがに間違わないようなので良かった。
さいたま簡易裁判所は,平成23年4月21日,「被告人は,平成20年11月18日午後4時35分頃,埼玉県三郷市栄1丁目386番地2東京外環自動車道内回り31.7キロポスト付近道路において,普通乗用自動車(軽四)を運転して,法定の車両通行帯以外の車両通行帯を通行した。」旨の事実を認定した上,道路交通法120条1項3号,20条1項本文,4条1項,同法施行令1条の2,刑法66条,71条,68条4号,18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6000円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,平成23年5月7日確定した。
しかしながら,一件記録によると,本件道路は,埼玉県公安委員会による車両通行帯とすることの意思決定がされておらず,道路交通法20条1項の「車両通行帯の設けられた道路」に該当しない。したがって,被告人が法定の車両通行帯以外の車両通行帯を通行したとはいえず,前記略式命令の認定事実は,罪とならなかったものといわなければならない。
そうすると,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であることが明らかである。
最高裁判所第二小法廷 平成27年6月8日
原判決は「道路交通法4条1項」を根拠にしてますが、最高裁判所は「道路交通法4条1項」による公安委員会の意思決定がないので、当たり前の判断をしている。
「該当しない」ですもんね。
道路交通法上そうなるのは明らか。
スーパーの駐車場内にある「横断歩道風」のものも、公安委員会の意思決定がないので道路交通法上は横断歩道ではないですが、やっぱ彼みたいな実力だと「定義ガー!」になるのですかね。
もちろん、公安委員会の意思決定を欠いた横断歩道風の部分については道路交通法38条の義務はありませんが(4条1項)、安全運転義務は免れないのは言うまでもなく。
「定義にはない!」と主張する人は
「定義にはない!」と主張する人がいた場合、経験上は的外れ率100%。
法律解釈よりも「お気持ち優先派」の人の特徴なんでしょうね。
というよりも、彼、本当に心配してまして、自分の主張を否定する判例を根拠にしてみたり、
だいぶ前には、せっかくどや顔したにもかかわらず、
https://twitter.com/toro24f/status/1422031115821338631
判決文をちゃんと読めてないことを指摘したら消されてしまいましたし…
真逆の主張になる判例を出す人なんて見たことがなかったので本当に心配しています。
判例を解説してあげたほうがいいのだろうか?
他にも時々挙げている判例について、意味を誤解していたりするので、大丈夫なのか心配。
とりあえず言えることとしては、法律解釈よりも「お気持ち優先派」の人が普通にいて、そういう人たちはなぜか「定義(2条)」のみを根拠にゴリ押しする傾向にあるようです。
というよりも、定義をみれば「道路標示により」から自動的に4条と関わることになるのはわかりそう。
それにしても、最高裁判例すら無視した「お気持ち道路交通法」を語る人が普通にいることに驚きますが、こういう人たちは「私は法律や判例よりもお気持ち優先だ!」と主張しているのと何ら変わらない。
ちなみに車両通行帯と車線境界線の話。
下記理論をいうなら、罰則がないのは明らかなのである意味では論理的です。
「18条1項には罰則がないから好き勝手にやってますわ」
錯誤の問題でも無理があるし、この問題に対する唯一の理論は上の内容しかないのですが、得意の「2条」でゴリ押しする方針のようですし、ゴリ押しするだけのマシーンになってしまったようですね。
なぜ、法律に則った主張をできないのだろうか?
「18条1項には罰則がないから好き勝手にやってますわ」
彼の言い分を道路交通法で解釈するには唯一の理屈ですし、まだ間に合います。
「私は法律や判例を読めないバカだ!」なんて主張してもどんどん評価が下がるだけだし、法律に則り、きちんと解釈しましょう。
唯一の理屈はこちら。
「18条1項には罰則がないから好き勝手にやってますわ」
こんな自己紹介も虚しいだけですよ↓
ところで
そもそもの話でいうと、昭和46年道路交通法改正時には標識令7条に「車線境界線(区間線)を車両通行帯(道路標示)とみなす」規定を新設する予定でした。
少なくとも国会説明ではその方針だったし、昭和46年8月の警察庁の説明も同様。
しかしなぜか、12月時点では見送りされている。
この問題って、道路交通法を正確に理解した上で、昭和46年改正時になぜ見送りにしたのか理由を知らないと、永久に変わらないのね。
変えたいなら。
法律解釈よりも「お気持ち道路交通法」を語ったところで、正しい解釈を打ち消すことなんてありえないのだから。
そういう話をしていることすら、この人は気がつかないのでしょう。
本当に薄っぺらい人。
そしていつも通りの定期。
「私は法律や判例を読めないバカなんです」と自己紹介するのは大変ですね笑。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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