なんかこんなのが話題になってるみたいですね。
名古屋で見つけた自転車レーン、ほんの一部だけでしたがこのような形であれば安全で良いですよね pic.twitter.com/XTSFxBiQfK
— パナレーサー株式会社 (@PanaracerJ) August 12, 2022
Contents
法的拘束力?
Twitterの画像について「法的拘束力がない」と語り出す人はそれなりにいるのですが、こういう人たちがいう「法的拘束力」が何を意味するのかは謎として。
せっかく構造物で仕切りを作ったわけだしね。
ところでこのような構造。
道路交通法上の捉え方はいくつか考えられます。
①車道の左側端と捉える
専用通行帯など上乗せ規制がない限りは「車両通行帯がない道路」なので、18条1項でいうところの「車道の左側端」と考える。
この場合、自転車の通行位置はナビラインと一致する。
しかし他の車両(原付やオートバイなど)が通行したとしても違反にはならない。
②自転車道と捉える
自転車道の道路交通法上の定義では、工作物で仕切れば道路標識は不要。
その場合、自転車には通行義務があり、他の車両は通行不可になる。
道路交通法上の自転車道には横断歩道等の定義と違い、道路標識や道路標示を求めていないので、工作物で仕切れば成立しちゃうんだよね。
自転車道の指定には公安委員会の意思決定(笑)も不要だし。
個人的にはどっちでもいいんだけど、考え方次第ではどっちでも解釈可能になるので。
まあ、自転車の立場からすればせっかく構造物で仕切ってくれたのだし、この中を通行すりゃいいわけだけど。
先日の件
先日の記事の続き。
個人的にはあんまり自転車ナビラインを評価してないのですが、確かにそうかなと思うご意見も。
左折専用レーンにナビラインがあると直進しやすいような気がします。
あと自転車専用通行帯よりも逆走が少ないような気が。。。
左折専用レーンに描いてあれば、視覚効果として「自転車は最左車線から直進する」ことをドライバーに知らせる効果はあるかもしれません。
ぶっちゃけた話、自転車が第一通行帯からしか直進できないルールはほとんど知られていない。
ちなみに「自転車専用通行帯を逆走する自転車」については、確かに見かけます。
あれ、たぶん「知らずにやっている」自転車が多いんだと思われます。
そもそも、車道外側線と歩道の間は「歩道」だと勘違いしている自転車もいるし、「自転車は車道の左側」を知らない人すらいますし。
お次のご意見。
私も「自転車は歩道だろ!すぐに歩道に行け!」とわめくオバサンに絡まれたことがありますが、免許を持つ人ですらこれですから・・・
このときは警察を呼び、オバサンには正しい道路交通法を伝授してもらいましたが、警察を呼ばなくても道路自体が教えてくれたほうが早い。
泣きわめいて「自転車乗りにイヂメられた!」とコンビニの中で取り乱していたようですが、クラクション連打でイヂメられたのは私ですし、警察官も同様の見解でした。
ちなみに私は通称、鉄仮面とも呼ばれてますが、オバサンの涙に動じることはありません。
お次のご意見。
ドライバーの中には自転車は車道では車道外側線の外側を走るものと考えている人が一定の割合で存在するのでは、という気がするので、そういう人たちへの牽制というか、自転車はこの辺を走るものだという周知機能は充分果たしていると思っています。実際、ナビラインがあるときは自動車側が少し距離を取って走行してくれるし、無いところでは近いと感じることが割と多い、と感じます。自分はバーエンドライトを使用していますが、側方距離に関してはバーエンドライトよりナビラインの方がはっきり効果があると思っています。
ナビラインがあることで側方間隔の効果を感じたことがないのですが、そのように感じる人もいらっしゃるので視覚効果としてはあるのですかね。
あえて言いたいことなんですが、せっかくならナビライン設置前後における側方間隔の変化も調査対象にしてみたら面白い。
設置前にそこまで考えていた人はさすがにいなかったと思うけど、新たにナビラインを設置するときには調査対象としてみてもいいのかもしれません。
分かりにくい構造物
個人的に思うのは、初めて通行する人(自転車以外の車両も含む)が容易に理解できる構造じゃないと誤解を生むリスクがあると思ってまして。
以前書いたこれもそうだけど、
明確に自転車道と表記されていても、管轄署は平然と「通行義務はない」と言うし、違うところだと「通行義務がある」と言うし。
そもそも、警察官ですら普通自転車専用通行帯と自転車道の違いを理解していない。
以下判例は、普通自転車専用通行帯を通行した原付に対し、警察官が「自転車道を通行した」として違反切符を切ったものの、あとになってから起訴事実を間違えたとして非常上告により取消にしたもの。
警察官ですら自転車専用通行帯と自転車道の区別がついてないという、大変マヌケな事件です。
保土ケ谷簡易裁判所は,平成23年12月19日,「被告人は,平成23年1月23日午後3時57分頃,自転車道の設けられている神奈川県茅ヶ崎市矢畑1392付近道路において,原動機付自転車を運転して自転車道を通行した。」旨の事実を認定した上,道路交通法17条3項,119条1項2号の2,刑法66条,71条,68条4号,18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6000円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,平成24年1月5日確定した。
しかしながら,一件記録によると,本件道路の部分は,道路交通法2条1項3号の3に規定する自転車道に当たらず,神奈川県公安委員会の意思決定により,自転車専用との道路標示がなされ,その旨の道路標識が設置された,同法20条2項,2条1項7号,4条1項により自転車のみが通行することができる自転車専用通行帯であり,被告人が本件車両を運転して自転車道を通行したとはいえないから,前記略式命令の認定事実は罪とならなかったものといわなければならない。
最高裁判所第二小法廷 平成27年4月20日
普通自転車専用通行帯、自転車道、歩道の普通自転車通行指定部分、歩道の中の自転車レーン、歩道の自転車通行可、自転車ナビラインなどいろんな形態がありますが、ぶっちゃけマニアしかわからないでしょ。
自転車乗りでも、「ナビラインには法的拘束力はない!」と言い張って車線の真ん中をわざと通行しては社会に迷惑を掛ける人もいますし、そんな奴に限って道路交通法をほとんど理解していませんし。
どうでもいい話なんですが、先日夜にバスに乗っていた時のこと。
歩道がある交差点をバスが左折しようとした。
左折先から自転車が逆走してきましてね。
信号無視と逆走なんですが、左折しようとしたバスのさらに左側を通過しようとする心理についてはちょっと無理。
けどああいう自転車ってたぶん、車道外側線の外側も歩道だと勘違いしているんじゃなかろうか?
バスが突如おかしな動きをしたのですが、要は逆走自転車と衝突しないようにしたわけです。
けどさ、そもそも歩道には逆走なんてないし、信号機の規制も受けないのだから、せめてこうすれば済む。
自転車の基本的なルールを知ってもらうしかないけど、歩道逆走!と言い張って身勝手な取り締まりをするYouTuberがいたり、警察官ですら「歩道逆走は17条4項の違反!」として切符を切るくらいなので、
義務教育の中で試験をしながら覚えてもらうとか何かしらしないとマズイと思う。
YouTuberの件なんて、誰一人として「歩道逆走は違反」だと疑ってないわけでしょ。
やばすぎ。
話を戻します。
これ。
名古屋で見つけた自転車レーン、ほんの一部だけでしたがこのような形であれば安全で良いですよね pic.twitter.com/XTSFxBiQfK
— パナレーサー株式会社 (@PanaracerJ) August 12, 2022
見方によっては自転車道(その他の工作物で区切った車道の部分)と捉えることも出来なくはないし、車道の左側端(18条1項)と捉えれば、位置的にも合理的左側端と認定できる。
「法的拘束力はない!」と語る意味は何の拘束力なのかはわからないけど、法律に則った位置にナビラインがあるのは確かな気がします。
たぶん、外国人などがイラスト入り標識などで見た瞬間に通行義務があるかないかを判別できるようなシステムじゃないと、混乱を招くだけなんじゃないかね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント