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自賠責保険はこんな事例でも払われる。道路外の事例。

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こちらの件。

「自賠責保険は道路上だけ」という運転レベル向上委員会の解説は真実か?
間違い解説でお馴染みの運転レベル向上委員会が「自賠責保険は道路上事故だけ」と解説してますが、運転レベル向上委員会から引用自賠責保険は道路交通法上の道路に限定していないので間違い。なぜか起きる「自賠責保険は道路のみ」という勘違い「自賠責保険 ...

「自賠責保険は道路上事故だけ」などとおかしな解説を繰り返す運転レベル向上委員会もどうかと思うけど、

運転レベル向上委員会から引用

「自賠責保険は道路上だけ」という運転レベル向上委員会の解説は真実か?
間違い解説でお馴染みの運転レベル向上委員会が「自賠責保険は道路上事故だけ」と解説してますが、運転レベル向上委員会から引用自賠責保険は道路交通法上の道路に限定していないので間違い。なぜか起きる「自賠責保険は道路のみ」という勘違い「自賠責保険 ...

自賠責保険は自賠法3条の運行供用者責任が発生するときには支払われるとしているのだから(11条)、結局のところ「運行によって」に該当するかどうかが問題になる。
なので道路外であっても、「運行によって」に該当し「他人」であれば支払いの対象

2 この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。
(自動車損害賠償責任)
第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

道路外の事例なんていくらでもあると思うけど、例えばこんな事例がある。

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自宅ガレージ内での死亡事故

判例は大阪高裁 平成12年8月9日。
自宅ガレージ内での死亡事故です。

Xは、自己所有の本件自動車の助手席にAを同乗させ、Aをその自宅へ送っていく途中、一時的に休息をとるため、自宅ガレージ内に本件自動車を入れ、ガレージのシャッターを閉めた(これによりガレージは密室状態となった。)後、両名とも降車することもなく、Xにおいて車内エアコンのスイッチをオンにしエンジンを稼働させたままAとともに車内で時間を過ごすうち、排気ガスが車内に流入し、これを吸入したため、両名とも一酸化炭素中毒により死亡したものと認められる。

よって、Aの死亡は、いわば走行の延長としての一時駐車中における、X所有、運転の本件自動車のエアコン装置使用のためのエンジン稼働によって生じたものであって、運行供用者であるXの本件自動車の「運行によって」生じたものというべきである。

被控訴人らは、Xは、本件自動車の所有者で本件事故当時運転席に座っていたことは認めるが、運行供用者でなく、本件は交通事故ではないというが、前記認定事実によれば、Xが運行供用者であることは明らかであり(運行供用者性を阻却する特段の事情の主張、立証はない。)、また、自動車の運行によって他人の生命を害した以上、Xは自賠法3条の責任を負うべきものである。なお、Xが無過失であったとはいえないことは前記認定のとおりであり、その他、同法同条但書の事実についての主張、立証はない。

大阪高裁 平成12年8月9日

自宅ガレージ内が道路交通法上の道路でないことは明らかですが、自賠法は道路交通法上の道路であるかを要件にしてなくて、「運行によって」「運行供用者/他人の関係か?」のみが問題になる。

 

このような事例でも運行供用者は無過失の立証をしない限りは賠償責任があることになるし自賠責保険の対象になる。

AIが間違っていた理由

条文上も「自賠責保険は道路のみ」とする規定はなく、実務上も判例上も道路外で自賠責保険が適用されているのに、なぜAIがこのような間違いを吐き出すか?

ググると分かるんだけど、たぶんこれが原因なのよ。

自賠責保険は、道路上の人身事故を対象としていますので、道路外の事故の場合、自賠責保険が利用できないことになります。この場合、道路外の場合に適用される任意保険に加入していない場合には、保険等を利用して損害の補填をすることができないことになります。すなわち,むしろ道路外の事故の方が被害者に損害の補填がされない場合も考えられますので、注意が必要です。

「道路外」で事故を起こしたらどのような罪に問われますか?
WILL法律事務所の清水伸賢弁護士が、「道路外」での交通事故について詳しく解説します。

弁護士さんがガッツリと間違っているという…
ところが他の法律事務所の解説では「道路外の事故も自賠責の対象」と正しい解説をしている。

 

ではなぜこのような間違いが起きたのか?については推測になりますが、自賠法10条の誤読なんじゃないかと思う。

(適用除外)
第十条 第五条及び第七条から前条までの規定は、国その他の政令で定める者が政令で定める業務又は用途のため運行の用に供する自動車及び道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による自動車道及びその他の一般交通の用に供する場所をいう。以下同じ。)以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車については、適用しない

この規定は「道路以外でのみ運行する車両は自賠責保険の加入義務がない」とするもの。
一例としては工事敷地内でのみ使われる車両のことを指しますが、自賠責保険の加入義務から除外されている。

 

しかしややこしいことに、自賠責保険の加入義務がない「10条車両」であっても、運行供用者責任(3条)は免れない。
つまり自賠責保険加入義務免除車両についても、無過失の立証等がなければ賠償責任を負うことになる。

 原審の適法に確定した事実によれば、訴外Dは、昭和四三年一月二一日午後一時三〇分頃津久見市bc番地の上告会社E作業所において、上告会社がその事業用に使用中であつた上告会社従業員訴外Fの運転する上告会社所有にかかるシヨベルローダ(道路運送車両法二条二項にいう自動車)(以下本件ローダという。)に轢かれて死亡したものであるところ、本件ローダは、自動車損害賠償保障法二条一項にいう自動車であることが明らかであり、そして、同条二項にいう運行とは、道路運送車両法二条五項にいう運行よりも範囲が広く、工場敷地内や公園等道路以外の場所のみで自動車を当該装置の用法に従い用いる場合をも含むものと解すべきであるから、上告会社がその主張のごとく本件ローダを上告会社の作業所内のみにおいて用いていたものであるとしても、前記事実のもとにおいては、上告会社は、その所有の本件ローダを自己のため運行の用に供していたものであり、かつ、その運行によつて右Dの生命を害したものであることが明らかであつて、上告会社は、これによつて生じた損害につき、自動車損害賠償保障法三条所定の責に任ずべきものといわなければならない。もつとも、同法一〇条によると、道路以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車については、同法五条の規定(自動車損害賠償責任保険)の適用はないけれども、そのことと同法三条の損害賠償責任とは別個の問題であつて、右の自動車について同法三条の適用が排除さるべきいわれはない。さらに、上告会社が主張するように本件ローダにつき、その運転に免許は不要であり、自動車登録も必要でなく、そして、本件ローダが税法上減価償却資産中の機械設備として取り扱われているとしても、そのことは、同法三条の適用を左右するものではない。

最高裁判所第二小法廷  昭和48年7月6日

自賠責保険の加入義務(5条)の除外(10条)であることと、運行供用者責任(3条)を問われるかは別問題とする。
自賠責保険は加害者の賠償責任の一部を肩代わりするようなものだから、このケースについては自賠責保険に加入してない以上は自賠責保険から支払われないけど、運行供用者としての賠償責任はあるという判例。
たぶん10条の誤読から間違ってしまったのではないかと推測しますが、現に道路外での事故でも適用された判例は普通にあるし、それらにしても「道路か否か?」が争点ではなく「運行か否か?」が争点。

 

けどインターネット検索やAIは、間違っている解説でも上位表示したり拾ってくるのが現実でして、だから法律解釈をインターネットやAIに任せると恥をかくことになる。

インターネット検索やAIの限界

昨年、路側帯を通行する自転車は三灯式信号に従う義務があるか?みたいな話が話題になっていたけど、三灯式赤信号は「交差点への進入」を禁じているのだから、路側帯は交差点に含まれるか?が問題になる。

五 交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

条文上は歩道のみを除外しているのだから、路側帯が交差点に含まれるのは当然。
これは警察庁、警視庁、東京地検、東京高裁、判例タイムズ(東京地裁)も同様の見解で「路側帯は交差点に含まれる」になる。

法2条1項5号の規定により路側帯は交差点に含まれる(1.3-図4)

東京地方検察庁交通部研究会、最新道路交通法事典、東京法令出版、1974、9ページ

路側帯が設けられている道路においては、路側帯を含めた道路が交わる部分を交差点という

東京高裁 昭和60年3月18日(刑事)

※この判例は警察庁交通企画課「実例判例集」にも掲載されている。

交差点とは、十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路の交わる部分である(道交法二条五号)。そして歩道と車道の区別のある道路においては車道の交わる部分をいい(道交法二条五号かっこ内の部分、歩車道の区別がある道路とその区別がない道路が交わる場合について高松高判 昭和40・5・11下刑集7・5・789)、路側帯が設けられている道路においては、路側帯の部分を含めて道路の交わる部分をいう(警視庁交通部・実務のための道路交通法逐条解説上巻12頁)。

「道交法の解釈 交差点の意義と範囲」、竹重誠夫(東京地裁判事)、判例タイムズ284号、1973

ところが解説書であれば必ず正しいことを書いているわけでもなくて、木宮・岩井著の「詳解道路交通法」は真逆のことを書いている。

おそらくこれは何らかのミスから真逆に書いてしまった誤記と考えられますが(路側帯を新設した昭和46年に警察庁などから出た見解と明らかに違うし、裁判所の見解とも違う)、明らかな誤記と考えられるものをレスバに使うような人がいるからややこしい。

 

なのでこういう解釈については、信憑性を高めるには複数の解説書と判例、条文からきちんと検討することが大事になるわけよ。

 

けど世の中って、あまり深いことを考えられない人が多いのかなと感じることがあって、この路側帯信号事案にしても「マスコミの動画」を理由にする人がわりといた。
マスコミは「警察に確認した」としていたことから「警察が言ってるじゃんか」みたいな論調ですよね。

そもそもこの動画については、愛媛県警本部がマスコミに間違ったアナウンスをしたことが原因でして、

やはり「路側帯通行自転車も信号無視」でした…
こちらの件。南海放送の内容については明らかな間違いと考えられますが、これ、コメントが削除されていたわけではなくて、南海放送バージョンと日テレバージョンがあるだけだった笑ところで、管轄の愛媛県警交通企画課にこの動画の見解を確認したのですが、何...

愛媛県警本部は間違っていたことを認めてマスコミに通知し動画は削除。
けど思考停止な方々は、「警察に確認したのに素人のお前が何をいう!」と発狂する。

 

けどさ、自賠責保険の適用にしても路側帯の信号にしても、本来プロである弁護士さんや警察本部が間違ってしまうわけで、プロでも間違えるのよね。
だから「プロだから間違いない」と短絡的に捉えるのはご法度。

 

そしてそういう間違いをインターネット検索が上位表示したり、AIが拾ってくることは普通。
インターネットで言われていることが正しいかは別問題だし、プロだから間違いがないわけでもない。
だからド素人が正しい知識を得るには、本来は複数の専門書から確認しないと間違ってしまうわけですが、

 

運転レベル向上委員会の人はインターネット検索かAIに任せた程度だから間違いが頻発している。
自分できちんと調べる癖と、信頼できるソースを見極める力(複数の専門書などから整合性を取る)がないからそういうミスに繋がるのかと…

 

けど本当にややこしいなと思うのは、こうした短絡的な人ってなぜか自信満々だし自己訂正能力が低い。
そう考えると、結局は反面教師にするしかないのよね。

 

しかし運転レベル向上委員会の人にしても、毎回のように何らかの間違いを披露して気にしないメンタルも凄い。
間違いを指摘するとブロックされると聞いてますが、誰でも間違いなんてあるのだから間違いを認めて訂正する能力は大事なのよ。

 

そもそも「道路外は対象外」というインターネット上の情報があったときに、まともな人なら「その根拠はなんだろうか?」と調べると思うのよね。
条文上は道路外だから除外する規定はないし、じゃあ専門書はなんて書いてあるのか?と調べることに繋がりますが、それをインターネット上で検索しだしたら正解からは遠ざかる。
便利であることと、正しいかは別問題。

 

で、道路外の事故については警察が事故証明書を発行しないから自賠責保険の対象外と勘違いする人もいるけど、「人身事故証明書入手不能理由書」を作成すれば自賠責保険の支払い対象です。
もちろん要件は「運行によって」と「他人」。

 

運転レベル向上委員会の人は、読み間違いようがない事案も間違いが頻発しているわけで、

「ながらスマホ」と危険運転致死傷罪。
いやはや、ながらスマホで追突事故とはテロ同然としか。ところで、現状では危険運転致死傷罪に「ながらスマホ」に該当する類型がないため過失運転致死傷罪になる。法務省では危険運転致死傷罪にかかる検討部会が開かれてまして、「ながらスマホ類型」を追加す...

フェイクニュースを創作しまくる意味がわからない。

コメント

  1. tk10 より:

    このAIさんには最近急激にお世話になるようになったのですが、
    明確に誤ることもありますが、聞く耳をもっていますし、学習能力もあります。

    なので、学習させておきましたよ。というか、やりとりするといろいろ把握していました。
    表現が修正されるでしょう。

    何とかレベル何とか委員会さんの方は、誤りがある場合はyoutubeに「誤った情報」として報告できますし、
    AIの方にも、こんなこと言ってる人いるよと伝えられるので、
    記事にする時は有効でない形でも良いのでリンクがあると助かり…
    貼るなよ、絶対貼るなよ!

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ややこしいのは、AIを騙す目的でわざとガセネタを流す人もいましてね…政治的な思惑がある人は普通にガセネタを流すんですよ笑

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