PVアクセスランキング にほんブログ村
スポンサーリンク

「自賠責保険は道路上だけ」という運転レベル向上委員会の解説は真実か?

blog
スポンサーリンク

間違い解説でお馴染みの運転レベル向上委員会が「自賠責保険は道路上事故だけ」と解説してますが、

運転レベル向上委員会から引用

自賠責保険は道路交通法上の道路に限定していないので間違い。

スポンサーリンク

なぜか起きる「自賠責保険は道路のみ」という勘違い

「自賠責保険 道路外」でググるとAIさんがこのように解説してくれます。

なんだ運転レベル向上委員会の解説は合ってるじゃん!という人が出そうだけど、そもそもこれは間違いなのよ。

 

まず、自賠法をみるとわかるんだけど、どこをみても自賠責保険は道路のみとする規定はない。

2 この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。
(自動車損害賠償責任)
第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

運行とは「道路交通法の道路のみ」という規定はない。
ではなぜこのような誤解が起きるかというと、道路交通法上の道路でない場所で発生した事故については、警察は事故証明書を発行しない。
そして事故証明書がないと自賠責保険を請求できないかのような誤解から「道路でない場所で自賠責保険は払われない」という勘違いに繋がる。

 

「人身事故証明書入手不能理由書」にきちんと理由を書いて提出すれば自賠責保険の被害者請求も普通にできるのよね…

 

そもそも自賠法3条は道路であるかに限定せず「運行」なら対象ですが、11条において運行供用者責任があるときは自賠責の対象ともしている。

(責任保険又は責任共済の契約の締結強制)
第五条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。
(責任保険及び責任共済の契約)
第十一条 責任保険の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる。
2 責任共済の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を組合がてん補することを約し、共済契約者が組合に共済掛金を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる。

なぜこのような珍説が起きたのかは知りませんが、わりとややこしいことに専門家が「対象外」と解説していたりするという…
もしかしてこれを読み間違えているのだろうか?

(適用除外)
第十条 第五条及び第七条から前条までの規定は、国その他の政令で定める者が政令で定める業務又は用途のため運行の用に供する自動車及び道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による自動車道及びその他の一般交通の用に供する場所をいう。以下同じ。)以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車については、適用しない。

専門家であっても正しいかは別物だし、ググると分かるんだけど「道路外でも自賠責保険は支払われる」と正しい解説をしている弁護士サイトが多いのよね。

一応、自宅駐車場での事故に自賠法が適用された判例を挙げておきます。

自賠責保険はこんな事例でも払われる。道路外の事例。
こちらの件。「自賠責保険は道路上事故だけ」などとおかしな解説を繰り返す運転レベル向上委員会もどうかと思うけど、運転レベル向上委員会から引用自賠責保険は自賠法3条の運行供用者責任が発生するときには支払われるとしているのだから(11条)、結局の...

自宅駐車場が道路交通法上の道路なわけもない。

AIにまとめさせたのか?

AIにまとめさせたのか?という疑問がありますが、

AIとの向き合い方。
先日書いた記事についてご意見を頂いたのですが、ちょっと前に見た動画の解説で、クルマの屋根に人を乗せて運転することが危険運転致死傷罪になる、みたいに解説していたけど、運転レベル向上委員会より引用「屋根に人を乗せて運転」については危険運転致死傷...

先日も似たような事案があったので、たぶんAI。
ちなみにですが、当該動画にはほかにも法律解釈を誤っている点があります。
自分の知識試しにどうぞ。
質問があれば答えますが。

 

ちなみにAIは否定しませんが、AIがまとめた内容が正しいかは別問題。
だから人間がチェックする必要がある。
AIがまとめたのか運転レベル向上委員会が自らまとめたのかは知りませんが、どちらにしてもきちんと確認しないとこういうことになる。

 

ところで自賠責保険は「その運行によつて」(自賠法3条)他人を死傷させたなら適用される。
「交通事故によって」としてない理由は、現実的には道路外でも「運行によって」他人を死傷させることはあるのだし、例えば工場敷地内での事故とかですよね。
自賠法の概念は被害者救済にあるのだから当然。

(この法律の目的)
第一条 この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立するとともに、これを補完する措置を講ずることにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

自賠法ってなかなか興味深いのですが、

自賠法3条による無過失の証明。
ちょっと前に福井地裁判決から「自賠法3条による無過失の証明」について解説しましたが、難しすぎてわからないと言われてしまう…うーん、どう説明すると分かりやすくなるのだろう。損害賠償の基礎交通事故において損害賠償請求する際には、主に2つの法律が...

なぜ自賠法による賠償責任が「無過失を立証しない限り払え」としているか?にしても、被害者保護なのよ。

 

けど、全く理解してない人がテキトーな解説を繰り返すのもどうなんですかね。
福井地裁判決なんて、全く違う意味にすり替えた解説になってましたが、

法律を知らずに判例を語ると、違う内容になってしまう。
ずいぶん前に有名な「福井地裁 平成27年4月13日判決」を取り上げてますが、なんかまたおかしな解説をする人がいて…法律を知らずに判例を語ると、違う内容になってしまうのかと驚く。福井地裁 平成27年4月13日判決の趣旨事案の概要です。対向車が...

この人の解説を信じると、ムリに逆走車を避けようとして二次災害が起きるのよ。
全然意味が違う判決なのに…

 

ちなみにこの動画、「駐車場の駐車枠は道路交通法の道路ではない」と力説して何の意味があるのか不思議。
併合罪に該当する無免許運転やひき逃げがあるなら道路交通法の適用があるかないかは関係するけど、そのような事情も見当たらない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました